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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第1章 アラサー無職彼氏ナシから頑張るゾ
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春雨サラダ後編

 さてさてお次の料理にとりかかろう。アボカドを縦に8等分して優しく皮をむく。春巻きの皮に、『アボカド、シソ、生ハム』のチームと、『アボカド、ベーコン、チーズ』のチームに分けてそれぞれ巻いたらフライパンで焦げ目ができるまで炒める。後はコンソメスープに刻み葱のっけって今晩のおうちご飯完成です。パフパフパフ~。


「わらしさまご飯できたからテーブルに運んで~。」


 働かざるもの食うべからず。立っているものは妖怪でも使え。なんちって。今日からわらしさまは、お客様じゃなくてうちのコだからね。お手伝いは必須。


「やった~。今晩も小豆ご飯じゃない。」

「今日は春雨サラダだってさっき言ったじゃん。」


 目をうるうるさせているわらしさま。やめて。こっちが切なくなるから。わらしさまよ熱々のうちにたんとお食べ。甘~いとか、チーズがとろとろ~とかいちいち感嘆の声を上げてくれるわらしさまは実に食べさせ甲斐がある。作り手冥利に尽きると嬉しさをしみじみと噛みしめた。

 食後にコーヒーを淹れてたら、着信音が鳴り響いた。DEAD OR ALIVEをmp4に自作したんだよね。わが人生で最後に見た仮面ライダーの主題歌。表示されてる名前は友達の(はるか)ちゃんだ。


「もしもし悠ちゃんどうしたの?」

「のり子の会社倒産したって今聞いてさ、急なんだけどのり子のPCにアドビのCC(クリエィデブクラウド) 入ってたよね?」

「うん。入ってるけど、そこまで達者に使えるわけじゃないよ。」

「いいのいいの。急な案件が入ってきて猫の手も借りたいぐらいなのよ。ちょっと校正を手伝ってくれないかな?」

「いつまで?」

「できるだけ早く。Google drive招待するから原稿そっから見て」

「アイアイサー」


 どうやらお仕事が悠ちゃんからもらえたようです。


 ごそごそと、棚からiPadを引っ張り出してブラウザを立ち上げてログイン。有料でダウンロードしたブラウザアプリのPuffinからログインさせてもらえなくなってしばらく放置プレイになってたけど、今はまた使えるようになった事が判明したんだよね。色っぽいおねぇさんの声がゲームのスタートを告げる。


「わらしさまごめんけど、iPad(こっち)でプレイしてくれるかな?画面のボタンをタッチすればマウスと同じだからね。」

「もうボーキサイトが底をつきそうでちょっとしかプレイできない。」


 ヲイヲイあんなにため込んでた資源使い切ったのか。


「その中にいろんなゲームのアプリ入ってるからボーキサイト無くなったらそっちやってな。」

「うん。」


 自分はじゃぶじゃぶ課金してたくせに、わらしさまには無課金を貫いてもらおう。何せ私も無職だからね。

 パソコンをダイニングテーブルに運んで私も悠ちゃんに頼まれた作業に没頭することにした。これってわらしさまのご利益なのかな?

 明日もわらしさまに美味しいもの作ってあげよう。






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