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春斗達の長い長い1日 その2

三限が終わり俺はいつものように三人の所へ行った。


「いやー笑わせてもらったよ雄一郎君」


「わざとらしく話しかけるなよ梨恵」


「いやーあれは私もどうかと思うよ」


「楓まで言うかそれを、お前はそんなこと言わないよな春斗?」


「それは俺に言ってくれっていうフラグかなにかか、それが本当ならどんどん俺は言うぞ」


「なんでみんなそんなこと言うんだよ!!」


雄一郎をいじりながら段々話は別の話題へと変わっていった。


「あ、そういえば二人とも知ってる?」


「何が?どんなこと」


「唐突に思い出したんだけど月宮君って緊張すると手が震えるんだよ」


「ほんと唐突だね、だけど意外だね」


「そんな意外か?」


「うん、だっていつも冷静な顔してるもん」


「冷静ねー」


「でも何だろう、冷静って言うかうーん、無表情?」


俺っていつも無表情だったのか?いや、そんな事はないはずだ。

確かにいつも真顔かもしれないが笑う時だってある、無いわけない。


「へー春斗にはそんな事があったんだー」


雄一郎は俺を見ながら不敵な笑みを浮かべていた。

ナニ悪い顔してる、何かしてみろ後でどうなるか思い知らせてやる。


「そういえばなんでいきなりそんな事思い出したんだよ楓は?」


「うーん、何でだろうよくわからないけど急に頭の中にそれが思い浮かんだんだよー」


「相変わらずどっか抜けてるなー」


「えへへーそんなー褒めないでよー」


「いやいや褒めてないから」


この三人は俺の話題を話しているのになんだこの漫才は・・・。

まぁいつものことなんだけどな。


「よーしこのままじゃ漫才されて終わるだけだからちょっと話そうかな」


「じゃあ宜しく頼むぜ!!」


「それはさかのぼることほんのちょっと前だな、俺達はゲームセンターに行った。」


「確かに行ったな、だけどそれは関係あるのか?」


「あるよーありありだよ」


「俺と雄一郎は最初あの時格闘ゲームをしたな」


「したな、あれは散々な結果だったことを鮮明に覚えてるぞ」


「で、そのあと梨恵と楓が俺達の所へ来たわけだ」


「そうだね、それで私が月宮君で梨恵が雄一郎の所へ行ったね」


「あの時の言葉とても覚えてるよ雄一郎君」


「お前のパンチかなり痛かったからな」


「ここからが話の本題なんだよ、俺がお金を入れようとしたら手が震えたってわけだよ」


「話はわかったけどどうして震えたの?」


「なんでかと言うとな結構恥ずかしいけど俺は対戦って言うと家でのオンライン対戦が当たり前だったんだよ、

家だと気軽にできるんだよ、自分の部屋だから、だけどああいった場所でやるのは初めてで・・・。」


「てことはあの時がゲームセンターでの初プレイだったてことかよ」


「その通りだ俺からはもう話す事はないぞ、これでいいだろ?」


「何だろう、話聞けたのはよかったけど何か面白味に欠けるな」


「え!?どうしてなの?」


「だって初めてだったんでしょ?緊張してもおかしくないじゃない」


「そうだけどさー」


「話してるところすまない二人とも」


雄一郎は話を割って喋り出した。


「盛り上がるのもいいけど時計を見てくれ」


時計の針は授業開始の二分前であることを示していた。


「ヤバいどうしよう、時間がない!!」


「そういえば次は何だっけ?」


相変わらず楓はマイペースだった。


「家庭科だよ、お前の好きな」


「本当!!やったー早く行こう梨恵」


「わかってるよ、だからって引っ張らないで!!」


楓は梨恵の分の教材を勝手にロッカーから取り出し急いで家庭科室へと走って行った。

その時楓のポニーテールがゆらゆらと揺れながら走っていく姿を見ていた俺と雄一郎はその後ろ姿に見とれてしまった。


「なぁ俺が言いたい事が分かるよな雄一郎?」


「当たり前だろ、何度俺はこの光景を見て思った事か」


「「後ろ姿可愛いな」」


俺達は声を揃えてこの言葉を口にした。


「だよな、絶対これは思ってしまう!!」


「俺も同意見だ」


「いやーあれはいつ見ても素晴らしいな」


「俺もこの学校に入ってから何度かこの光景を見たが・・・うん」


「おっとそんな感傷に浸っている場合じゃないぞ俺達も急ごう」


「それもそうだ、それで家庭科室はどこだっけ?いまだに教室の位置があまり把握できてないんだ」


「それなら任せておけ、ここから右に曲がって階段を降りて左に進んだ所だ」


「ありがとう、ダッシュで行けば間に合うぞ」


俺達は急いで向かってチャイムが鳴ったとほぼ同時に家庭科室へ入った。


「ギリギリセーフ」


「何とか間に合ったな」


「どうしたの二人とも?」


「いや、特に何も無かったよな春斗?」


「何もなかったぞ」


「そうなんだ」


俺は雄一郎のほうを向いた、お互い顔を見合わせると自然と笑みがこぼれた。


「二人が笑ってるって珍しいけどちょっと気持ち悪い」


「酷い言われようだな」


「とりあえずどっか席に座ろう」


この授業は教室の座席のまま座るということはなく自分達で決めて座る。

だから必ず仲が良い友人の近くで授業を受けられる、なんて優しい先生なんだ感謝したい。


「全員揃いましたね、始めましょうか」


前を見ると楓が早く授業がしたくてウズウズしているのがすぐわかった。


「今回の授業はこれを五時間程度で作ってもらいます」


先生が取り出したのはトートバッグだった。


「作り方は黒板に書いておきました、あとは自由にやってくださいそれじゃあ始めてください」


この先生適当って言い方もアレだけど生徒の自主性を見るためにこんなことしてるのか、そう思うといい先生だ。


「私こういうの苦手だから教えて」


「いいよ、じゃあ私の見てて」


楓はそういうとかなりのスピードで作業を始めその速さに見入っていたら直ぐに作業をしている手をやめた楓を見るともうバッグが完成していた。


「相変わらずこの教科になると凄いよな」


「いつ見ても驚いちゃうわ」


「スタートしてから15分も経ってないぞ」


「センセー終わりました」


「え、もう!?」


先生が驚くのもおかしくない、それに俺達以外のこのクラスの人も唖然としているのだから。


「凄い完璧だわ、じゃあ終わっていない人とか困ってる人の所へ行って手伝って来てください」


「分かりましたー」


上機嫌で俺達が座っている席まで楓が来た。


「イエイ、どうだ」


誇らしげな顔で完成したバッグを見せた。


「先生の言った通り完璧に縫ってある」


「いつ見ても凄いなこのスキル」


「ちょっといい?」


「梨恵どうしたの?」


「さっき見ててって言ったけどあれじゃ分かるわけないじゃない!!」


「えー見てたでしょ」


「何言ってるの、説明もなしにあんなパッパとしても分からないわよ」


「分かったーじゃあゆっくりやるね」


何分かして俺は大変な事に気付いた。


「ここってどうやってやるんだ?」


「ここはねーこの縫い方でこうパパッとこうすると出来るよ」


「おう、分かった」


「違うよーここはこうだって」


ダメだ言っている事がざっくり過ぎて全然分からん。


「もぉーちょっと貸して私がやる!!」


「ごめん」


何で俺が悪いみたいな雰囲気になってるんだ?謎すぎる。

しかし楓の機嫌は嵐の如く現れ何事もなかったかのように過ぎ去っていった。


「はい、できたよー」


「あ、ありがとう、いや・・・その・・さっきはごめん」


「ん、何かあった?」


「い、いや何でもない」


「相変わらずの状態だな」


「本当、それは言える」


俺と楓の会話を見ていた雄一郎と梨恵がクスクスと笑っていた。

そうしていると授業の五分前になっていた。


「はーい、もう授業終わりそうだから自分の作品を教卓に持ってきて道具はこの籠の中にしまってください」


「えーもう時間なの?」


時計を見ながら楓は残念そうな顔をしていた。


「そんなものよ楓楽しい時間なんてあっという間に終わるものだよ」


「そういうものだけどさーもっとやっていたい!!」


「はいはいわがままはいけませんよ、全く楓って高校生よね?」


「あ、でた!!お得意の梨恵お母さん」


「ん?、なんだよその梨恵お母さんってのは?」


「まだ春斗は見てなかったか、俺ら三人は中学が一緒だったことは知っているよな?」


「それはお前から聞いたから分かるぞ、それでこのこととはどんな関係があるんだ?」


「それがな時々楓が学校でわがまま言うと直ぐ梨恵が怒ってお説教をし始めるからその光景を見た当時のクラスメイトがお母さんみたいだと言ったことが始まりだ」


「なるほどねー」


「だけどちょっと似合わないよなー」


「どういうことだ?」


「だって見た目がさ」


「やめておけ聞かれたら殺されるぞ」


「大丈夫、大丈夫まだあいつは説教中だからばれてないさ」


「そうとは限らないぞはら」


俺は雄一郎の後ろを指さし後ろ振りむいたら目の前に腕を組み不敵な笑みを浮かべた梨恵の姿があった。


「見た目がなんだって?」


「おいおい待て!!俺はまだ何も言ってないぞ」


「へー言ってない、じゃあいつ言うか分からないような悪い芽を摘み取らないとね」


「ギャーッ!!ごめんなさいー!!」


「あーあ始まったね」


「あれ?説教とやらは終わったのか」


「やっと終わってくれたよー、本当あれはいつまで経っても慣れないよだって怒ると親と同じかそれ以上に怖いんだよ」


「お前の親がどれだけ怖いかしらんがとにかくめっちゃ怖いってことだな」


「そう!!そうなんだよー」


俺達が騒いでる間に同じクラスの生徒が着々と片づけを終わらせていた。


「じゃあ終わったので解散していいよー」


先生が適当に授業を終わらせ続々と帰って行った。

何でこの学校にはこんなにも適当な先生しかいないんだ、いや今の高校はこんなものなのか?


「おーい喧嘩は後にして俺達も帰るぞ」


「さあ戻ろー戻ろー」


「あ、ちょっと待て置いてかないでくれー!!」


「まだ終わってないのに待てー!!」


教室まではゆっくり歩く人、そして誰かに追われ全速力で逃げる人が戻るまでにいた。

まるでギャグアニメの最後でありそうな光景だった。


「お、二人はもういるな、やっぱ歩きと走りでは違うな」


「ハァハァ・・・このやろー本気で走らせやがってもう一歩も動けないぞ」


「何言ってるのよ、そもそもアンタが一言余計なこと言わなければ何もなかったのよ」


教室に戻ると自分の机に倒れこんでいる二人が疲れきった状態でいた。


「二人はずっと変わらないね」


「楓に言われたくないわ」


「おい、その前にみんな今はどんな時間だ?」


「え?それはもうお昼だけど」


「そうなんだよやっと昼飯を食うことができるんだ」


「そういわれると腹が減ったな」


「ということで昼飯を食べるとしよう」


そういうと何事もなかったかのように雄一郎が立ち上がった。

どうしよう、今日は弁当を買い忘れてしまったからあの場所にいくしかない。


「俺今日学食なんだよなー」


「あ、私もそうなんだよ」


「うーん私パンあるけど二人が学食なら私もそうしようかなー」


「なんだよ今日は学食の日か」


「そういう感じだとお前も・・・。」


「そうなんだよ実は親が弁当作ってなくて金だけ渡されて学食でもなんでも行きなって言われたんだよ」


「なら話は早いじゃん」


俺達は財布を持ち始めてこの学校の食堂で昼飯を食べるため向かった。


「来たね食堂に何食べようかなー」


「それはいいんだが・・・この試練的なものに打ち勝たないといけないな」


目の前には同級生やら先輩やら関係なく、人が荒波で荒れる海のような状態になっていた。

これは平和に食べることが難しそうだな。


「ここの食堂ってこんなにさ戦場と化していたっけ?」


「いや、私と楓はこの前に行ったけどそこまででもなかったよ」


「それじゃあ何だ?今日限定の特別メニューでもあるのか?」


「あ、ねぇねぇあの看板見て」


梨恵が指さす方向には新作メニューの文字も輝いていたがそれをはるかに超えるのが毎月この日の限定メニューの文字だった。


「えーっと何々、揚げ物ミックススペシャル・・・はぁ!?」


「どうしたのー?・・・えぇ!!」


「何だよそんなに驚いて、メニューの内容は大盛りのどんぶりにから揚げ、とんかつ、竜田揚げなどの揚げ物をふんだんに使用した一品で値段は・・・550円だと!?」


写真の状態でもかなりのボリュームそしてこの値段学校こんなの出して大丈夫なのかと思ってしまった。

でもよく見ると、限定50食と書いてあった。


「とんでもないメニューがあったんだな」


「私もこんなの初めて」


「これはもう決まりだな」


「それってまさか・・・。」


「当たり前だ、あれを食べたくなったからお先失礼!!」


雄一郎はその言葉を残しあのスペシャルメニューを手に入れるため長蛇の列へと走って行った。


「あれ、そういえば月宮君はあれ食べないの?」


「俺はいいや、あんまりガッツリとした食べ物は得意じゃないからね」


「へーそうなんだ」


「逆に聞くけど二人はどうなの?」


「食べてみたいけどカロリーが気になって」


「確かにねーあれはちょっと危険すぎるねー」


女子に対してなんてことを聞いてしまったんだ、さすがにこれはいかん。


「なんかデリカシーのないこと言ってごめん」


「何言ってるのよ、そんなの気にしないよ」


「それよりも私たちも行こう、もうおなかペコペコだよー」


俺達もこの後列に並んだが雄一郎が並んだときがピークだったらしくいまは意外とあっさりと進めてすぐに昼飯にありつくことができた。


「そういえば雄一郎のやつはどこにいるんだ?」


「あいつのことだからどうせすぐ私達見つけて何か言うでしょ」


「おーいこっちこっち」


「ほらね、この通り」


「さすが幼馴染コンビだね」


「それって褒めてるの?理由によっては怒るよ」


「せっかくの飯が冷めるぞ」


「雄一郎の座っている所には他に3つの席が準備してあった。


「気が利くねー、さすがだよ」


「任せておけって早速食おうぜ!!」


「いただきます!!」


今回の昼食は俺が日替わり定食で梨恵がきつねうどん、楓がオムライスで雄一郎があの揚げ物ミックススペシャルだ。


「へーこれ買えたんだ、私達が並んでる時はあんまり頼んでる人いなかったってことはまさかギリギリだったとか?」


「そうなんだよ、俺で丁度完売になったからもう奇跡だと思ったな」


「じゃあ俺らと一緒に行ったら完璧アウトだったな」


「いや、それは無いと思うな」


「それってどういうこと?」


「これを見る通りこのボリュームだからあんまりチャレンジする人がいなかったらしい、前の人が持ってたのを見て断念する人が続出したらしいんだ」


確かにこの見た目を見る限り断念する人がいてもおかしくないな。


「だけど、アンタが最後ってことは前にいたってことでしょ」


「そうだね俺みたいなチャレンジャーがこの学校に50人いるってことだな、ん?」


「どうしたんだよ、変な顔して」


「変とか言うなよ、よく考えてみろ俺って50人のうちの1人なんだよな凄くね!!」


「はいはい、分かったわポジティブ雄一郎君」


「話で盛り上がってるのはいいんだけど、雄一郎ってちゃんとこれ食べれるのー?」


「当たり前だろこんなの余裕に決まってるだろ」


この一言はフラグへと変わり最初の方は順調だったがだんだんとペースが落ちていき最後には雄一郎だけが食べ終わっていない状態だった。


「やっぱりこうなるのね」


「・・・何でだかなり食べてるのに減っている気がしない、俺は幻覚を見ているのか?」


「これがまた現実なんだよねー」


「やめてくれよ、辛い現実を俺に突き付けないでくれ」


「そういわれてもなどうしようもできないんだよな」


「おっといいこと思いついたぞ、これは我ながら名案だな」


そういうと新世界の神になると言ってたような人物のように悪い顔をしていた。


「何よ名案って、でもアンタの言う名案はいつも危険なものだからね気を付けた方がいいよ」


「でも聞くだけ聞いてみよう、それで名案とは?」


「今俺の飯は残っている、それでこのまま残すってのもいけないだろだから俺の飯を少しあげるってのはどうだ?」


「私は却下ね、そもそもあんなにカロリー高いもの食べたくないしそもそも食べかけをよこすって考えられないわ」


「私も遠慮しようかなー」


当然の結果だろう普通女子は男子の食べかけのものを食べるなんてありえないからな。

ということは必然的に後は俺に矛先が向いてしまうどうしようか。


「俺はお前が友人の頼みを受けていると信じているぞ」


「で、俺にどうしろって言うんだ?条件によっては即刻却下になるからな」


「今の状態から半分を渡す、すると今日食べた昼飯の金額で少し得した昼食となるわけだどうだ上手いと思わないか?」


「全く・・・分かったよ食ってやるよそれでいいんだな」


簡単に言ってしまったがよかったのかこれで、だけどもう後戻りができなくなった仕方ないから食べるとしよう。


「やめときなよ、あんまり無茶すると体に毒だよー」


「そうよアイツの自業自得なのに」


「決めたからには最後までやり通さなければいけないそれが男ってもんだよ」


「カッコいいこと言うじゃんかそれじゃあ一緒に完食しようぜこの丼ぶりを」


俺は残っているご飯と揚げ物を貰ったが想像以上に量があってかなり焦った。

こんな量を食べれるのかと一瞬諦めてしまったがそんな弱音吐いてられないとにかく食べるしかない。

食べ始めてから米を口に入れているのに何故か無くなっている気配がしない何でだろう、今なら砂漠で蜃気楼が作ったオアシスをひたすらに追いかける旅人の気持ちが分からなくもないと思った。

時計を見るとまだ1分しかたって1分も経っていなかった。


「おい、あんまり減っていないじゃねーか」


「俺に頼んでおいてその言い方ないだろ、俺の善意を無駄にする気か」


この後文句を言いながらなんだかんだ食べ続け何とか完食することが出来た。


「雄一郎、最後に何か言いたいことあるんじゃないか?」


「俺川谷雄一郎はこの揚げ物ミックススペシャルのようなボリュームのある食べ物を食すことを辞める事を誓い、そして自分の力量を見直すことをここに宣言します」


「お疲れ様二人ともじゃあこれ食べるの頑張ったから食器は私達で片づけておくよ」


「おお!!珍しく梨恵が優しいことを言っている」


「あ、自分で片づけるのじゃあ頑張ってね」


「ごめん、ごめん!!俺が悪かった100%悪いから許してくれ」


「分かってるわよ、じゃあ私行くね」


「二人ともお疲れー、はいお水」


「ありがとう助かる」


「これからやっと昼休みだこれはもうひたすら休むしかない」


「それは俺も賛成だ早くだらけたい」


こんなにも過酷だった昼食は生まれて初めてだった。

これから当分ここに来ると胃がキリキリしてきそうで怖い。

とりあえず椅子を離れ重い足を無理矢理動かし四人で教室へ戻って行った。

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