小春日和
小春日和、の意味を知っている人は思うところがあるかも知れません。
ある晴れた、雲一つない快晴の日に、男の子が河原でサイクリングをしていました。
清々しい気持ちで風に揺られていると、河川敷に小屋を見つけました。
男の子は自転車から降りて小屋に近づきました。
人一人が中でやっと横になれそうな小さな小屋でした。
男の子は小屋の中に人が入っているかを確認して、持っていたライターで小屋に火を点けました。中に住んでいたホームレスの男は驚いて飛び出てきました。
ホームレスの男は驚いた顔で男の子と、今なお燃えている小屋を交互に見つめ、バケツを持って川に駆け出してバケツに水をくんで頑張って火を消そうとしました。
少年は黙ってそれをみていました。
その表情はホームレスの男からは見えません。
そして火が消されました。
ホームレスの男の苦労も空しく小屋は壁が燃え尽き屋根は焼け落ち、もうこの中では暮らせない程燃え尽きました。
ホームレスの男は肩を奮わせて自転車に乗っていた男の子に怒鳴ります。
「なんてことをしてくれたんだ!明日から俺はどこで暮らせばいいんだ!」
そんな事をいわれた男の子は笑顔でこう言いました。
「おじさん、今日みたいな天気の良い暖かい日に中にこもってたらもったいないよ!」
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