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転生

作者の黒木クロキ アキラです。

初作品なので、感想など聞かせて貰えたら嬉しいです!


裏話なんですけど、

主人公カイトは転生前は建築作業員の下っ端という設定なのですが、実はこれ僕が実際に建築作業員の下っ端なのです!実際かなりキツイ!けど休み時間にぽちぽち書きました!楽しんで見てもらえると幸いです!


「ここは…どこだ?少し、、寒い。」


目が覚めるとそこは光る鉱石によりかすかに見える岩肌、恐らく洞窟だろうか。

人の気配はない。というより何者の気配もしない。


「あれっ俺、あっ身体!…はある。。手も足も動く、俺はたしかあの時…」



「おーいカイト!モンキーとハンマー持ってこい!走れよ!クソガキ!」


工事現場に親方の声が響く


「はい!すぐ行きます!」


えーっとモンキーとハンマーは軽トラに乗ってるから、、急がないとまた殴られからなぁ


工事現場を走り回るカイト


そのとき


ギィーーーブツンッ


突然そばで揚重作業をしていたクレーンのワイヤーが切れ、1、2トンはあるだろうか、大量の吊り荷が落下した。



大きな音が聞こえ、上を見上げると目の前には

鉄材の山が自分に向かって落下してきていた


「ギャッ」




「んー、俺はあの時、たしかに吊り荷の下敷きに。。てか俺の断末魔はギャッだった気がする。弱そうだなぁ。」


おれは死んだ?いや、実際に今生きてるし、転生ってやつか?? そんなことより、この状況をなんとかしないと。


俺はあたりを散策することにした


散策してみて分かったことなのだがこの洞窟は光る鉱石によってかろうじて進むことができる。いくつもの枝別れた道を一つずつ潰していったが出口どころか、鉱石しか見当たらない。


「おいおいモンスターとかいないのか?それより水も食料もないぞ。早く見つけないと本当に死んじまうよこれ」


ぼそぼそと独り言を漏らしながら俺は進んだ


2日目

「なにもない。喉渇いたぁ腹減ったぁ」


3日目

「やばい、なにもない、次の分かれ道でせめて、水だけでも、、


4日目になり、俺は限界を迎えようとしていた。もう喋る気力も失っていた


俺は、、ここで死ぬのか?こんなところで、、これが本当に転生モノならチートスキルでウハウハしてハーレム作って、、仲間とかに頼られて、、クソッ俺、なんでいつもこうなんだろう。。親方や仕事のやつらにバカにされて、、あげく死んで、、転生したと思ったのにこんな所で、こんな死に方。。


涙を流しながら俺は力無く倒れた


視界がボヤける。本当に死ぬ。せっかく2度目のチャンスがあったのに。


ぷーん


音?虫の羽音か?今まで虫一匹確認できたことは無かった。


閉じそうになる目をこじ開けるとそこには

蚊?いやハエ?のような光る虫が俺の前をゆったりと飛んでいた。


俺は力を振り絞った。


パン!


思い切り両手で叩いた


虫は俺の手のひらにぴったりと張り付いていた


ごくり。


食料。。念願の、 俺はその虫を舌に乗せ、飲み込んだ。


するとその瞬間


カイトの体力が回復しました

カイトのステータスが大幅に上昇しました。


攻撃力 1→100


防御力 1→100


HP 30→100


速さ 1→ 9999


速さのステータスが黄金ランクになりました



スキル

『蠱毒』を獲得しました。


スキル『蠱毒』の詳細を確認しますか?


      ▶︎YES ▷NO



なんだこれ!?

さっきまで死にかけてたのに、、

空腹もなくなったし

身体もなんだか軽い。

あの虫を食べたからか!?


と、とにかく助かった。

スキル?蠱毒?なんだこれ

とりあえず、YES!




スキル    『蠱毒』Lv1


蟲の王である者にのみ許される権能。

蟲を捕食することで蟲の生態情報を記録し、

その後、蟲の死骸の形状を変化させることが

できる。

効果は約1時間で解除される。

解除後は元の死骸に戻る。




なるほど、蟲の王、、か。

なんだかすごいスキルのようだ。蟲を食わなきゃいけないのが難点か?


ただ蟲が居ないこの洞窟では宝の持ち腐れだよなぁ。


あとは、黄金ランクってなんだろう。

速さ9999ってこれ普通に考えてカンストだよなぁ。


ちょっと走ってみるか


カイトは脚に力を込め、思い切り地面を蹴り出した


ギュンッ


ドガーーン!!


カイトは思い切り壁に衝突してしまった。


HP 100→10


「イテェ!痛すぎすぎる!」


HPが上がっていて良かった。

危うく自爆するところだった


安堵と後悔を抱えたカイトだったが

崩れかけた壁からなにやら光が漏れているようだった。


「これは、光!?やった外に出れる!!」


まずは壁を壊さないと。あと少しで壊せそうだが、岩なんて砕けるわけないしなぁ。


「あ、攻撃力も少し上がってたな、ちょっと試しに殴ってみるか、」


カイトは拳を硬く握り、振りかぶった


「小学生の頃空手やってた俺を舐めるな!

(体験行っただけだけど)」


「おら!!」


拳を壁に強く叩き付けた!


ドム


しょぼい効果音と共に少しだけ岩肌が削れた


「イテェ!」


HP 10→8


やばい死ぬほんとに死ぬ。

案外攻撃力100ってこんなもんなの?

おれ最初1だったのどんだけ弱かったんだよ。


「とはいえ少し削れたな。あとは地道に岩で擦って、、」


2時間後ようやく外に出られたカイトが見たのは

一面木々や草が生い茂った森だった。


「うぉーー!食えそうなものが沢山ある!!」


カイトは歓喜した。

木や草をよだれを垂らして食い漁るなど

前の世界では考えもできないことだろう


「あんま美味しくないなぁ。けど体力はMAXまで回復したぞ!草とかじゃステータスは上がらないぽいな。食うんじゃダメなのかな。モンスターでもいれば試せるんだけど」


すると茂みから物音が聞こえる


ギィーギィー


音の鳴る方を見てみるとそこには

なにやら緑色のモンスターが刃を研いでいた


「ギィヤァー」


カイトは恐怖からか叫んでしまった


こちらに気づき、襲ってくるモンスター


「し、しまった!あれ、あの見た目ゴブリンてやつか!?ゴブリンなら序盤のモンスター、倒せるかもしれない!よく見たら弱そうだ!」


向かってくるモンスター


応戦するカイト


おりゃ!ゴブリンの攻撃を潜り抜け、渾身のパンチを打ち込むカイト


ギィー!


少しダメージはあるものの、倒れないゴブリン


「い、岩をも砕くパンチだぞ!?(少し削れただけ)やっぱ何発か打ち込まないとダメか。。」


スピードだけはある、ここはスピードで撹乱して、、いや、ダメだ自爆したら元も子もない、

このまま無難にいこう。


数分の死闘の末


「ぎゃぁぁーー!!」


強烈な断末魔ともにゴブリンは倒れた

やっとゴブリンを倒すことに成功したカイト


「HP残り60か、割と削られたな」


ステータスがアップしました。

体力 100→104

攻撃力 100→106



「今回は体力と攻撃力だけかぁ。しかもしょぼい、規則性とかはなさそうだけど倒したモンスターによって上がり方は変わるのか、なるほど」


ボソボソと考察をしていると、あたりの茂みかが騒がしくなった


ガサガサガサ!


数十匹のゴブリンがゾロゾロと現れたのだ


「な、なに!?まじかこれ!」


絶対絶命のカイト


「な、、逃げる?けど囲まれてるし、こんな木が生い茂ってるところ走ったら自爆するに違いない。

どうするどうするどうする!?」


「あ、『蠱毒』!蠱毒だ。蟲を探せば、なにかどうにかなるかもしれない!!」


ジリジリと詰め寄るゴブリン達


辺りを急いで探すカイト


すると足元にコウロギに似た小さな蟲がピョンピョンと飛び回っていた


「居た!!」


急いで捕まれるカイト


「一部、でいいんだもんな、脚だけ齧って、、ってそのあとどうしたらいいんだ!形状変化ってどうやるんだ!」


次の瞬間一斉に飛びかかるゴブリン達


「背に腹は変えられん!もうれどうにでもなれ!」


コオロギのような蟲を齧るカイト



『コロギス』

⭐︎1

強靭な後ろ脚を持つ。

そこら中に居る一般的な蟲


形状変化を使用しますか?


   ▶︎YES ▷NO


「YES!!とにかくこいつらを吹っ飛ばせるような形にしてくれ!」



次の瞬間


カイトの脚が淡く光った


カイトに覆い被さるゴブリン達


ドギャン!


一斉に吹き飛ぶゴブリン


カイトの脚はまるでコウロギやバッタのような形状に変化していた


「す、すげぇ。これが『蠱毒』の力、、これなら!」


脚を振り回すカイト


吹き飛ぶゴブリン達



ステータスがアップしました。


攻撃力 104→110


HP 106→115



「うぉー!すげー!そこらへんにいる蟲でこの威力!この力があれば、無双できちゃうんじゃないか!?ハーレムも夢じゃない…へへへ」


蠱毒の力に夢を抱きニヤニヤするカイト


しかし、これ1時間経たないと消えないのは中々に不便だよなぁ。任意でぱっと消せないもんかね


スキル 『蠱毒』の効果を解除しますか?


      ▶︎YES ▷NO



「おっ、これ考えるだけで出てくんのか便利だなぁ。もちろんYESで!」



この力を存分に活かす為には、ちょっとこの辺の蟲を探してどんな能力を得られるか確認しときたいな。



カイトは散策を続けることにした。


「あ、カブトムシ!これ強いだろ〜」


カブトムシのような蟲を掴み、ツノをひと噛みするカイト



『ベビービートル』

⭐︎1

小さいツノを持つヘビービートルの幼体

成長すると岩をも持ち上げるほどの力を持つ

森を注意深く探せば割といる。



形状変化を使用しますか?


   ▶︎YES ▷NO



「YES!」



カイトの頭と肩が淡く光る


「これは、ツノ付きの兜と、肩当て?か」


めちゃくちゃ弱そうだなおいカブトムシだぞ


「誰か!誰か助けてくれ!」


残念そうなカイトをよそに人の助けを求める声が森に響いた


!!


「ひ、人か!?やった!やった!ついに人に会える!なにやらまずそうだ急がないと!」


茂みを掻き分け、声のした方向に向かうカイト


ブォンブォン


「はぁ!」キンッ


ンギィーーー!!


ブォーン



轟く羽音と剣が混じり合う激しい音

人となにかが戦っているようだった


「おぉい!大丈夫ですかー!?」


駆け寄るカイト


そこには赤色の長髪をなびかせながら

剣を振るう女剣士とひどく怯えている商人のような男が居た。


!?


「新手のモンスターか…こっちだけで精一杯なのに。。こんな依頼受けるんじゃなかった。。」


赤髪の女剣士は俺の方をチラリと見て

そう言った


「あ、俺は、モンスターじゃないです!こういう格好してる人間です!!」


先ほどベビービートルを形状変化させたままなことを忘れていたカイトは焦る


「え!すみません!変わった防具を付けているから勘違いしてしまって、、申し訳ない。。」


「と、とにかく加勢します!」


「ありがとう、、助かります。」


近くで見ると女剣士の防具は鉄でできているようだが酷くボロボロで、所々溶けている?ようだった


「あれは、、カマキリ!?でかくない?!ショベルカーくらいあるよ!?」


「あれは、キラーマンティス。鉄をも切り裂く鋭い鎌と、口から溶解液を出します!」


なるほど、溶解液、だから溶けてるのか、

まともに喰らったらアウトだなこりゃ


「俺が隙を作ります!その隙にとどめをお願いします!っと、小走りくらいの感覚で、、」


「ま、待って危ないから一緒に…って早っ!」


女剣士の静止を聴く間もなく

キラーマンティスに向かい走り出すカイト、


「小走りくらいならなんとかスピードをコントロールできるぞ!」


風を切りキラーマンティスの足元に入り、

立ち止まるカイト


そこへキラーマンティスの鎌がカイトに向かい振り下ろされる


「うぉーー!失敗したら死ぬ、、頼むぜベビービートル!」


ガギン!!


HP 115→70


兜で鎌を受け止めるカイト


「おぉぉおりゃ!!」



兜中央に付いてるツノに鎌を引っ掛け思い切り跳ね上げる



「腕が上がった!今だ!!」


カイトの号令と共に走り出す女剣士



「はぁーー!!」


飛び上がりキラーマンティスの首元に剣を振り下ろす


ギシャー!


「やばい!溶解液が来る!剣士さん避けて!!」


溶解液を吐き出すキラーマンティス


すると女剣士は鎧についたマントを引きちぎり、マントで溶解液を跳ね除け、そのまま

キラーマンティスの首を刎ねた


力無く倒れるキラーマンティスの胴体


「お、おおぉ!、勝った!」


「勝った!私たちの勝利だ!」


喜ぶカイトと、

喜ぶなにもしてない商人みたいなおっさん


「ふぅ。ありがとう、あなたが居なかったらかなり危なかったわ。」


「いやーやっぱり困ってる人は助けないとっていうかなんていうか、、それよりこの死骸、貰ってもいいですか?」


女剣士に問いかけるカイト


「え、ええいいわよキラーマンティスの鎌は高価だからあなたに是非貰って欲しいわ」


「ありがとう!」


そういうとカイトはキラーマンティスの頭部に齧り付いた


「えぇ!あなたなにしてるのよ!」


「キモ…え、まってそれはさすがに…引くわ…」



ドン引きする女剣士とおっさん


『キラーマンティス』

⭐︎2

鋭い鎌を持ち

口からは強力な溶解液吐き出す

クラリス西部の森に生息する蟲型モンスター



形状変化を使用しますか?


    ▶︎YES ▷NO


おぉー!⭐︎2!

クラリス?東京みたいな地名か?いや大陸?

まぁいいや今はさすがに形状変化するのはまずいか、また変な格好になってドン引かれるのも嫌だし。今回はNOにして死骸だけ少し持っておこう。


「あなた、いきなりキラーマンティスに齧りついたり、1人でぼそぼそ言ったりほんとに変わってるのね笑 あたしはルミネ。訳あってソロで冒険者をしてるわ」


「私はドン クラリスを中心に商いをしている

商人でルミネさんは私の護衛で雇わせてもらっいるよ」


「ルミネさん、とドンさん、ね。ところでクラリスってなんだ?」


「ルミネでいいわ。あなたクラリスも知らないのね」


「私はドンさんと呼んでくれよ呼び捨てするような仲じゃないからな、

なんならドン様と呼んでもいいですよ」


さっきも思ったんだがこのおっさんなんかめんどくさいしうるさい。


「えー、ゴホン。クラリスというのはね、この辺り一帯を管理している

『人王 ユーリ=アル=ハルベリオン』様の納める国のことよ。」


なるほど、やはり国もあるのか、


「その国に俺も連れてってくれ!道に迷っててちょうど困ってたんだ」


「それなら私の護衛として付いてくればいい、この件の謝礼はちゃんとさせて貰うよ」


意外にまともだ。。このおっさん


「いいのか!ありがとう!」


「あなたがいると私も心強いわ」


カイト達3人はクラリスに向かうこととなった



ガタガタ


馬車に揺られはや3日


「着いたわ、ここがクラリス王国!人間達で賑わう国よ!」


馬車から顔を出すとそこには

中央には巨大な城があり

その周辺には街が広がっていた。


「おぉ!人がたくさん!見た感じかなり大きいな!」


「この先の門で検問があるから、あなた冒険者カードはある?」


「え、そんなもんないよ」


「困ったわね、入国審査には身分証明できるものが必要なのよね、」


「荷物に隠れなさい、私がなんとかするよ」


商人のおっさん。。頼もしい


荷物に隠れ、無事に入国できたカイト


「おぉー!近くでみるとあの城めっちゃでかい!街も賑わってる!ルミネ!時間あったら案内して欲しいんだけど!」


「そうね、このままあなたを放置って訳にもいかないし、クラリスを案内しましょう。まずは冒険者ギルドに行って冒険者登録をしましょう」


最初の目的地が決まった



「ここが、冒険者ギルドよ!」


おぉー!ギルドっぽいなんともギルドっぽい木の大扉と建物!建物中央には剣と剣が交差した旗が掛けられている


「あ、おかえりなさい!ルミネさん!」


可愛い声だ。受付?の中からルミネを呼んでいるようだ


「ただいま。ハルカ、いきなりで悪いんだけどこの人の冒険者カードを発行して欲しいのよ」


「この方ですね、分かりました!まず必要な書類があるので、そこに名前と、希望する職業を記入して頂きます。そのあと身分カードを提示してもらいます!」


「あ、あーえっと」

さっきルミネに身分カードの提示を頼まれた時は、こう言えって言ってたな


「おらクラリス郊外のグルド村の生まれだけんども

村さ出て街でひと稼ぎしたくでよぉ

けんど農耕者カードさ落ちまったんだよ」


「あ、〝クルド〃村の方ですか!身分証を落としてしまったと、なるほどですね!」


通ったか?これ行けたか?

見た目どおり案外ちょろいな


「んだんだ」


「あれぇでもぉ今グルド村って言ってませんでしたぁ?」


ギクッ!


「お、おら鈍りがひどぐでよ!んだんだ!」


「そぉなんですねぇへ〜、でもぉクルド村の人の訛りってぇ、「んだんだ」でしたっけぇ?

「フガフガ」って言ってた気がするんですけどぉ」


「フガフガ!フガンガフガ!」


「嘘ですよ、まぁルミネさんの紹介なら悪い人じゃないと信用に値するので、今回は目を瞑りましょう。身分カードはこちらでどうにか致しますので、お名前と希望職業の方を書いてくださいね♡」


なんだあの受付嬢、可愛い顔と声してるのに。

 デキル。



「名前は、んーさすがにフルネームはこの世界に合ってない気がするから、カイトでいいか

と、希望職業はっと、剣士、剣触れないしな、弓も違うし、あっこれタンクとかカッコよくていいな。これにしよ。」


「カイト、さんですね。職業はタンク、ふんふん、ありがとうございます!では冒険者カードを発行いたします!」


「ありがとう、えっとハルカ、さん」


「ハルカでいいですよこれから長いお付き合いになると思われるので♡」


なんとか冒険者カードを手に入れた俺は

ルミネと様々な場所を回った


「鍛冶屋と、商店街、宿屋と紹介したからこれくらいね、あとはお城くらいだけどあそこは普通の人じゃ入れないから気をつけてね!」


「ありがとうルミネ!」


「キラーマンティスの鎌をギルドに持っていって報酬を貰ったでしょ?それで宿屋に泊まるといいわ」


「あぁ、10000ゴールドだって」


「宿屋は3000ゴールドで泊まることができるから、あ、宿屋で1番角の部屋を勧められても断るのよ!」


なんでだろう、汚いとかかな。


「分かったよ、そうする。」


宿屋に着き、軽く食事を済ませた。


「部屋は自由に選んでくれてもいいよ、角部屋がオススメだよ?」


「いや、自由に選ばせて貰うよ」


代金を支払い、俺は部屋に上がった


「えーっと空いてる部屋はっと、」


部屋は1番手前と、1番奥の2部屋が空いていたので、1番手前の部屋に泊まることにした


夜、眠りについていると外からなにやら窓を叩く音が聞こえた。


「んー、ふぁーなんだぁ?」


ドンドンドン!


「なんだよ、いったい、こえーよ」


布団を頭まで被りうずくまる


ドンドンドン


ドンドンドン


パリーン!


えーーー!心の中で叫ぶ


「やぁ。君は僕を求めてるんだね?この部屋に泊まるということはそういうことだよね?」


男の声が聞こえた


ヒィぃイイ!


声には出せないので心の中で怯えるカイト


「もー恥ずかしがり屋さんだな?僕はね初代英雄王の血を継いでるんた。僕の寵愛を受けられるなんて君は幸運だよね?」


何を言っているんだこいつは、俺は男だ!


「うずくまってないで出ておいで⭐︎」


バサっ!


布団を思い切り捲られる


「あ、どうも、、こんにち、は?」


パニックにより昼と夜を間違えるカイト


「ゲ!!男じゃないか!店主はなにをしているんだなにを!君も君だ!この部屋は女限定だぞ!」


男はサラサラの金髪をなびかせる青年で、

割と整った顔をしていた。


「いやいやいや、なんだよお前俺はちゃんと代金払って泊まってるし、店主もそんなこと言ってなかったぞ!」


「嘘をつくな!男のくせに僕の寵愛を受けられると思いやがって!僕はあの初代英雄王の血を引く、トウリ=ヴィル=アルデバランだぞ!」


「知らんから出てってくれ俺は寝たいんだよ!」


カイトとトウリが騒いでいると

ドタドタと部屋に客と店主が集まってきた


「おい!うるせーんだよ!」


「トウリ!またてめーか!ホラ吹き小僧が!いい加減にしやがれ!」


「あっはっはっは!この部屋に男入れるとこいつおもしろいんだよな〜あっはっは!」


怒る宿泊客と爆笑する店主


店主だけは末代まで呪うと心に決めるカイト


「ホラ吹きとは聞き捨てならんな。だがまぁ守るべき民だ。傷つけることなどできん。初代英雄王の血を引く僕は寛大なんだ。今日のところはこれで失礼しよう。君、名前は?」


「カイトだ、もう来んなよ。」


「フッ とうっ」


2階の高さから飛び降りトウリは闇に消えた


「なんだったんだよあいつ」


モヤモヤしつつカイトは眠りについた


翌日、ギルドに行くとルミネが居た


「おはようルミネ、昨日は偉い目に合ったよ。角部屋には泊まってないはずなんだけど

変な男が入ってきてさぁ、初代なんとかとか言ってて」


「え、ちゃんと1番手前の部屋は避けたのよね?」


「え、角部屋って奥じゃないの!?」


「あ、1番奥と手前で角部屋2つあるのよね!ごめんなさい!私の説明不足だわ。」


「確かに!あの宿の間取り的に2つあるんだ!角部屋!もう手前の部屋に泊まるのはよそう。。

ところであいつなんなんだ?変なやつだけど」


「彼はトウリ=ヴィル=アルデバラン。ソロの冒険者で自分では初代英雄王の血を引いているって言ってるけど、歴史上初代英雄王にアルデバランなんて姓はないのよ。だからみんな彼のことはホラ吹きって呼んでるの、毎晩あの部屋に行って女性が泊まっていると自分の血を求めてるのだと思って襲うというわ。襲われた人はまだ居ないんだけど。困った人なのよね。」


ホラ吹きかどうかは分からないが、

迷惑なのは確かだ。もう関わらないようにしよう


「あ、あなた。じゃなくて、カイト。今日はどうするの?クエスト受注するの?」


「あ、あぁ今日はハルカの紹介で初心者向けの薬草収集のクエストに行ってみようと思ってるんだ。モンスターもあまり出ないっていうし、場所もすぐそこの南側の森だしね!

る、ルミネ」


「そう、私も参加させて貰ってもいいかしら?カイト1人じゃ道も分からないでしょう?」


「え、いいのか!?ルミネがいると心強いよ!ありがとう!」


「そのクエスト。僕も参加させて貰おうかな。」


げ、この声は、


「トウリ!お前性懲りもなく現れやがって!なんでお前も参加すんだよ!」


「カイト、昨夜。初めて出会ったが、君は守るべき民の目をしていたのでね。ここは英雄王の血を引く僕が!引率してやろうと思ってね」


「なんで名前知ってんだよ。つかいらないよ俺にはルミネが居るから!」


「おーこれは麗しのレディ。英雄王の血を絶やさぬ為、その美貌を僕のために磨いてくれてありがとう。今夜空いてるかい?」


「え、え?あのごめんなさい!空いてないわ!」


困惑するルミネ


「これ以上ルミネにちょっかいかけたら許さねーぞぉ?てめぇ!」


「おっと、怖い怖い、君僕よりまだ弱っちいだろう。その拳は僕と対等になってから出したまえ。」


騒いでいると衛兵が寄ってきた為、その場は治った




「結局、着いてきやがったな。トウリのやつ」


「仕方ないわよ。聞く耳もたなかったんだもの。サクッと終わらせて帰りましょう」


森に入り、薬草を集める3人


「見てくれ!ルミネ!僕が君のために花飾りを作ったよ〜ぜひ付けてくれ!」


「おい!トウリちゃんと仕事しろ!」


はっきり言って足手纏いなトウリ


薬草を集めていると、


ガサ、ガサガサ


ルミネとトウリが一斉に大声をあげた


「カイト!離れろ!」

「皆離れろ!」


!?



音のした方に目をやると、そこには鹿のようなモンスターを咥えた軽トラック程はあるだろうか大きな黒い狼が居た


グルルルゥ


唸り声をあげたと同時に


黒い狼は俺に駆け寄り牙を向けた


「うわ!!」


腰が抜け、目を瞑るカイト


ギン!


「カイト、目を瞑っては見えるものも見えなかろう。」


目を開けるとそこには150センチほどの長剣で

黒い狼の牙を防ぐトウリが立っていた


「あ、あごめん!ありがとうトウリ!」


すぐに立ち上がり、臨戦体制を整えるカイト


「なんだあの黒い狼、でけぇ。」


「あれはデリンジャーよ。こんな街の近くに出てくるようなモンスターじゃないんだけど。少なくとも私1人じゃ逃げるのが精一杯なくらい強いモンスターよ。」


「僕もアレの相手は少し骨が折れるね。実際半年ほど前に5本程折れたよ。」


負けてんじゃねーか


どうする。ルミネが逃げるだけで精一杯、しかもあんなどっから出したかも分からん長い剣でデリンジャーの攻撃を止めたトウリでさえ負けるようなモンスターだぞ、、俺の速さなら小走りを使えば逃げ切れるだろうが。。


いや!何を考えてるんだ!俺は!2人を置いていくことなんてできるわけないだろ!


「戦おう!3人なら、行ける!」


「カイト、それなら私も戦うわ!全身全霊でね!」


「フッ。カイト。1番君が弱っちいのによく言ったね。じゃあ勝とうか。」


息を揃えてデリンジャーに向かう3人


「俺が先に行って注意を逸らす!隙ができたらルミネとトウリはバンバン攻撃してくれ!」


カイトはポケットをゴソゴソと漁り、キラーマンティスの羽の一部を取り出した


ゴクン!


キラーマンティスの羽を飲み込むカイト



形状変化を使用しますか?


    ▶︎YES ▷NO


「YES!」


カイトの両腕が淡く光り、

カイトの両腕がカマキリの鎌のような

形状に変化した。


「これは、鎌か!やっぱ想像通り鎌になったな!」


小走りで撹乱し、両腕の鎌でデリンジャーに

切り掛かるカイト


「ヒュー。カイト。民にしてはやるね。

なんだいそのスキルは。」


「説明は後だ!とにかく俺が撹乱しているうちに攻撃を打ち込んでくれ!」


「えぇ。今のうちに行くわよ!トウリ!」


「勿論。僕が居る所に敗北の2文字はないよ。」


一斉に飛びかかるトウリとルミネ


「カイト!少し離れて!!

はぁぁ!!『ファイヤーボール』!」


ルミネの手のひらに魔法陣のような者が浮かび上がり、サッカーボールほどの火球が打ち出された


燃えるデリンジャー


「効いてる!トウリ!追撃だ!」


トウリの方を見るカイト


「分かっているさ。僕のスキルは本当は見せたくは無いんだけどね。」


「スキル『打ち手の小槌』。 〝縮〟 」


ギュルン!


次の瞬間、

トウリの手に持たれた長剣が爪楊枝程の大きさに縮小した。


「なんだそれ!そうか、さっき助けて貰った時、急に剣が出たんじゃなくて、そのスキルで小さくして持ってたのか!」


「フフ、英雄王の血を引く僕の極技。

とくとご覧あれ⭐︎」


そう言うとトウリは爪楊枝ほどの大きさに小さくなった長剣をデリンジャーに向けて投げた


「〝解〟」


ギュアンッ!


一瞬にして小さな剣は長剣へと変化した


ザシュッ!


縮小から解放された長剣はデリンジャーの胴体を貫いた。


バタッ


倒れるデリンジャー



「僕は英雄王の血を引く者、犬畜生に負けることなど有りはせんのだ。」


勝ち誇るトウリ


「おい!俺と!ルミネが!注意を逸らしたんだぞ!お前1人で勝ったみたいな言い方しやがって!」


「あはは、なにはともあれ無事にデリンジャーを討伐できたことだし、このことをギルドにすぐ報告しに行きましょう?」


「ルミネからもなんとか言ってくれよぉ俺なんか脇役みたいで悔しいよぉ」


その後、俺たち3人はクラリス王国に戻り

ギルドに今回の件を報告した。


「ふぅ。結構長かったなぁ。あれこれ聴かれてもう俺やんなっちゃいそうだったよ」


「街の近くにデリンジャーが出た、なんて話今まで無かったもの。明らかになにか起こっているから、仕方ないわよ。」


「僕の活躍がちゃんと広まるのであれば、僕はぜーんぜん構わないさ!今回の件でまた

僕の英雄譚が更新されちゃうねッ⭐︎」



それお前著だろどうせ


と思ったが面倒臭いので口に出すのはやめた


「あ、ところでさルミネ、とトウリ…はさソロなんだろ?良かったら3人で色々やってみないか?パーティ組む〜みたいな。今回のことで、1人だと限界があっても仲間が居ればかなり可能性が広がると思うんだ!なんか、漠然とした目標でしかないんだけど、この3人でならなれると思うんだ。最高のパーティってやつに!」




トウリとルミネはしばらく考えたのち


「僕は英雄王の血を引く者だ。

1人でなんでも出来る。出来て当然なんだ

仲間なんてバカバカしいよ⭐︎」



「あたしも。やるべきことがあるから、

だから1人で戦ってる。」


…そっか。残念だ。


「だが」

「でも」



「カイトを守ることは民を守ること、民を守るのは英雄王の仕事。僕が居ないと君はすぐ死んでしまいそうだからね。」


「あたし、3人でデリンジャーと戦ってる時、なんかすごく、怖かったけど、楽しかった。

だからカイトの言ってることすごく分かる。

やるべきことはあるけれど、少しの間だけなら、3人で目指しましょう。最高のパーティを」


!!


「いいのか?お前ら、よし!やった!じゃあ、パーティ結成だ!!」


「…ところで、名前どうする?ルミネ、トウリなんかいい案あるか?」


「あたしはそういうのあんまり得意じゃないかも、えーっと3人だからサンニンズ〜みたいなのどうかしら?」


…え?


「そんなもの、無論決まっているではないか。

僕が居て初めて成り立つのだから

パーティ名はこうだ

「英雄王トウリ=ヴィル=アルデバラン精鋭隊」だ!⭐︎」


…。


「あーもう、ルミネのは単純すぎ、トウリは論外だ!!もう俺が決める!えーっと3人だから、3人、三角?トライアングル、はルミネと一緒で単純すぎるな、三角、、Δ(デルタ)、

デルタ!いいじゃんかっこよくて短くて!」


「ほう、デルタか。なにを意味するのかは知らんがなにやら格好が良いな。」


「それでいいんじゃないかしら!意味は分かんないけどなんか短くていいし!」


あれこれ反応割といい?ギリシャ文字だよ?知らないんだろうけどさ、


「よし!じゃあ俺たちは今日からΔ(デルタ)だ!」


「うん!」

「うむ。」


俺たちΔはまた、クエストに向かう。




その頃、遠い地では


?王「今宵、新たな王が誕生した。数100年ぶりか。ようやく…7代魔王が揃った、か。フフ」


作者のクロキアキラです。デリンジャーを倒した際、カイトのステータスが上がらなかったのは、デリンジャーを最終的に倒したのが、トウリだった為です。まだパーティ結成前だったということで、経験値の分配ができてなかったんだね!

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