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迷います!

輝流との仮デートをすました如月は、

いよいよ本命である明王とのデートを迎える!

携帯の時間と周りを気にしながら、落ち着かないようにため息をつく。

とうとう来てしまった、今日というこの日。

三月十五日。神宮さんとのホワイトデー(……より一日過ぎちゃったけどそれでも)デートがやってきてしまったのだ!

輝流さんがあそこまで言うから買った服を着てみたけど……どうも落ち着かない……

服に合うように髪型もハーフアップに挑戦してみたが、あまりにいつもと違いすぎたのか睦月に


「きーちゃん、どうしたの。なんかきもい」


と言われ、殴りかかろうとしたのは言うまでもなく。

と、とにかく待ち合わせ場所に向かわなきゃ!

えっと、待ち合わせ場所は確か……あ、いた!


「神宮さんっ!」


「おっ、みな……」


「おおお待たせしました!」


恥ずかしさのせいか、声が裏返る。

神宮さんの私服……表現できないくらいすっごくかっこよかった。

相変わらずのイケメンっぷりに私は死にそうです!

と心の中で暴走する私とは逆に、神宮さんは混乱しているようだった。


「ちょっ、おま……なんつう格好してきてんだよ……」


「す、すみません! 変、でした?」


「いや、そうじゃなくて……かわいすぎんだよ……」


神宮さんの顔はたちまち真っ赤になり、それを隠すかのように顔をそらした。

か、神宮さんが照れてる! 貴重なデレの一種や!


「そろそろいくぞ」


「はい。どこにいくんですか?」


「バレンタインのお返しも含めて、お前が望む願い事を三つまでかなえてやる。何かあるか? ほしいもの」


お、そうきたか。

ほしいもの、ね~……

そりゃもちろんお金! と言いたいところだが、無理に決まってるし~


「ちょうどほしい本があるんで、本屋に寄りたいです」


「わかった、ついてきな」


神宮さんの後をついていきながら、私はうれしくてつい微笑んだ。



「うわ~!!! すごいたくさん!」


並んである本に思わず私は、声をあげた。

神宮さんに連れられたところは、全然知らない本屋だった。

棚には数えきれないほどの本が置いてあり、私が知ってる中でこんなに本が置いてあるとこは初めてみた。


「友達から教えてもらったんだ。ほしい本があるなら、買ってやるぞ」


「いいんですか? ありがとうございます!」


私はお言葉に甘え、本屋をぐるぐる回った。

うっひゃあ、懐かしいマンガ全巻ある~!

おお、児童書新刊でてんじゃん!

むむっ! 今月号のアニメ雑誌の特集は私の好きなアニメだと!?

まずい、誘惑が多すぎる!

こんなとこを教えてくれて、さらに買ってくれる彼はまさに神!

嗚呼、水瀬如月。これ以上の幸せはございません!


「決まったか?」


「ゆ、誘惑が多すぎて迷います!」


「本好きなんだな。そんなに言うなら、俺にオススメのやつとかないのか?」


はにゃ?! そ、そうだな……

ここは漫画をオススメしたいとこだが、神宮さんだし……


「じゃあ、喫茶店をテーマにしてる小説はどうですか? いい感じに面白いですよ」


「へぇ、小説でもそういうのあるんだな」


「作中に出てくる食べ物も結構凝ってて、人気もあるんですよ」


「確かに参考程度にはなるな。一応、買ってみるか」 


よ、よかった。ちゃんと伝わった。

偶然にも喫茶店関係の本読んでて助かったな。これも貸してくれた涼花ちゃんのおかげだな。

ってなわけで、買うの何にしよ……

あ、漫画の新刊あるじゃん。

ゆくゆくは全巻コンプリートを目指してるし、今のうちに買ってこう。


「決まりました!」


「おう。買ってくるから、外で待ってな」


神宮さんの優しさが、心にしみた。



「待たせたな」


店を少し出たところで、神宮さんが歩いてやってくる。

携帯の時間を眺めていた私はすぐに携帯をしまい、彼の方を向いた。


「この後行きたいとこあるのか?」


うーん、なんだろなあ。

悩みに悩みぬいて私はガチャポンめぐりをしたいがために、ある店内にあるゲームセンターへ行きたいといった。

神宮さんは少し歩くぞと言いながら、私を案内しだす。

ちらちら周りには男女のカップルがうざいほどイチャイチャしている。

この前まではリア充爆発しろ! とか思ってたけど、今は私のリア充の仲間入り! ワイルドだろぅ~


「そういや、昨日はホワイトデーだったな」


さまざまな店の宣伝を見ながら、神宮さんが言った。

神宮さん以外にあげてないせいか、私もあまり実感がなかったな。

でもこれ、ホワイトデーのデートだもんね! わたしゃそれだけで満足……


「水瀬、これやるよ」


そう思っていると、彼から一つの袋を渡される。


「なんですか、これ」


「いいから開けてみな」


袋を開け、中身を出してみるとまあびっくり!

そこにはかわいらしい髪留めが入っていた。

何かの花をかたどった、きれいな紫色の髪留めだった。


「神宮さん、これ……!」


「お返しだよ。お前に似合うと思って」


「わざわざ私のために?」


感無量! 神宮さんからのプレゼント!

ああああ! 超うれしい!


「その花、何かわかるか?」


「?」


「ライラックっつって、六月十二日の誕生花なんだと」


六月十二日……? それって……!


「わ、私の誕生日じゃないですか! どうして知ってるんですか!?」


「バイト始める時の紙に書いてあったから。祝えなかった詫びでもある、試しにつけてみろよ」


神宮さん……なんてええ人なんや……

ハーフアップ状にした髪のゴムを、今もらったやつに変えてみる。


「似合ってる、かわいいぞ」


「あ、ありがとうございます……」


「もうすぐ店にもつく。ほら、行くぞ」


微笑む彼に、私は笑顔で返事した。


(つづく!!)

with明王編、ですね。

ちなみに私はかわいいと言ってもらえる如月が憎くて仕方ないです。

神宮さんは私の者なのに…解せぬ。


おっと、作者がこんなこと言ってたらあれですね。

忘れてください。


次回、進展するのかこのカップル!

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