異世界に家出して冒険しています(2)
今回はとにかく早く続きを出したくて短くなりました。
背後のゴブリンたちはさらに勢いを増して追いかけてきていた。
ようやく森を抜けると、そこは開けた地だった。だが、先には崖が立ちふさがっている。
「とにかく走れ!」ユウマは叫ぶ
「この先、行き止まりだけどね。」アーシャが忌々しそうに言った。
まっすぐ進むのは、崖の手前にある。忘れ去られたように一本だけ立ち尽くしている大木だ。多分、オークの木だろう。
オークの木に白い縄が二本、ぶら下がっているのが確認できた。
「急げ」ユウマが縄を掴むと、上り始める。
だがこうした作業は、アーシャの方が圧倒的に上手いらしい。
すいすいと縄を使ってオークに上っていった。
「エルフというより猿だ。」ユウマがつぶやくと
エルフ譲りの優れた聴覚をもっているアーシャが
「誰が猿よ!」何て罵声を寄越してきた。
しかしさすがに今度ばかりはユウマも返事をする余裕がない。
ユウマが上っているロープに、追い付いてきたゴブリンがよじ登りだしたからだ。
しかもそれこそ猿のような機敏な動きで登ってくる。たちまちユウマに追いつこうとしていた。
「誰のロープに勝手に上っているのだよ」と怒鳴ると、ゴブリンの頭を蹴りつける。
「ぶぎゃ!」ゴブリンが叫び声を上げると、そのまま地面に落ちて行った。
ユウマが文字通り蹴り落としてしまったのだ。
「蜘蛛の糸みたいだ」面白くなさそうにつぶやくユウマ
「そんなこと、どうでも良いでしょ、早く上がって」アーシャの声が聞こえる。
みれば、アーシャがよじ登ったロープはすでに切り落とされている。
ゴブリンたちがよじ登ろうとしたので、アーシャが切り落としてしまったのだろう。
樹上から地面に叩き落とされて、打ちどころが悪く、死体となってしまったゴブリンの姿も見える。
「アーシャ、それより合図を送れ」上がってくるゴブリンを蹴りつけながら、ユウマが声を上げた。
「・・・・・・。」
「俺は大丈夫だ。早く急がないとゴブリンたちが這い上がってくるぞ。」ユウマがさらに声を上げる。
見れば、確かにユウマの縄だけではなく、樹にもゴブリンたちは張り付き、よじ登ろうとしている。
「・・・・無事でいなさいよ。」アーシャがそういうと、すぐに呪文を唱える。
そして空に向かって光を放った。
魔法の矢だ。本来なら、敵を攻撃するために用いるものだ。
天空に何を攻撃するもなく、上っていった光は、やがて細かい粒子になってしまったように消えていった。
ユウマとアーシャの会話の部分が上手く書けないな
二人の関係とかは、今後、描いていくつもりですが
最初に紹介したように、アーシャはユウマの姉みたいな立場ですから
もうちょっとそうした雰囲気を出したかった