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セハームト男爵
三人で会議に向かっていると、恰幅のいい男性に呼び止められた。
「失礼だが、君はレーベルト男爵かね?」
「ええ、そうですが何か?」
「いや、君には息子が迷惑を掛けたみたいだから一言挨拶をと思ってね」
「えーと、失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「いや失敬、私はパルム・セハームト男爵だよろしく願う」
「オットーさんとイオラの父上ですか?」
「そうだ、君には二人の息子が迷惑を掛けたみたいだな、すまなかった」
「いえ、そのお言葉だけで、十分です」
「そう言ってもらえると助かる」
「用件はそれだけでしょうか?」
「ああ、それだけだ、では失礼する」
「はい、失礼します」
そうして、改めて会議場に向かうのであった。