表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰か私をお宅に住まわせてください(だれすま)  作者: 乾燥バガス
誰か私をお宅に住まわせてください
31/90

第31話 ロクシーの旅立ち

   *   *   *


「へぇ~。すっげぇな。ここがロックの新居か。」


 僕の家が火事で焼け落ちたので、ルビィに新居を案内していた。僕らは朝練と称して、二人で剣の訓練を行っていたのだ。それを続けるにはルビィに新居の場所を知ってもらう必要があるからだ。


「ネイが用意してくれたんだ。」


 僕はルビィに説明した。


「ふ~ん。こんな家に住めるんだったら、俺もネイみたいな嫁さんが欲しいぜ。」


 ルビィはさっきから周りをキョロキョロしながら付いてきていた。


「ルビィ、『俺も』って何だよ。ネイは僕の嫁さんじゃないからな。」


「まぁ、別にいいじゃないか。同じ様なもんだろ? 何なら、俺がネイをお嫁さんにもらおうか?」


「いや、それはちょっと。」


 ルビィなら行動に移しかねない。


「ははは。嘘だよ。だけど一回ぐらいは口説かないとな。」


 そんな話をしながら、僕はルビィをダイニングルームに案内した。ダイニングテーブルには、ネイ、ロクシー、キャスティ、シィがティータイムを楽しんでいた。ゼロは相変わらずテーブルの上に陣取っている。


「ロック、また女の子が増えてるじゃないか! しかもシィだ!」


 そういえばルビィが家に訪れるたびに、同居人が増えていることが多いな。


「やぁ、こんにちわ。みんな。」


 挨拶を忘れてたことを思い出したのか、ルビィはみんなに挨拶をした。


「「こんにちわ。」」


 ロクシー以外が返事をした。


「なんでシィがここに居るんだ? しかもメイド服を着てるぞ。似合ってるし可愛いな。」


 そんなルビィの言葉を聞いて、顔を赤らめモジモジするシィ。


「あぁ、この家の管理をしてもらってるのさ。ま、その他にも色々ね。」


 僕はルビィに言った。


「そっか。ふ~ん。俺もここに住みたいぜ。」


 ルビィは本気で言っている様だ。


「で、誰の許可を貰ったらそれが可能になるんだ?」


 周囲の人々を見渡しながら訪ねるルビィ。男性恐怖症のロクシーは嫌な顔をしている。そしてその質問に、ロクシー以外の全員が僕を指さした。


 それを見た刹那、ルビィがこっちを振り向いた。


「ロック!!」


 ルビイが僕の両肩を掴み、真剣な顔でこちらを見つめ、僕の身体を前後に強く揺らしてくる。


「止めろ、酔う!」


「ロック~。」


 ルビィは前後に揺らすのは止めてくれた。指が食い込むぐらいの力強さで、両肩をがっちり掴まれているが。そしてまだ、真剣な顔でこちらを見つめ続けている。


「何とかできるんだろ? な? ロック?」 


「ここに住む理由が無いとな~。」


 僕はルビィから視線を外してちょっと意地悪く言ってみた。


 それに対してネイから発言があるかと思ったが、意外なところから声が聞こえた。


「明日からぁ、ロクシーが旅に出るのよぉ。」


 シィだった。ネイはシィの方を見てニヤニヤしている。当のシィはちょっとうつむき、指先をいじりながら話し出した。


「ロクシーさんの留守中にぃ、ナンディさんを構ってくれる人が欲しいのよねぇ。それからぁ、庭の手入れの人手が欲しいと思ってたのぉ。木の高いところの剪定もしなきゃだしぃ。人を雇うのも良いんだけどぉ、お金が必要でしょぉ? 少しでも節約したいしぃ。部屋も余ってるんだしぃ、どうかなぁ、ロックぅ?」


 シィの発言を聞いたネイが、何かを企んでるのか、とても楽しそうにロクシーに聞いた。


「ロクシーはどうなの? その男性恐怖症は直さなきゃならないんじゃない? ロックは練習台としては難易度が低くすぎたでしょ? ルビィを練習台に使ったら? あと、ルビィの手綱を掴む人もちゃんとそこに居ることだしね。」


 ネイは最後にシィを指さした。それを聞いて納得がいったという表情を浮かべるロクシー。そしてロクシーは商談をするときの表情になった。


「フフフ。そいいう事デスか。シィがルビィの手綱をしっかりと掴むのなら、別に同居しても良いデスよ。それにワタシはこれから旅に出マスしね。シィ、ちょっと高く付きマスが、貸しデスよ?」


 ん? ロクシーにルビィが向かわない様にするのはシィなのに、なんでロクシーがシィに対して『借り』じゃなく『貸し』になるんだ?


「ありがとぉ~。ロクシー。庭仕事は意外と大変だったのよぉ。本当、助かるわぁ。」


「良いのか? 良いんだな!? ロック?」


 ルビィが必死の形相で尋ねてくる。


「あぁ、シィの言いつけをちゃんと守れば良いんだってさ。ルビィが同居なら、僕も稽古がしやすくて助かるしな。」


「ぅっし!!」


 喜びを全身で表現するルビィ。


「ところで、そのナンディちゃん? って何処に居るんだ?」


 ルビィはナンディの居場所を聞いてきた。


「あぁ、今は厩舎で休んでるよ。挨拶してきたら? 厩舎は裏手にあるから。そこを出て、廊下の突き当りから外に出ると見えるぞ。」


 僕はダイニングの奥の扉を指さして言った。


 ルビィはさっそくダイニングルームの奥の扉から部屋を出て、ナンディに会いに行った。


 ルビィにはナンディが牛だって言ってたっけ? まあいいか、そういえば先ほどシィがロクシーが旅に出るとか言ってたな。


「ところでロクシー、旅って何処に行くんだい?」


「アイーア国に行きマス。ネイのお陰で資金も出来マシたから、新たに商品を仕入れたいのデス。今後の仕入れと輸送の代行人も手配したいデスから、宗家にも行ってきマス。」


 ロクシーの生まれ故郷のアイーア国に行くって訳か。宗家との宝石仕入れルートはロクシーの役割りだったな、確か。


「そっか。どのくらい掛かるんだい?」


「海路デスから、二か月から三か月ぐらいと思いマス。」


「長旅だな。気を付けて。」


 そんな話をしていると、ルビィが戻ってきた。


「ロック! ナンディって可愛いな!」


「ル、ルビィは牝牛にも手を出すんデスか?」


 ロクシーがルビィから身を引きながら、嫌な顔をして言った。


ロック:「一人で大丈夫かい?」

ロクシー:「ワタシ、護身用に拳法を体得しているのデス。」

ロック:「へ~。いつも軽快な動きだもんな。」

ロクシー:「アイーアの商人は拳で交渉するのデス。」

ロック:「えっ? 本当に!?」

ロクシー:「やはりロックはチョロいデスね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 一票入れて頂けると嬉しいデス。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ