表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神剣星女~ルティア~  作者: 伸一
2/2

第2話

【第2話・水瓶座アクエリアスの少女と不思議な夢】


秩序の大地・セイルーン。

中央大陸の北の果て【水晶の宮殿】と呼ばれし、美しい宮殿。


太古から存在する宮殿、名を【水瓶座アクエリアスの宮殿】

と言う。


極寒の大地、1年の全てを氷と吹雪がおおう宮殿に【9986年】ぶりに一人の少女が降り立った。


名を【佐伯刹那さえきせつな】運命の少女である。



あれからどのくらいの時が経ったのだろうか?。

この美しい宮殿、水瓶座アクエリアスの宮殿に、突然私が現れてから・・・・不思議ともう数ヶ月は経っていても、何故か空腹や渇き、そして排泄は一度も行うきざしがない。


人としての機能が働いていないのか?。


それとも最早もはや人ではなくなっているのか?。


私にはわからない。ただ、不思議と恐怖や不安はない。


まるで故郷にある安らぎさえ感じる。


ただの高校生だった私が・・・・・



今では遠い記憶。

数ヶ月前まで私はこことは違う世界で、ありふれた時を過ごしていた。


優しい両親、生意気だか姉思いの弟。

気さくで明るい親友。

学校では目立たないが、普通に級友達と、たわいのない会話に笑い、ふざけ、じゃれあい、ごく普通の女の子だったと自分でも思う。


幸せで平穏で退屈な毎日。


それが贅沢だと感じたことのない普通の女の子。

それが私【佐伯刹那】だった・・・・・。


いつの頃だったのか?、私はたまに夢を見るようになる。

そこは小説で読むようなファンタジーな世界。


明らかな人ではない生き物、エルフや獣人、そして龍などが普通に人と共存している世界。


そんな世界を空から俯瞰ふかんで見る夢。


夢の世界では私に肉体は感じられなかった。

幽霊のようにさ迷うだけ、ただファンタジーの世界の歴史をたどるだけ。

中には眼を背けたくなるグロテスクなシーンも有った。

だが、ほぼ毎日同じ夢をみるため、いつしか慣れて行った。


不思議な夢、夢の終わりはいつも同じ。

私にそっくりな女性が、水晶の様に透き通り、虹色に輝く剣?を振るい、11人の仲間達?と、共に怪物と戦っていた。


怪物はとても強く、仲間達は次々と倒れていく、まるで自分の役目を果たす様に、怪物の一部を切り取り、どこかに投げ去りて。


そして、最後に私にそっくりな女性が、ただ一人残り最後の一撃を怪物に与える。


持っていた、虹色に輝く水晶の剣を怪物の中心に刺したまま。


やがて怪物は男性の姿に戻る。


憂い、悲しみ、怒り、複雑な感情のこもった顔で、私にそっくりな女性と何かを会話する。

言葉がわからない、日本語ではない、私の世界にはない言葉で。


だが、悲しみの感情を女性が持っていた事はわかる。

何故なら、夢が覚めた私は無意識に泣いていたから。


そんな夢を見ながら、私の日常は変わり無くつむいでいった。

平穏に、だが確実に、運命の時に向かって。


運命のあの日、夢の最後が一部変わった日、私は事故に遭う。


夢の最後、悲しそうな顔をしながら男性を見送る女性。

いつもはここで夢は覚める。

だが、あの日初めて私にそっくりな女性が、私に向かい話かけてきた。日本語で。


『未来の私、記憶は確かに貴女あなたに継いだ。やがて転輪の時を迎える。私は貴女、貴女は私、貴女はセイルーンを守護しなければならない。何故なら【神剣星女ルティア】なのだから。』


継いだ言葉が忘れられないまま、私は悩み通学し、そして電車事故に遭う。


何が自信の身に起きたのか?わからなかった。

ただ、いきなり強く衝撃を受け、一瞬夢の時と同じ感覚を得た記憶だけを残し、私は死んだ。


気がつくと無数の光が流れる世界にいた。

体は動かない。

流れる光に任せてただ流れるだけ。


目の前に私がいた。

直感で夢の私だとわかる。

少しづつ、確実に迫る夢の私。

やがて私と夢の私が重なりあう。

不安や恐怖はなかった。


次に気がつくと、私は【水瓶座アクエリアスの宮殿】の中の【水瓶座アクエリアスの神剣】の前にいた。


今思うと、この時すでに私は今の私になっていたのだと思う。

何故なら・・・・









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ