表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

卒業

「卒業おめでとうございます」

いつもの教室のいつもの時間、窓から校庭を眺める先輩に声をかける。

こちらを振り替える先輩は、未だ目を赤くし今の今まで泣いていたであろう事が分かる。先輩は少し息を整え「ありがとう」と返事をする

「この後卒業生で打ち上げとかあるんですか?」

「まだ受験控えてるの子もいるから、3月の終わりにする事になってる」

「そうですか…」

「君は他に挨拶しなきゃいけない先輩とかいないの?」

「3年生は先輩くらいしか知り合いいませんよ」

「そっか」

先輩が微笑みながら答える。

僕はずっと決心していた言葉を伝える為口を開く

「……それでですね」

「なに?」

「ちょっと聞いて欲しい事があるんですけど…」

「だから何?」

心臓の鼓動が止まらない、心臓が張り裂けて倒れそうだ。

「あの…」

必死に言葉を紡ぐ、ここまであからさまに緊張してるんだ、きっと先輩も何を言われるか分かっているかもしれない、けれど自分の言葉で伝えたい。

「…先輩3年間お疲れさまでした」

「…うん?ありがとう?」

緊張で何が言いたいか分からない、先輩もきょとんとしている

「…2年間お世話になりました」

「こちらこそありがとう…」

「2年間楽しかった…です」

「うん」

「先輩……好きです」

消えいりそうな声で思いを伝える。僕にはこれが精一杯だった。

その言葉に先輩が目を丸くする。

「今の告白?」

「…そうです」

その答えに先輩が吹き出す

「急に話が飛ぶから何事かと思った」

「え、いや…」返す言葉もない

「じゃあ、せっかく勇気を出して告白してくれたんだから返事しないとね」

「はい…お願いします」

心臓の音が、頭の奥まで響く。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ