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散歩
その日、リューオスは天空岩の端っこまで行ってみることにした。
なぜか、ファニィがついてきた。
しばらく歩くと鉄柵にたどり着く。
鉄柵の高さは五メートルほど。
それより先は危険だからということで設置されたものである。
鉄柵の隙間から目を凝らすと、天空岩の果てが見えた。
タツキはこの柵を飛び越え、天空岩の外側へと飛び立ったのだろう。
そういうことをしそうな竜人がいたら、ファニィが止めるはずなのだが、空を飛び出したタツキに、ファニィにも手が出せなかったのだろう。
ついてきたファニィは、じっとリューオスを見てるようだ。
「別にこの柵を壊して出て行ったりしないよ」
それに万が一、落ちたら……という恐怖心もある。
タツキの無事を祈るのだった。