現実はクソゲー?
「退屈だなぁ」
スマホをいじりながら思う。高校を卒業して親の言うままに地元を離れて大学に進学したが何も変わらない。大学の教授は今の内に勉強すれば役に立つとか言うが俺はそうは思わない。なんせやりたい事なんかないからだ。ぶっちゃけ進学より地元で就職したかった。
「お前こんな所で何やってんだ?」
そう言ってきたのは村木だった。
「別にいつも通りだよ」
スマホを置いてそう答える。
「ふ~ん、そっか。まあいいわ。飯まだなら食いに行かね?」
飯ぐらい一人で行けよ、と思ったがまあ食ってないのも事実だしやることないので行くことにした。
「食堂でいいか?」
ぶっちゃけ今は一番人が多い時間なのであまり行きたくはなかったがこいつはシツコイので断りきれる自信がない。
「そこしかないからいいゾ」
まあコンビニいけばいいのだが面倒くさい。
「そういや拓也達は?」
こいつがこんな時間に一人でいるのは珍しいと思った。
「あとから来るってさ」
まあ集まってもやることはないのだが。そして人が多すぎる。早くこの場から離れたい。
「真樹ー!」
タイミングがいいのか悪いのか、拓也達が来た。
「どうかしたか?」
ぶっちゃけ飯を食ったら速攻離れようと思っていたがまだ無理らしい。
「いやー新作のゲーム買えたからやるか?」
「やる」
俺は即答した。俺にとってゲームと読書は唯一生きててよかったと思える娯楽だ。
「だと思ったから持ってきた」
流石だ。会って数年だがこいつが1番俺のことを理解している。
「速攻で終わらせる」
自慢ではないが大体のゲームなら2日もあれば十分だ。やり込み要素がなければな。
「お前本当にゲームの為にいきてるよな」
余計な一言だ。と思ったが先輩に言えるわけないので我慢した
「先輩も人のこと言えませんよ」
ぶっちゃけこの人に勝てる気がしない…色々と。
そういやこの人は就職どうするのだろう。就職活動はどうなんだ?
「そういや先輩は就職決まりましたか?」
「おう。」
自信満々の答えが返ってきた。どうやら前々から興味のあった会社に決まったらしい
「真樹はどうすんだ?ってどうせ知らんとか言うんだろ?」
「まあそうですね。どうせ就職しても同じ日の繰り返しだと思ってるんで。俺からしたらクソゲーですよ」
やりたい事もなく、適当に就職するならリセットみたく人生をやり直したいと思う。
「まあ皆と話している時とかは結構楽しいので就職先でもこんな時間があるならいいなとは思うんですけどね」
出会いがあるなら別れがある。分かってはいるけどまたあの思いをするのはごめんだ。
「人生ってクソゲーか神ゲーのどっちかだよなあ」
そう呟いて席をたった。