トライアングルレッスン:M ~続・Happy birthday to me!~
小説家になろうラジオでの企画「トライアングルレッスン:M」への投稿作品です。
「続・Happy birthday to me」とついていますが、前回の同企画
「トライアングルレッスン:B ~Happy birthday to me~」の続編という形になりました。
最後に現れて、全てをかっさらっていく男、むっくんをお楽しみください。
傷ついていた。あまりに酷く傷ついたので、何も感じられなくなるほどに。
数日前にはヒロシから思い人へのプレゼントの相談を受け、
今夜はタクミに彼女を紹介された。他でもない、今日。私の誕生日に!
バースデーパーティー開いてやるなんて言うタクミの言葉を真に受けて
のこのこ出掛けた自分を過去に戻って殴ってやりたい。
でも、プライド全部かき集めて笑って過ごした私は頑張ったよ。
だれか、褒めてよ。
「ユイコっ。」
覚束ない足取りで歩く私は、名前を呼ばれたことに気付かなかった。
後ろから凄い勢いで手首を捕まれて驚いた私は振り向いた。
「むっくん…?こんなところで何してるの?
ってか、暫く合わないうちにおっきくなったね。」
むっくんは少し怒ったように手を引っ張ると、私をぎゅっと抱きしめた。
「無理して笑わなくていいよ。ユイコは頑張ったよ。偉かった。」
言って欲しい言葉を言って貰えて、肩の力が抜けた。
「何よ、年下のクセして、いっちょ前に…。」
そこまでしか言葉にならなかった。次から次へと涙が溢れてきた。
それを隠すかのようにむっくんが更にきつく抱きしめてきた。
少し落ち着いて、人がまばらなファストフード店に入った。
「姉貴もあの店にいてさ。タクミのやつがユイコに電話したのを見て
おれに電話くれたんだ。『まずいことになりそうだから、
ユイコちゃんのこと迎えに来てくれない?』って。」
「そっか。そうだったんだ。むっくんごめんね。迷惑掛けたよね。」
私はしゅんとうなだれた。そんな私の頭をクシュクシュっと撫でてから
「迷惑じゃない。そもそも迷惑なら来てないよ。」
そう言って笑う。
「俺年下だしさ。ユイコはタクミか、あのヒロシって人とくっつくかと思ってたから
言わないでいたけど、もう、遠慮しなくてもいいよね?」
「ん!?」
(何を言ってるんだ?この子は??)と上げた顔にむっくんが嫌そうな顔をした。
「は?何言ってるの?って顔に書いてあるよ?」
「いや、だって…。」
図星を指されて私は口ごもった。
「ユイコが好きだって、言ってんの!」
「え!えぇぇぇぇぇっ!?」
赤くなったむっくんにつられて、私も赤面した。
「しーっ。ユイコ、俺にしなよ。そしたら、泣いたの誰にも内緒にしてやるよ?
それとも、年下の俺じゃダメ?」
「か、考えたことなかったから…。」
真っ直ぐな視線にたじろいでしまう。
「じゃ、今すぐ考えて。はぐらかすのはなしね。俺、本気だよ?」
ビックリしすぎて、ドキドキしすぎて、私、声が出ないよ…。




