婚約者
セハームトに勝つことが出来た、だがエリスは複雑そうな顔をしている、まさか俺が負けると思っていたのか?
なにか納得がいかないので、直接聞いて見る事にした。
「なあエリス、ひょっとして俺に負けて欲しかったのか?」
「何でそう思うのよ!」いきなり怒ったような口調で言われた。
「いやなんかさ、複雑そうな顔してたから・・・」
「そんな顔してない!」
「じゃあなんで、負けるかも知れない決闘を認めたんだ、俺が負けると思っていたんだろ!」
つい口調が荒くなる。
「そんな訳無いじゃない!」
「じゃあ何でだよ、理由を説明してくれないと分からないよ!」
「何で分からないのよ!」
「言ってくれないと分かるわけ無いじゃないか」
「じゃあ言うけど笑わないでね」
「ああ、笑わない」
「あなたが勝つって信じてただけよ、さっきは声をかけるのが恥ずかしくて困ってただけよ」
「じゃあなんで、四年間も俺の事を無視してたんだ」
「無視なんてしてないわよ、ただ意識したら恥ずかしいから避けていただけよ」
「じゃあ、俺の事を嫌っている訳じゃ無かったのか?」
「嫌ってるならとっくに、婚約破棄してるわよ」
「じゃあ俺の事は好きなのか?」
「当たり前のことを聞かないでよ、恥ずかしいじゃない」
そう言ってエリスは顔を赤くした。