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男爵家の次男
今日は実技練習日だ、どうせ俺はまた素振りだろう。
いつもの様に、競技場の隅っこの方で素振りを始める。
すると一人の男子学生が近寄ってきた。
「おいレーベルト、今日も素振りかよ」俺を見て笑っている。
こいつの名前はイオラ・セハームト嫌味なやつだ、ちなみに男爵家の次男だ。
いつも俺に、貴族のくせにとか、嫌味を言いながら絡んでくる。正直うっとうしい。
「セハームトには関係ないだろ」
「関係?大ありさ、お前がグズなせいで、貴族全員が軽く見られているんだよ」
「そんな訳ないだろ」
ほら、また始まった、正直なんで絡んでくるのか、サッパリ分からない。
こいつは入学時の実技試験以来、ずっとこの調子で絡んでくる。
また、こいつは最近エリスに馴れ馴れしく話しかけては、無碍に扱われている。
本当は俺の婚約者に色目を使うなと言いたいが、おれ自身がエリスに避けられているので、あまり強く出られないと言うのもある。
そうこうしている内に授業も終わったので、教室に戻る事にする。