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20 皆さん流行ものに敏感です

ブックマークと評価、本当にありがとうございます。


今回は短めです。


 夏も終わり少しずつ冬へと移行する季節の切れ目。

短い秋が終わればすぐに冬将軍がやってくるというのに、なぜか学園で怖い話が流行っていた。



「調理室の話はご存知?」


「知ってますわ!自ら命を絶ったシェフが夜な夜な現れるというお話ですよね」


「それですわ。なんでも自分が使っていた包丁を探しているんだとか」




「ル・リオン講堂で男性の霊がでるって」


「あら、私は女性の霊だと聞きましたわ。長い髪を振り乱しながら目撃者を追いかけてくると」




「満月の夜、生物室にある標本が動くって聞いたわ」


「なんですかその話?」


「失われた身体の一部を探しているんですって。見つからないとその場にいた人間を——」



 あっちでもこっちでも数人のグループで怖い話をしているのが聞こえてくる。

どれも他愛もない内容でほんとんど嘘だろう。まあ貴族は刺激が欲しいからちょっとしたスパイスを欲しがるのだ。つまり、平和ってこと。


 ミリア嬢の雄叫びは日常に溶け込んでいるし殿下は正気に戻ってから信頼を回復しつつあるし、みんな話題に飢えているんだろうけど。でもなんで怖い話にいくかなぁ。



 リゼット嬢も不思議そうに周りを見ている。



「流行っていますね、怖い話」


「そうですね。みなさん、どこでそんな話を仕入れてくるんでしょうか」


「ナディア嬢は怖い話に興味はないのですか?」


「あんまりないですわ。リゼット嬢は?」


「私もあまりないですけど、暇つぶしにはよいかと思ってますわ」



 実はこのリゼット嬢、かなりの情報通である。なぜか彼女の元に情報が集まる仕様なのだ。

彼女は何も聞いてもいないのに周りが教えてくれて、望んでもいないのに衝撃的な場面に遭遇する。本人は「そういう星の元に生まれたのかしら」とのんきなものだ。


 当然、いま流行っている怖い話もいくつか彼女の元に集まっているのだろう。



「テーリヒェン嬢、聞いてくださいな!いまとっても怖い話を聞きまして・・・」



早速向こうからやって来たようだ。



「あらあら。ナディア嬢、少し失礼致しますね」



リゼット嬢は呼ばれたグループへと向かっていった。








「ただいま戻りましたわ」


「結構時間かかりましたね」



 しばらくして解放されたリゼット嬢が戻ってきた。



「皆さん次から次へとお話なさるものですから。このままでは時間が足りないので改めてお話をする事で話をつけましたわ」


「そんなにたくさん怖い話があるんですか・・・」



怖い話なんてそんなにしょっちゅう聞くものでもないのにみんなどこで聞いてくるんだか。



「本当に、どこでそんなに聞いてくるんでしょうね」



あ、リゼット嬢も同じ事思ってたみたい。



「学園長室の肖像画が笑うだの、屋上庭園に死神が出るだの、青の塔に出る幽霊なんてものもありましたわ」



リゼット嬢が聞いたという怖い話の中に気になるワードが出て来た。



「青の塔?なんですかそれ」


「私も先ほど聞いて知ったんですの。詳しい事は講義終わりに聞くので気になるようでしたらナディア嬢にもお伝えしますわ」



そう言ってリゼット嬢は次の講義の準備に取りかかった。



 怖い話は他にもあるのに、なんだか青の塔だけ気になった私は「ええ、お願い致します」と答えていた。









読んでくださりありがとうございました。

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