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素振り
相変わらず俺はクラスの奴らに笑われている。理由は簡単だ、毎日居残りをさせられているからだ。
しかも毎日、基礎の素振りばかり、この天才の俺がだ。
まだ授業では、俺一人が実技を行わせてもらえない。
くそ、今に見ていろこの天才の俺は物覚えが速いんだぞ。
みんな、あまり表立ってバカにしないのは、俺が貴族の跡取りだからだ。
さすがに、平民が多いだけあるな。
しかし少数だが貴族もいる。
「おい、レーベルトまだ素振りなんかしてるのかよ、この貴族の面汚しが」
「ふん、放っておいてくれ、俺は素振りに忙しいんだ」
「バカかお前、素振りなんかで強くなれるわけ無いだろ」
俺は、教官の言う事を疑ってはいない。
「教官が言うんだから、強くなれるんだよ」
「実はあの教官も、大した事がないんじゃないか?」
いいかげんに、鬱陶しいので無視する事にした。