ばれる!?
閑話となっております。
「人生の〇〇〇」までの何処かで起きたお話という形です。
ほぼ「」な会話が主体になっています。
天文??年(15XX年) X月某日
━━━━平手政秀 齢4? 尾張国 名古屋城 堀川屋敷━━━━
【注:名古屋城横を流れる堀川ですが、
『1610年(慶長15年)に福島正則が徳川家康の命により、名古屋城築城の天下普請に際して資材運搬を目的とした水路として、2013年時点における朝日橋付近までを掘削したとされている。』とされてはいますが、
『当時の土木技術の水準では、何もない所に全く新しい水路を引くのは困難であるとして、堀川の位置には元々、何らかの自然河川が存在したとする説も存在する』という説の方を使わせてもらいました。】
「こんな夜深い中、何かございましたかな?」
「政秀、まあ座れ。他の者は誰も居らぬ。」
「はぁ……」
「まずは一献」
「ありがたくw」
そうしてお互い一口ずつ飲み
「して、どのようなご要件でしょうかな?信秀様。」
そしてしばらく庭を眺めながら、もう一度ゆっくりと酒を飲み交わし意を決したかのように、信秀は言葉を政秀に呟くのだった。
「政秀よ、いやその方は、何者だ?今まで聞かなかったのが不思議であったか?
そうであろうよ、今の其の方が今日までの行っていた政事を見ておったが、尾張を発展させ、三河に伊勢を傘下に収め、信友を倒し、西遠江まで儂らが生きている内に手に入れた。如何なる理由でそこまで急いだ?」
そこまで語った後、盃に口を付け一息吐いた。
「……ふぅ、何者かですか……。『平手政秀ですが、何か?』と答えても信じないのは目に見えていますなw」
その言葉を聞き頷く信秀、当然であろうと言う表情であった。
盃に注がれた酒を一口飲み……神妙な、懐かしくも悲しげな表情で語り始めた。
「そうですな、もし……もしですぞ?儂が約460年先の世からの輪廻を遡りこの身体に転生したを申したらいかがなさいますかな?
そして我ら二人の死を……本来起こるはずであった今川家の尾張の蹂躙を回避するために行動したと言ったらどう思われますかな。」
「ほぅ……で、儂は何時死ぬはずだったのだ?」
杯の酒を一口含み、
「吉法師様が、元服後一年も経たぬ内でしたかな・・・流行病にてです。」
「そんなに早くか!?」
おもわず杯の酒を零す程であった。
「儂は、そのしばらく後になりますな。
吉法師様の行いを諌めるに……そして今川の尾張蹂躙は、
信秀様と儂が幽世に行った後起きる事柄です。
まあ、西遠江を天領にしたのは、万が一にもそれが起こりうるのを防ぐためですわ。」
と言った後、一息置くのに杯を傾けた。
「そして儂と同じように、この時代に転生した者が居るようでしてな。」
「数はわかるか?」
「現状としては、一人は居ると言う事がわかっています。あと西国に行商人に扮して数名回した所、安芸と出雲辺りで殺られておりますな。相当な手練が居るようで。もしやするとそこにも一人。」
酒と摘まみを口にしてから、信秀は
「何とか手は結べぬか?少しでも吉法師の驚異を無く・・・いや緩めておきたい。」
「結べるとは思いますが、場所が場所であり距離が距離です。今、治める事が出来ている尾張、三河、伊勢、遠江西部の約四国を織田家が治めてはおりますが、ここに伊賀、大和、近江、若狭と入れ地盤を磐石にしなければ、後々(のちのち)・・・比叡山、高野山、石山本願寺、越前加賀一向宗と牙を剥いてくる事になりましょう。」
「盟を結ぶとしても、伊賀と近江の二国は手に入れんとキツいか。」
「そうですな。最低限、伊賀一国だけでも手に入れれば大和方面へも行けるようになりますからな。それに美濃に置いて、変事がいつ起きてもすぐ動けるようにせねば……なりませぬゆえ。」
杯の酒を一飲みし、
「変事とは?なにかよからぬ事が降りかかるか。」
「斎藤家による土岐家の追放。斎藤新九郎による道三殿への下克上。東美濃の反乱。北近江浅井家の六角家への戦。上げれば限がございませんな。」
「だが、こうして話すという事は変わるかも知れぬと言う事でもあろう。」
そこまで言い切った後、二人で月明かりの庭を眺めてはいたが……
「信秀様、さすがに美味い酒を飲んでるのに、摘まみの一つも無いってどういう事です!?普通は用意しておく物でしょ!!」
「何言うとる!?儂はお主が持ってくる物とばかり!」
「何を言うやら!?こんな夜更けに急に呼び出されては、摘まみが用意できるはず無いでしょ!!」
そうしてお互いの良い所、悪い所を口論し、翌朝にはお互いが庭で大の字で寝転がっていたと言う。
只、近習達が発見した際、お互いの片頬が赤く腫れ上がり、何かをやり遂げた感の顔をして満足げに寝ていたとさ。
」
伊賀・長島の章の最新話も頑張って書いております。
が、産物等調べたりどんな物が育てれそうかとかで躓いているところです^^;