柊くん登場
そのころの
香織と佐恵はというと…
佐恵は変わらず後ろをついて行っていた
「佐恵、そろそろ出ておいで」
「ぅ…ばれていた…」
「佐恵が尾行するのが下手なのよ」
香織はずっと気が付いていたみたいだった
「佐恵心配していたの?」
「うん…だって、試合明日だし。そんな暗いわけくらいしりたいし…。」
「ごめんなさいね。私は過去からなかなか抜け出せないでいるだけなのよ」
二人は近くにあったベンチに座った
佐恵は心配そうに見ていた
「楓さんがこの前みんなに話していたでしょ。私もね、いつかは話そうって思っていることがあるのよ。佐恵には少しだけ話すね。私には、弟のような存在がいたのよ。けど、その子はもういないのよ」
「ぇ、亡くなったってこと?」
「そうよ。討伐戦に行ったとき、帰ってこなかったわ」
「そう…だったんだ…。それはなかなか立ち直れるようなことじゃないよね」
「いいのよ。みんなはなくなったって言ってるけど、私はどこかで生きているんじゃないかって思っているの」
香織の顔にはまだ希望が宿っていた
まだ生きていると思っている
「そうだね。僕はここはいるよ。香織さん」
大きくなった柊が目の前にいた
驚きのあまり二人は声がでなかった
死んだと思われていた子がそこにいるのだから
「ま、驚くのも仕方ないよね。僕は死んだことになっているんだよね」
「どうして…あなたがここに。でもよかった…生きているのね。今までどこにいたの」
「僕は"あの人"と共にいるんだ。助けてくれた"あの人"に。」
「あの人…誰なの。そんな人のところになんか居なくても私のところに帰っておいで!」
「誰かは言えません。あなたのところにも帰りません。」
香織はショックを受けた
だけど、ここで柊を引き留めないといけないと思った
香織は柊に近づいて行った
だけど
「近づくなよ。」
その一言で柊の周りに風が吹いて香織を吹き飛ばした
香織は立ち上がることができなかった
「香織さん、あなたに助けられたことは感謝しています。しかし、僕はもうあの頃の僕ではないんです。一度死んだ人間です。だから僕のことは忘れてください。では、さようなら」
香織は何も言えずに見ることしかできなかった
そのまま柊は消えていった
「香織さん!大丈夫ですか!!香織さん!!」
あまりの衝撃に香織は倒れたのだった




