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飛べない竜人

     * * *


 ある時、高い位置の桃が収穫時期なのに気づいた。

 リューオスははしごに登り、桃を収穫していた。


 こんな時、タツキがいたらなーと強く思った。



『飛べるっていいな』


 そういえば、リューオスが何気なくタツキにそんなことを言ったことがあった。


 すると、タツキはむっとして、

『飛ぶのだってそれなりに疲れるんだからな』


 思えば自分の体重分を宙に浮かせるので。かなり力がいるのかもしれない。

 それに比べれば、はしごを出してそれに登るのなんて簡単なことなのかもしれない。





     * * *


 タツキの両親は翼があった。

 空を飛びながら、天空岩の外れまで行っては地上の様子を覗っている。


 だが地上に降り立つのは危険なようだ。

 火山の噴火や地震が頻繁に起きているらしい。



 リューオスは、不安げに空を飛びながら落胆して帰路に着く父親の姿を何度も見た。


――親を泣かすなって言ったのになぁ。

 リューオスはタツキが帰ってきたら説教してやろうと思った。



 リューオスの両親は、十数年前の竜の大地の大噴火の時に亡くなっている。

 自分が出来なかった親孝行を、タツキにはさせてやりたいと思っていたのかもしれない。


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