レタスの白和え
拙作を読んでいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。あいぽんで初投稿ですが、予測変換が斜め上走っててイラッとしました。自分、どんなボキャブラリーやねん。
人数分買わなかった事よりも、わらしさま達が自転車に乗れなかった事が、今回の騒動の原因を引き起こしていた。いくら身長が大きくなっていても経験していない事が初っ端からできるわけないもんね。補助輪付きの自転車をそれぞれ好きな色を選んでもらってポチった。
当然届いたのは小さい子用の自転車。誰が一番早く補助輪が取れるか競争している。あんなにインドアだったのに、やっぱり田中さんの土地を買って大正解だったとホクホクしていると、
「いなり、逆走するなよ。」
「わらしこそ、ちんたら走るなよ。」
「4人で自転車に乗るにはここは狭すぎる。」
「あたしも、もっと広い場所で練習したい。」
「チコちゃんといなりは、自分の神社で練習すればいいでしょ。カハクちゃんだって、山で練習すればいいじゃん。僕はここでしか練習できないんだよ。」
3人は練習した後はお腹が空くからここで練習するんだと言い張っていた。
「もういいっっ。」
自転車のスタンドを下ろして、ヘルメットを外しながらとてて〜と私のところに走ってくるわらしさま。
「のりちゃんっっ。今すぐ『ロト6』インターネットで買ってきて。」
「そんなの買ったことないからわかんないよ。」
「のりちゃん早く早く〜。」
私の手をグイグイ引っ張って家の中に連れて行ったわらしさまは、カチャカチャと、キーボードに打ち込み、会員登録とインターネットバンキングの紐付けをしたと思ったら、言われるがままに6個の数字を選ばされた。
タンターンと力強くエンターキーを押したわらしさまは満足顔。
こんな事で満足してくれるならお安いご用だ。
そんな呑気に構えていた私を叱ってやりたい。
夕飯を食べてまったりと幼馴染の妖精を裏切って王様になったバカな男の話を再生していると、
「のりちゃん当たったよ!これで家の周りの土地買いしめられるよ。」
あはは〜。キャリーオーバーの6億円が当たってしまった。わらしさまの本気恐るべし。
グラウンドのトラックの真ん中に我が家が存在するような形で買収された土地は、両脇を桜の木に囲まれて、レース場のように整地された。俄然燃え上がった『チームわらし』のメンバーは瞬く間に補助輪無しで自転車に乗れる様になった。ノリで一輪車も4台ポチったら、片手を繋いでグルグル回るメリーゴーランドまで出来るようになっていた。
……門から家まで遠すぎるんですけど。
◆◇◆
もうすぐ門に着くよとL INEすると、
「のりちゃ〜んお帰り〜。」
ビーチサイクルに乗った大人サイズのわらしさまが、朝晩玄関から門まで送迎してくれる様になった。
「わらしさまただいま〜。」
Uの字になったアップハンドルに腰掛けて二人乗りするこのスタイルは、ブランコに乗っているみたいで楽しい。満開の桜並木をビーチサイクルでツーリングするのはきっと楽しいだろうね。
「のりちゃん、僕チキンのソテー作ったよ。」
『焼き師』の称号は健在です。
「じゃあ、副菜はレタスの白和えにしようかな?」
「うん。僕お手伝いするっっ。」
「切るのと混ぜるのどっちがいい?」
「僕混ぜる係する。」
「らじゃりんこ。」
私がレタスを千切りにしてる間に、わらしさまはキッチンペーパーに包んだ豆腐をチンして水切りをしていた。
「のりちゃんチンしたよ。」
「豆腐の上にお水の入った小さいボールを乗せて暫く置いといてね。」
「イエッサー。他には何かお手伝い無いの?」
「お味噌汁作るからお鍋に水を張ってお出汁とってくれる?」
「アイアイサー。」
千切りレタスに塩を振って水切りしている間に、大根をいちょう切りにした。お鍋に大根を入れて煮えるまでしばし待つ。
「わらしさま、水切りした豆腐をちぎってフードプロセッサーに入れてね。」
「イエッサー。」
フードプロセッサーにちぎった豆腐を入れてる横から砂糖、醤油、ねりごまを投入した。後は滑らかになるまでうぃ〜んするだけだ。本当にブルーノのハンディーブレンダー買って良かった。メチャクチャ重宝しています。
大根が煮えたので味噌を溶く。赤味噌県の人ですが、我が家の味噌汁は合わせの登場率が高い。
滑らかになった和え衣をレタスとからめたら今日のおうちご飯完成です。
「「いただきま〜す。」」
「のりちゃん僕の作ったチキンのソテー美味しい?」
「塩麹でお肉が柔らかくなっていてとっても美味しいよ。」
「やった〜。レタスの白和えは?」
「シャキシャキしたレタスにクリーミーな和え衣が最高。」
わらしさまよ。最近美味しい以外のボキャブラリーを求め過ぎではないかい?
ワシグルメレポーターじゃないんですけど。今度林さん連れて来たらわらしさまは大喜びするかもしれない。その情景を想像したら味噌汁吹き出しそうになった。
ねりごま入れる時は砂糖多目が好きです。




