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決闘
中期休みが終わり今日が後期授業の初日だ。
教室に入るとセハームトが凄い形相で迫ってきた。
「レーベルト決闘だ」
「はあ?」
いきなりなんだこいつ?
訳が分からず周りを見回すと、エリスがこちらを微妙そうな顔で見ていた。
「いきなり、訳の分からない事を言うのはやめて貰おう」
「訳の分からない事だと、貴様はクロードさんの婚約者だと言うではないか、彼女をかけて決闘しろ」
「エリスは、物じゃないんだかけれる訳が無いだろう、彼女の意思も聞いてないし」
「彼女は、お前に勝ったら考えると言ってくれたぞ」
なっなんだと、とうとう愛想を尽かされたのか?俺が負けるのが分かってて、オーケイするなんて。
「断る」思わず言ってしまった。
「なんだと、貴様には貴族のプライドは無いのか」
もう俺の思いをぶちまけてやる。
「プライドよりも、エリスの方が大事だからな」
「負けるのが分かっているからって、貴族同士の決闘を受けない気か、この臆病者が!」
エリスがこちらを見て、悲しそうな顔をしている。
そんなに、おれの婚約者が嫌か?
「分かった受けよう」
こうして俺とセハームトの決闘が行われる事となった。