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7  次の日の王太子殿下はいつもと様子が違いました

ブックマークありがとうございます。


短めです。

 

 災難続きの次の日──。


 お兄様に逆らうという選択肢がない私は、せっせと殿下の観察に励んでいた。

もちろんひっそりとね。昨日の今日でさすがに殿下の目に触れることはしたくないからだ。


 朝から殿下を見ていると、早速だがおかしなことに気づいた。

学園に来てから午前の講義2つを受講後、現在はご学友とランチをとっている殿下をこっそりと覗き見ながら首をかしげる。


まだ一度もミリア嬢と会っていないのだ。


いまいる場所もミリア嬢と来たことがない第2図書館の裏庭だし、そもそもミリア嬢とランチをとらないなんてあり得ない。一体どういうことなんだろう?そう思っているのは私だけではないようで、周りの人たちもチラチラと殿下を見ている。そんな周りの視線をものともせず、殿下はベイクドサンドを食べながら談笑中だ。くっそう、やっぱり顔がいい。


 いつもと違うのは行動だけではない。顔色もだいぶ良くなっているし、黒いモヤも見当たらない。なんでいきなりこんな変化が?




 疑問が残るままランチタイムは終了。殿下たちは午後の講義のため、中に戻っていった。

本来なら私も講義に向かわないと行けないのだが、その前にどうしても・・・。


 「確かここら辺だと思ったんだけど・・・」


昨日、殿下と遭遇してしまった私のお昼寝スポット。四つん這いになって芝生をくまなく探す姿は人に見られたくないものだ。


ゴソゴソと隈無く探すが見当たらない。


「何探してるんだ?」

「ミサンガ。この辺だと思うんだけど・・・」


もう効力がないとはいえ、そのまま放置するのは憚られる。なんとしても見つけたい。


「それってどんなの?」

「6種類の黄色い糸で編み込まれたブレスレットみたいなやつ」


う〜ん、見当たらない。もうちょっと木の方かな?

木の根もとに近づき探してみると──。


「あった!」


あったあった!よかった〜。午後の講義サボったかいがあったよ。

これで心置きなく殿下の観察を続けられる。学園を出るまで観察しないと怒られるからね。


「見つかってよかったな」

「ええ、本当によかったよかった・・・ん?」


・・・?さっきから私は誰と会話しているんだ?

前方には大木、左に人はいないし右にもいない。ということは・・・。

私はそーっと後ろを振り返ってみた。


「昨日ぶりだな、ナディア・カロン嬢」


・・・。


なんで、殿下がここにいるのでしょうか?





読んでくださりありがとうございました。

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