嵐の前の…。
真壁咲夜との事が気にはなったが、私は家族の事が気にかかった。
「大丈夫よ。あなたが協力している間は私達もそれ相応の対応をさせていただきます。あなたが集中できるように。」
「諦めるしかないってことね。わかったわ。協力します。もうだだもこねないわ。」
「そう言ってもらえると助かるわ。まだ地震は世界各国に起きているの。だから大きいのから消してもらえるかしら。」
そう言われ、世界地図を手渡された。印が付いている場所が現在進行中の地震が印が書かれている。
「にしても、この数は異常よね。こんなに広範囲で続く地震なんてあるの?」
「そうね、同時期に続く地震はなかったわ。だから異常なのよ。」
言われた私もそう思った。
だから地震がおさまることだけに神経を集中させる。
上から圧力をかける。一瞬眩暈を感じたが構わず続けた。
汗が伝い落ちる。そして、どれくらい経っただろう…。
肩で息をしていた。
「はぁ〜、はぁ〜。」
「どうかしら?」
「な、なんとか、出来たと思うけど……結果はどう出てるかは、わからないわ。」
「そうね、早速こちらで調べてみるわ。」
そう言うと高藤瑠璃は席をはずした。
私は汗びっしょりで喉が渇いていたが、まずは息を整えることを優先した。その間に真壁咲夜が飲み物としてお茶を差し出した。冷たいそれは暑くなった体を冷やしてくれる。喉越しが良かった。
「フゥ〜、生き返るわ。」
「クスクス。」
彼に笑われ顔を赤くしてしまったが、髪が長かったせいで相手に気づかれることはなかった。
それからしばらくはやることもなかったので家族との団欒を楽しんだ。
そして、高藤瑠璃が戻ってくると私は緊張した。うまくできなかったかもしれないからだ。彼女ははじめ渋ったような顔をしていたが、私の顔を見るとにっこりと微笑んだ。
「成功よ。うまくいったわ。」
「なら、……。」
「でもね、大きい地震はまだ続いているの。」
「そ、そんな…。」
「まだまだ力が足りないってことね。もっと神経を集中しないと。」
「あれ以上をやれって言われたってもう無理よ。私は全力を出し切ったんだから。」
「いえ、やってもらいます。」
これ以上何を言っても無駄だと私は思い、口を閉ざした。
「あんたたちは娘にこれ以上何をさせたいって言うんだ?娘は娘なりに充分やってきたと思うよ。それなのにまだ足りないからやれという。無理だって。」
「お父さん……。」
それでも結局は私たちの方が折れるしかなかった。まだ地震は続いているのだから。




