再びの悪夢
それから数日は取り立てて変わったことはなかったが、ある日の夜私は夢を見ていた。
私の周りは真っ暗な闇で、どこにも逃げ場はなくさまよっていた。そんな時目の前が突然明るくなり視界が開けそうになった。
そこに向かって行こうとしている時、突然誰かに呼び止められた。
「そっちー行っちゃダメー‼︎戻ってきてよ。」
その言葉で私は引っ張られ元の真っ暗闇の中に戻ってきた。そして目が覚めた。全身冷や汗をかいていた。何故か鮮明にその夢だけははっきりと覚えていた。
その話を通学途中の電車の中で友達に話したら、私が止めたと突然の告白。
なぜ?と聞いたらまだその時じゃないそうだ。その時はいつなのだ?って話だよね。でもはぐらかされた。
その日の夜、いやに蒸し暑くそれでも布団を羽織っていた私はまた嫌な感じがした。
そう、前にも一度こんなことがあった。また同じような感じだ。全身が硬直し、身動きが取れない。そして何かが歩いてくる足音。
今は何時だろうとふと思った。
かろうじて動く首を動かすと夜中の2時を回ったところだった。
スタスタスタと歩く音がしたかと思えば、ドアが勝手に開き始めた。
怖くなった私はぐっと目をつむった。
しかし、恐怖と同時にそれがなんなのかを見て見たい気が勝って薄眼を開けた。すると目の前に顔が…。
口元が笑ってる。
咄嗟に南無阿弥陀仏と唱えるがなかなか消えてくれなく、それでも必死になって唱え続けた。どれくらいたったのか分からないが、それは引き剥がされるように後ろへ飛んで行った。
「おのれ〜、力を取り戻しつつあるか。面白い。ならば真に力を取り戻した時にまたこようぞ。」
そう言って消えた。
「ハァハァハァ。」
私は肩で息をしていた。それほどの恐怖があったのだ。だが、今回も消えてくれた。次回も同じ手が通じるかはわからない。
それでもよしとするしかなかった。
その体験は、なぜか友人には話せなかった。
それからはしばらくの間怖い体験もしなくなっていた。だぎ、もう一人の自分がでてくるのがわかるようになっていた。
友達との会話中突然野太い声になり、友人を驚かせたりする。
だが、それ以上はおきない。
それでも私としては嫌な感じしかしなかった。自分の声で別の人間が話しているのである。おかしいとしか言えない。
クラスメイトは気づいていないようだった。それもそうだ、彼が出てくるのは親しい友人の前だけだから。
それにクラスでは今オカルトが流行ってて、そっちの方で盛り上がっていた。私がトランプを当てたり、過去を当てたりするものだから皆特に私の不思議な力に興味津々で、カードを使ってみたり、心霊写真を持って来るする子がほとんどだった。




