どこがですかああああ!
誕生日を迎える明王にプレゼントを贈るため、
輝流、魁皇とともに買い物へ!
「ここがコーヒー豆売ってるとこだな。専門店じゃねぇから少ないけど、自分が好きなの選ぶんだな」
「少ない……? これの……どこがですかああああ!」
私は思わず、そう叫ばずにはいられなかった。
尾上さんに案内され、やってきたのはコーヒー豆が売ってあるコーナー。
そこは右を見ても左を見ても、豆豆豆! ぜ~~~んぶ豆尽くし!
商品説明のところには産地と品種が書いてあり、香りで誰でも選べるように試作品が置いてあった。
にしてもだ! 初心者には難しすぎる!
神宮さんは、いつもこの中からコーヒーを選んで作っているの!? 何者だ、あの人は!
「どったの、にがっちゃん。選ばないの?」
「まず……どこからどう見たらいいのか……」
「香りかいで調べるといいよ。よく王様と買いに来る時、香りで豆選んでるし」
へぇ、神宮さんと買い物行ったことあるんだ。輝流さん。
香りかあ、私全然わかんないんだよなあ。
とりあえず隅から隅まで嗅いでみることにした。
あ、この香り……家のやつに似てる……
お母さんもお父さんもコーヒーが好きで、よく買って飲んでる。
私にも飲んでみれば? とよく味見させてもらったな。
この豆の香りはそれと似てる。
ほろ苦いような、甘く優しい香り。
ちらりと商品説明を見てみる。
このコーヒー豆はベネズエラ。ベネズエラ産で軽い酸味とやや独特の苦み、そして適度な香りがあるらしい。
味のことは私がなんやかんや言う必要はないけど、香りだけならこれが一番かな。
値段も手ごろだし、これにしよう。
私はレジでそれを買い、二人と合流した。
「決まったみてぇだな」
「王様、きっと喜ぶよ」
「はい。ありがとうございました」
「これからどうすんの? 家まで送ろうか?」
聞かれて返事を考えている私の視線に、あるものがうつる。
はっと考えが、黙々とわいてきた。
そうだ、これなら……!
「輝流さん、尾上さん! 今日は本当にありがとうございました! 私はまだ買い物があるので、これで失礼します!」
いよいよ、二月十日が訪れようとしていた……。
(つづく・・・)
ちなみに私のコーヒーに入れる砂糖の量は、三つ四つです。
それくらいいれないと飲めないので
お店とかのはさすがに頼めないのが憂鬱で仕方ないです。
それにしても魁皇と輝流は本当に仲がいいですよね。
二人きりで一体、どこで何をしていたのやら・・・
次回、ついに・・・ついにその時が!




