第1章 無人島編 〜プロローグ〜
初投稿になります。
人生で初めて小説を書いたので色々と拙い点があるかと思いますが温かい目で見ていただけると幸いです。
目が覚めると視界いっぱいに青空が広がっていた。
ーーーどうして、こうなった?
視界はぼやけ、視野もいつもより心なしか狭く感じる。全身が鉛のように重く、手足の感覚はない。耳もまるで水が詰まっているかのように音が遠く、こもって聞こえる。
ーーー俺は、、、
なんとか現状を把握しようと頭を働かせるが、思考は霞がかかったようにボンヤリとして考えがまとまらない。ただ視界に映る青空から自分は今どこかの地面に横たわっているのだという事だけは理解できた。
ーーーそうだ、たしか高校の修学旅行の帰りの飛行機で、、、
依然として身体は動かないが意識だけは徐々に覚醒して来たのか、自分が修学旅行からの帰路の途中であったことを思い出した。
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高校に入ってから始めた飲食店のバイト。
店長は所謂元ヤンで、今時よく誰からも訴えられずに経営を続けられているものだと感心するほど厳しく、暴力や恫喝などは日常茶飯事の職場だった。当然、俺も例に漏れずその被害にあい、痛くて怖くて何度も何度もやめようと思った。だが、そこで辞めてはなんとなく負ける気がして腹が立ったので半ば意地になって続けていたバイトだった。
そんなこんなで働き始めて1年が経過し仕事にも慣れ、初めの頃は理不尽な暴力に怯えるだけだった店長にも怒鳴り合い殴り合いのケンカができる程度には成長?した頃だった。ある日、店長に呼び出され「高校をやめてうちで正社員として働かないか?」と誘いを受けたのだ。
これは後から聞いた話だが、反骨精神の塊の様な存在に成長し、事あるごとに噛みついてくる様になった俺が元ヤン的には大変好印象だったらしく、いたく気に入られていたらしい。
当然、周囲や親からは反対されたが当時学校に行く事に苦痛を感じていた俺はほとんど二つ返事でこの誘いに乗る事にしたのだ。
苦痛、、と言っても別に学校でいじめられていたという訳ではない。多い、、とまでは言えないが、友達だって普通にいた。不満と言えばただただ登校や授業がめんどくさいというだけのことだったのだ。
そしてそんなありふれた高校生活を捨て、暴力と怒号が飛び交う戦場のような職場を選んだ時点で今になって冷静に考えるとだいぶ店長に毒されていたと言うか、、正気ではなかった気がしてくるのだが、、、
それはさておき、正社員として入社する事を決めた俺は学校での最後の思い出作りに、、と修学旅行だけは参加してから学校をやめる事にした。そしてその修学旅行を終えて帰りの飛行機の機内で急に眠くなって意識を手放した、、、、はずだ。
というのも、その後の記憶がない。飛行機の中で眠りについて目が覚めたらこれだ。視界はぼやけ、身体は動かず、手足の感覚もなくて耳もなんだか遠い。
ーーーどうして、こうなった?
覚醒してきた頭で改めてそんなことを考えていると、ふと遠くの方で何かぐちゃぐちゃと音がする事に気がついた。同時に息苦しさも覚え、呼吸をしようとするがまるで水の中にいるかのようにゴポゴポと音が鳴るだけで上手くできず、唾液が気管にでも入り込んだのか俺は激しく咽せ込んだ。
そして、目の前に鮮血が飛び散った。
ーーーは?
一瞬、頭が真っ白になった後、それが咽せ込んだ自分が吐き出したモノだとわかりさらに動揺する。
内心でパニックに陥りながらも動く事もままならずただ呆然としていると狭くなった視界の端で何かが蠢いてる事に気が付きなんとか首だけ上げる。
そして見た、、見てしまった。
ーーーあぁ、、チクショウ、動けねえ訳だ、、、
依然、視界はぼやけているので輪郭しか見えないが犬、、、というより狼?のようなものが数匹腹の当たりに群がり俺を喰っている光景が顔を上げた俺の目に飛び込んできたのだ。
口の周りを真っ赤に染めながら一心不乱にガツガツと俺の臓腑に喰らいついている。どうやら、遠くで聞こえていたぐちゃぐちゃと言う音は思ったよりもずっと近くで聞こえていたものらしい。右脚は膝から下がない。残った手足からも所々から血が流れ出していて周囲は血の絨毯に染められている。食い破られた腹は胃の辺り、、というより、肋骨の下から下腹部あたりまでは既に何もなく、血肉の中に背骨らしき物が見えていた。
ーーーあぁ コレは、、ダメだ
医学の知識などなくてもわかる。もはや助からない、助かるわけがない。完全に詰みだ。というか、我ながら何故まだ生きていられるのか不思議なレベルだ。
不幸中の幸い、と言うべきか感覚がないおかげで痛みも感じない。だからだろうか、、どこか妙に冷静な思考でそんな感想を抱いていると、腹に群がっていた内の一匹が首元に食らいついてきた。
動脈が傷付いたのか再度視界に鮮血が飛び散る。
自分の身体と、そこから流れ出た血溜まりと、乱暴に食い荒らされた肉片の飛び散る周囲の惨状を見る限り、もう身体に血なんてほとんど残ってないだろうにまだこんなに血が出るものなのか。
噴水のように噴き出ている自分の血を見てどこか他人事のようにそんな事を考えていると首元に喰らい付いていた奴がそのまま喰い千切ろうとでもしたのか乱暴に首を振り回しはじめた。
抵抗しようにも身体が動かず激しく視界が揺さぶられた。そしてその勢いで顔が振られ横を向いた時、もう1人いる事に気が付いた。視界がぼやけているせいで誰かまではわからないが多分女の子、、、のような気がする。2メートルくらい離れた位置で俺と同じように狼に群がられ喰われていた。
ーーーこうして、仲良く喰われていると言うことは俺はあの子を守れなかったのだろうか?
記憶はないが、多分そういうことなのだろう。
襲われているところを助けに入ったのか、その逆か。または2人でいるところを襲われたのか。正解はわからないが、、負けた結果がこれなのだろう。
悔しさが込み上げてくるのと同時に、意識が遠のいていくのを感じる。
どうやら、いよいよ限界らしい。
瞼がひどく重い。視界が徐々に狭まり、眠りに着く前のような感覚に襲われる。
ーーー本当に、どうしてこうなった?
「ーーケテ、、、タス、、ケテ」
視界が完全な真っ暗闇になり、意識も途切れかけていたところに声が聞こえた気がした。
そしてそのまま、俺の意識は深い闇の中に消えていった。
ここまで目を通していただきありがとうございました。
これから自分のペースで投稿をしていきたいと思います。
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