表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱走聖女と幼なじみの騎士  作者: もりの
85/92

召喚(1)

「ルナ、前に言ったことがあっただろう? 元々聖剣は神殿のものではなく、王家のものらしい、と。俺のような聖剣に選ばれる者が出たのは百年以上ぶりのことだから、曖昧なのだが、王家が聖剣とその騎士について権利を主張しに動きはじめたのだと思う…。」

ユーゴがルナに説明した。


「今回はルナさんと共にものすごい力を発揮してしまったからな…。」

バシルが呟いた。

「おそらく王家はルナさんも取り込もうとしてくるでしょうね…。」

ジョセフが冷静な口調で言った。

「ああ、我が辺境伯家と神殿と王家で、三つ巴だな。」

バシルがややシニカルな微笑みを浮かべて言った。


「申し訳ない。」「申し訳ありません。」

ユーゴとルナが声を揃えていった。


「いや、この国と辺境領を守ろうとしてくれた結果だ。謝罪などいらない。」

バシルが力強く返した。

「さて、そこであらためて二人に聞いておきたい。」

ユーゴ、ルナさん、これからどうしたい?」


バシルの問いかけに二人は互いを見つめた。

そしてまずルナが答えた。

「私はこれからもずっとユーゴの傍にいます。ユーゴの行くところに私も一緒に行きたいです。だから、神殿には戻りたくありません。」


次にユーゴが答えた。

「俺は、もっとルナに広い世界を見せてあげたいと考えています。お許しいただけるのであれば、ここを拠点に旅をしていきたい。もし家族や領地に何かあるときは必ず駆けつけます。」


ルナとユーゴの言葉にバシルは頷き言った。

「いいだろう。ユーゴ、ルナ、好きなときにここへ帰ってこい。」


「ジョセフ兄さん、兄さんをお支えできず申し訳ありません。」

ユーゴはジョセフに頭を下げた。


「いいんだ。ユーゴは家族なんだから、どこにいても私にとって心に支えになってくれる。ノアにとってもそうだ。もちろんルナさん、貴女もね…。」

ジョセフは噛みしめるように言った。


「ありがとう。」

「ありがとうございます。」

ルナの胸に温かいものがこみ上げてきた。


「さて、では明日急いで準備をして明後日には出発するとしよう。ぐずぐずしていると叛意があると取られかねないからな。

ジョセフ、留守を頼むぞ…。」


「はい。どうぞお気をつけて…。」

誰の目から見ても頼もしい辺境伯継嗣がそこにいた。



 次の日、ユーゴとルナが王宮へ召喚されたと聞き、ダフネがガスパールを連れてルナの部屋へやってきた。


ガスパールは有能な神官らしく、王宮側の思惑を予測していた。

「それで、ルナたちはこれからどうしたいんだ?」

ガスパールは、バシルと同じことを聞いてきた。


「ごめんなさい。私は神殿には戻りたくはありません。ユーゴと一緒にいろいろなところに行ってみたいと思っています。」

即答したルナの言葉に、ダフネは心配そうにガスパールの顔を見た。

しかし、ガスパールの表情は平静さを保っていた。


「そうか…。」とガスパールが言うと、ルナとダフネは意外そうにガスパールの顔を見つめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ