当たり前になりつつあること
ツッコミは無しの方向でお願い致します
君に恋をしたのは中一の四月のことでした。そして君に声をかけたのが、一ヶ月前中二の四月のことです。 『またね』が当たり前になりつつあります。
「こんにちは毛野さん。」
「あっ国見くん。こんにちは、待っていたよ。その本どうだった。」
「うん。毛野さんが言っていた通りで、青春で爽やかだな。っと思ったら、ホラーだったり、思春期や新学期の複雑な気持ちや友情とか、よくこのページ数で話を作りこんでまとめられるよなーって思っちゃうくらい。すごく驚いたし、すごく面白かったよ。」
「でしょでしょ、六番目の夜子良いでしょう。」
自分の事のように誇らしげな表情でそう言う君が好きです。
「うん。でもこれ、キーパーソン多くない?」
「私もそう思う。」
図書館に僕らの笑い声が響いた。幸福感を感じた。
「おっと、静かにしないとね。」
「ふふふっそうだね。今まで同じ本を読んで話すことってなかったからなんがだか、楽しい。というよりは嬉しいかな。」
それはこっちのセリフです。まさか君とこんなに仲良くなってたくさん会話して、いろんな表情の君を見ることができるなんて思っても見なかったから。
「読書友達とかいないの?」
「いるよ。」
「へー、だれ?」
「国見くん。」
そう言って笑う君は、本当に綺麗で可愛いと思います。そして君に、友達と呼ばれるくらい仲良くなれて嬉しく思います。 「オレ?うれしいなぁ。でもオレ本のこととか良く分からなし、毛野さんもらってばっかりだけど?」ゴデ
「でも、最後まで物語を読んで感想を聞かせてくれるでしょ?」
「そりゃ、紹介してもらったんだから最後まで読むよ。」
「ふふふ。私はね。私にとってはね。それがすごく嬉しくて、特別なことなの。」
「へぇ~」
俺にとってもこの時間は特別です。そして幸せです。
「なに?なんなの?なにか文句でも?」
「いえいえ、何も。」
「もうっ....。あっそうだ国見くんもう少し長い話の本読んでみない?」
「うーん。まだ読むのそんなに早くないから遠慮しておく。てか毛野さん俺に十二国王読ます気でしょ。流石に無理だよ。1冊500~600くらいあったよね?」
「バレちゃったか。残念っ」
「バレバレだよ」
「ふふふ。ごめんね。」
「いや、こっちこそ。もっと早く読めるようになったら。読むよ」
「うんっ、きっとねっ」
早く、なるべく早く君の見ている世界が見えるように頑張ります。だから、だから待っていてください。
「えっと、今日はこの本にしてみようかと思うんだけど。」
「山崎さんかーなかなかスプラッタと言うか、グロイというか過激な描写をする人だねー、男子に人気のある小説家さんだし。いいんじゃないかな。手頃で読みやすいと思うよ。」
「これグロイの?俺そういうのだめなんだけど」
「えっそうなの?Yゲームは結構来るよ」
「じゃあ、やめとこうかな。この小説家で、グロくないやつはない?」
「クロノンシリーズなんでどうかな?」
「面白い?」
「口ではなかなか説明しづらいんだけど、面白いよ。」
「じゃあそれにするよ。」
「はーい。了解です。少し待ってね」
「うん」
「はいっどうぞ。」
「ありがとう。」
「読み終わったら感想聞かせてね。」
「もちろん、またね。毛野さん。」
「またね国見くん。」
次があると思える『またね』と言うコトバがすきです。そして、その言葉をいうことが当たり前だと思えるくらい当たり前にしてくれた君が好きです。
どうか『また』君がいますように。
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