夢だって叶います!
喫茶店に忘れ物をした輝流に届けるため、
彼の自宅へ突撃訪問?
ゆっくりと進むエレベーターが五階にとまる。
番号を見つけ、住所と見比べる。
輝流さん、マンションに住んでるんだ。
一人暮らし、とかかな?
勝手にお邪魔して、迷惑にならなきゃいいけどなあ。
電話しようにも番号もメアドも教えてないし……
ま、来てしまったのはしょうがないし行くとしますか!
そう思いながら、家のチャイムを鳴らす。
ハーイと軽快に返事をする、輝流さんの声が聞こえた。
しばらくしてゆっくりとドアが開く。
「どちら様で……に、にがっちゃん!?」
「こ、こんにちは」
「え? な、なんで……」
輝流さんは状況が把握できないようで、驚いた様子で私を見つめる。
沈黙が続く中、彼は咳払いをして私に
「と、とりあえず上がって」
と言ったのだった。
ここが、輝流さんが生活してる家か。
神宮さんとは違う、不思議なにおいがした。
本棚にはゲームのソフトや、アニメのDVDが並んでいる。
うん。なんか私の部屋みたい!
輝流さんって意外とオタクなのかな? なんか話あいそう。
「んで、どうしたの? にがっちゃんがオレの家に来るなんて」
「えっと、これを届けに来ました」
そういって、持ってきた定期を渡す。
受け取った輝流さんは思い出したように口を開いた。
「あ~これ! 無くしたと思ってたんだ~喫茶店においてたのか~」
「はい。神宮さん達のかわりに届けに来ました。住所はそれを見て、たどり着いたんです」
「わざわざありがとね~そだ、せっかくだしゆっくりしていってよ。ほい、温かいお茶♪」
「あ、ありがとうございます」
輝流さんからお茶を受け取り、ふっと一息つく。
急に押しかけてきたというのに、彼は何も気にしていないようだった。
ていうか、用事でバイト休んだって言ってたよな?
まさかまたサボったんじゃ……
「輝流さん、用事はもうすんだんですか?」
「ん、すんだよ。今からレポートにまとめるとこ」
「レポート?」
「宿題の課題研究が終わらなくて。チューンを連れて一緒に見てきたんだ」
バイトを休んだ理由がまさかの宿題……
そういえばよく美宇さんもカウンター借りてやってるな。
大丈夫かな、二人の成績……
「にしてもにがっちゃん、よく迷わないで来れたね。ここら辺複雑じゃない?」
「携帯のナビがあったので。一人暮らし、ですか?」
「ん~中学ん時から親元離れててね~」
そんなに前から! 私には絶対無理だ!
そう思いながらふと彼の部屋を仰ぎ見、視界に一つのものが入る。
それは、写真立てだった。
吸い込まれるように私はその写真を見に行く。
その写真には輝流さんと、もう一人別の男性が写っていた。
こ、これは……まさか……!
「あ、気づいた? さすがにがっちゃん、お目が高い」
「これ、輝流さんの隣にいる人って……」
「にがっちゃんが大好きな王様だよ」
や、やっぱり!
雰囲気がもう、あきお様そのものなんですもの!
ってあれ? 神宮さんと輝流さんが一緒に写ってるのに、格好が制服なのはどうして?
「オレさ、中学に入学してすぐ王様に会ったんだよ」
!?
「王様、サッカー部の主将でさ。初めて見た時は鳥肌がたったな。こんなにすごい人が存在したんだなって。んで王様につられて、オレもサッカーしてたんだ」
神宮さんがサッカー部だと?! もうあきお様まんまやん!
見たかった! すごく!
「でも難しくてさあ。結局サッカーはやめちゃったけどね」
「そう、だったんですか……」
「大学決めろって言われてもやりたいことなかったし、いまいちピンと来なくてさ。そん時に偶然入ったルナティックハウスで王様と再会して、現在に至るわけ」
輝流さんと神宮さんに、そんな接点が……
どうりで仲がよさそうに見えるわけだ。
じゃあ輝流さんが劉生大学に通ってるのも、神宮さんに追いつくため?
「オレいつか王様に……マスターに追いつくような人になって、自分の店を持つ! それがオレの夢♪ ま、無理かもしんないけどね~」
「……無理なんかじゃないと思います」
驚いたように彼が私を見る。
私は、静かに彼の目を見て言った。
「やる前からあきらめちゃだめです。輝流さん、私に言ったじゃないですか。自分がやりたいことをやればいいって。信じれば夢だって叶います! 私もそうやって夢を見てきたんですから」
「にがっ……ちゃん……」
輝流さんの顔がまた変わった気がした。
私の微笑みをぼーっと見つめている。
なぜか彼はふっと顔をそらし、ため息をついた。
どうしたのかと覗き込む私に彼は……
「にがっちゃん……あのさ」
「はい?」
「オレと付き合わね?」
な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
(つづく!!!)
先日、とある音楽番組を録画したところ
まさかまさかの音声だけがきえておりました
音声なしの音楽番組‥‥声にならないほど辛かったです
まあ、他のアニメが無事だったから
多目に見てあげないことも‥‥笑
そんなこととはまったく関係のない本編についてですが
第二幕初っ端から爆弾を落とした気分であります
どうか皆様、暖かく見守ってあげてくださいませ。
次回、輝流と如月が急接近?




