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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第3章 たくさんの幸せを見つけるゾ
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あさりしぐれのおにぎり

拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想をありがとうございます。お蔭様でランキングにまだ残っていて、『勇者』と『ダンジョン』ばかりの中にポツンと『座敷童』。……いたたまれないです。

今後の予定としては、そろそろ夏に作って食べたいメニューが底をつきてきたので、時計を早巻きして秋に季節をを進めようと思います。よろしくお願いします。

 うわんうわんと唸るようなセミの合唱を聞きながらわらしさまを見守る。


「のりちゃん、ちゃんと見てる?」

「ちゃんと見てるよ。」

「じゃぁ今からスイカひっくり返すからね。よいしょっと。」


 一抱えもある大きなすいかを地面に面した方が今度は空を向くように置きなおしたわらしさまは、やり切った感満載でとててて~と縁側まで走ってくる。


「これであと20日置いたらのりちゃんに特別に甘いスイカがプレゼント出来るよ。」

「楽しみにしてるよ。30日に収穫するなら31日にスイカパーティーしようか。」

「30日じゃだめなの?」

「スイカを冷やすから、次の日がいいんだよ。」

「わかった。31日に集合って伝えてくる。のりちゃんいってらっしゃい。」

「はい行ってきます。」


 稲荷様達にLINEしに行ったわらしさまと折り返しに戸締りをして職場へと向かった。

 もうすぐお盆か。おばぁちゃん達帰ってきたらわらしさまに驚くかな。それとも安心してくれるかな。お盆の用意も忘れず買って帰らないとね。駅から事務所までの短い距離にも汗だくになりながら歩いた。


「おはようございます。」

「渡辺さんおはよう。」

「のり子おはよう。今日も半端ない暑さだね。」

「早く秋になってほしいよね。」


 今日は悠ちゃんも林さんも事務所に居た。自分のパソコンを立ち上げて割り振られてた作業を黙々とこなしていく。指さし確認。よし。今日も気合入れて頑張るぞ。


 お昼になったので応接セットに集合する。最近林さんは、暑くて外に出るのがだるいからと言って朝コンビニで昼ご飯を買って来ている。一番暑い時間帯だもんね。私も出たくない。それでもみんなは打ち合わせや取材などで暑い中出ていかなくてはいけないから大変だなぁと思う。カバンから悠ちゃんの分のお昼ご飯を取り出して渡す。


「悠ちゃんごめんね。今日は朝用事があったから簡単におにぎりなの。」

「のり子ありがとう。具は何?」

「梅とあさりしぐれだよ。」


 林さんはざるそばをズルズルすすっている。


「あさりしぐれいいなぁ。田中さん俺のツナマヨと交換してよ。」

「嫌だよ。せっかくのり子のお手製なんだからあげないよ。」

「林さん私のと交換するよ。」

「やった。渡辺さんありがとう。あさりしぐれはコンビニに売っててもも品切れが多いからエンカウント率が低いんだよね。」

「そうなんだ。」

「東京出張の時にコンビニ入ったらしぐれおにぎり売り切れかとがっかりしたんだよ。後から聞いたら東海地区限定らしいよ。」


 なんなのそのトリビアネタ。


「林君、東京まで行ってコンビニご飯なの?受けるんですけどwww。」


 悠ちゃんはひとしきり草を生やしていた。林さんは食に多くを求めてないのかもしれない。

 それからはお盆休みをどう過ごすかを公表し合った。林さんは山にキャンプへ行くらしい。インドア派だと思ってたから意外だと感想を述べると、そういうのが好きな友達がいるそうな。悠ちゃんは彼と温泉でまったり過ごすんだって。渋い。私はもちろん自宅警備員のわらしさまとおばぁちゃん達をお迎えしてお見送りするだけ。そう私も3日間引きこもるのさ。今からせっせとブックマークを増やして引きこもりの準備している。

 だって盆休みに帰省した勝と鉢合わせなんて絶対嫌だもんね。

 そんなことを考えながらツナマヨおにぎりを食べる。何か物足りないんだよなと思ったら、醤油が無いからだった。ツナ缶にマヨと醤油ぶっこんだら白米いくらでも入っていくもんね。

 午後からも、スムーズに作業が進んで何の問題もなく1日を終えることができた。慣れた頃が事故の元。慢心しないように気を付けなければ。指さし確認。こまめな保存。本日の任務完了。

 さぁて、今晩は何作ろうかな。

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