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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第3章 たくさんの幸せを見つけるゾ
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小倉トースト

拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想をありがとうございます。誤字のお知らせもありがとうございます。稲荷様とカハクちゃんの修正が終わったのでまた少しずつストックを作っていきたいです。

「稲荷様とカハクちゃんの印がついてる。」

「僕が昨日身長測ってあげたんだよ。」


 ドヤ顔のわらしさまの手によって、毎朝恒例の身長チェックの柱には、稲荷様とカハクちゃんの印も新たに加えられていた。みんな大きくなる気満々だ。


「二人に抜かれないよう、た~くさんのりちゃんのご飯食べるからね。」

「そんなに急いで大きくならなくていいんだよ。」

「もしかしてのりちゃんってショタコンなの?」


 またえらい単語覚えてるよ。


「そんなわけないでしょう。」

「な~んだのりちゃんがショタだったら、お手伝いの時以外は縮んであげようと思ったのに。」

「小さくもなれるの?」


 シュルシュルと縮んだわらしさまは、出会った頃の5~6歳に戻っていた。


「びっくりした?」

「とってもびっくりした。」

「小さいとのりちゃんのお手伝いしにくいからもっともっと大きくなるんだ。」


 そう言いながら元の大きさまで身長を戻す。わらしさまはお手伝い大好きっ子だった。ええ子やなぁ。


「いつもお手伝いありがとうね。さ、朝ご飯にしようか。」


 休日のゆったりした朝にはやはりモーニングセットでしょう。

 パンにチューブのバターを塗って、缶詰のあんこを乗せたらトースターで焼くだけ。


「わらしさまトースターお願いね。」

「イエッサー。」


 ゆで卵とバナナを添えたらみゃーみゃー市のモーニングセット完成です。


「「いただきます。」」


 小倉トーストにかぶりつくわらしさまに


「わらしさま、黒いのがあんこだよ。」

「小豆ご飯と全然違うよ!甘いのにバターの塩気が美味しい。」


 目を白黒させて小倉トーストをほおばっていた。赤味噌県の人以外は最初躊躇するこの組み合わせも最近は全国にも少しずつ市民権を得ているらしい。


「まだまだ小豆の美味しい食べ物あるんだよ。」

「僕小豆ご飯じゃない小豆をもっと食べてみたいかも。」

「他の小豆料理もそのうち作るね。」

「わ~い。」


 わらしさまの小豆への嫌悪感が消えたようです。一緒にお皿を洗った後、今日はのんびりとアニメ映画を見ることにした。

 高校生探偵が、毒薬を飲まされて小学生として過ごすアニメは、いつどこに行っても殺人が起きる。もう20年以上経つのに小学生のままという国民アニメ。ラブ要素が強い回には少しイラッとしてしまうのは私が年を取ったせいなんだろうか。キュンキュンさせなくていいからもっと話ガンガン進めろやと映画館で何度も思ってしまったのはナイショだ。ケンカップルと真っ赤な紅葉が印象的なこの作品の主題歌は私のカラオケのオハコになっている。


「のりちゃん、日本ってこんなに物騒なの?」

「いやいや、わらしさまこれフィクションだからね。」

「でも最近無差別殺人のニュース多いよ。」

「そういう事件も起きてはいるけど、海外に比べたら安全な国だよ。それにさ、これは推理漫画なんだから事件が起きないことにはお話が進まないでしょ。」

「それでも僕、のりちゃんの事が心配だからこのアプリ携帯にインストールして。」


 鷹のマークのアプリは、別名彼氏監視アプリと呼ばれる奴だ。


「あ、うん。それでわらしさまが安心するならインストールするよ。」

「これで僕おうちの中以外でものりちゃんを守れるね。」


 小さなナイトさんは相当の心配性だった。


「だってさ、のりちゃんのご飯を食べたら妖力が増えるなんて他の妖怪に知られたら、のりちゃん攫われちゃうかもしれないんだよ。」

「まさかご飯食べて妖力が増えるなんて誰も思わないんじゃないかな?」

「前にもいなりが物凄い妖気が発生してたからって様子を見に来たことがあったでしょ。他の妖怪だって気が付くかもしれない。だから僕がのりちゃんを守るんだっっ。」


 眉間にしわを寄せこぶしを握り締めるわらしさまは勇ましかった。何気に人間社会より妖怪社会の方が物騒かもしれない。


「わらしさまありがとうね。腹が減っては戦はできぬと言うしそろそろお昼ご飯作ろうか。」

「僕オムライスがいい。」


 あんなに険しい顔をしていたのにご飯の話になったら満面の笑みを浮かべるわらしさまは、割とチョロかった。











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