表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱走聖女と幼なじみの騎士  作者: もりの
86/92

召喚(2)

「神殿に戻れとは言わないの?」

ルナが恐る恐るガスパールに聞くと、ガスパールは少し寂しそうな顔で言った。

「もう言わない…。ユーゴの傍にいることがルナの幸せなんだろう? ユーゴもルナと一緒の方が聖剣の力を引き出せるようだしな…。」


「ガスパール…。」ルナが呟いた。

「ガスパール、あなた成長したのね…。」と、ダフネが呟いた。


「は!? 何だよ! その上から目線?!」

ガスパールが急に幼い頃のようになり、顔を赤くしてムキになった。

「いやいや、成長しましたよ。幼馴染としては嬉しい限りです…。」

ダフネは腕を組み、ふむふむと頷いた。


「俺はただ、神官としてやりたいことが定まっただけだ。世界は広い。俺を必要としてくれる場所はたくさんある、そう気づいただけだ…。」


「素晴らしいわ、ガスパール。幼馴染として、貴方を誇りに思うわ。」

ルナがガスパールの手を握り言った。


ガスパールは急に手を握られて狼狽した。しかし、すぐに微笑みながら言った。

「ありがとう、ルナ。これからもそう思ってもらえるように精進する…。」

その微笑みはどこか吹っ切れたような、爽やかなものだった…。



 翌日、辺境伯バシル・ルーセルと、ユーゴ、ルナは慌ただしく王城へ向け出発した。

それよりも前、先行してガスパールは中央神殿に向け出発した。それは、ユーゴとルナのために国王謁見用の聖騎士と聖女の正装の衣装を、神官長の許しを得て準備をするためだった。

そして、それはガスパールの読みがあってのものだった。


その読みとは…、今回の召喚では〝聖剣とその持ち主であるユーゴ、その力を増幅させるルナを王宮に取り込む〟ということが国王の第一目的となるはずだろう。だから、それを避けるためには、辺境伯家の人間というよりは、独立権をもつ神殿の人間である、ということをアピールした方がよい…


というものだった。

そして、まだユーゴとルナは神殿側の人間である、ということをアピールするのは、神官長の意向にも沿うだろう…と、ガスパールはルナに話していた。


 また、ダフネはルナに付き添いを申し出て、ルナといっしょの馬車に乗った。

 

当初はマージが侍女としてルナに付き添うことを強く希望していた。しかし、国王側がどう出てくるかがわからない以上、ユーゴとルナが無事に戻ってこられるという保証はなかった。だからルナはマージが付き添うことを許さなかった。


貴婦人としても、辺境伯家の大事な人としても、ルナを付き添いなしで行かせる訳にはいかない…、とマージは執事やダフネに相談した。

すると、ダフネは「じゃあ、私が行くわ。」とあっさりと言った。

「だって、私は一応聖女見習いとして、少しだけど聖女様のお付きについたこともあるしね。マージみたいに凝った髪型にしてあげることはできないけれど、今回は大丈夫でしょう…。」


ダフネが一緒にいてくれれば心強いことは確かだったので、申し訳ないと思いつつも、その気持ちに甘えたルナだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ