60.足跡の正体
短めです。そーりー
翌朝。
緑風の丘は、昨日よりも風が強かった。
草が波のように揺れ、
テントの布がぱたぱたと鳴っている。
「……んー……風、強い……」
ミナが髪を押さえながら出てきた。
「ミナさん、寝癖ついてるよ」
エマが笑いながら指摘する。
「えっ……あ、ほんとだ……」
「かわいい」
「エマ……!」
ジンは風に吹かれながら腕を組んでいた。
「今日の風、なんかやる気満々じゃねぇか……」
「ジンくん、風にやる気はないよ」
「いや、あるだろ! ほら、俺の髪が逆立ってる!」
「それは寝癖」
「なんでだよ!」
カイルは剣を磨きながら、
風の流れをじっと見ていた。
「ユート。今日の風……変だ」
「変?」
「強いだけじゃない。向きが安定しない」
リオも木刀を肩に担ぎながら言う。
「昨日の足跡……気になる。
あれ、まだ続いてる気がする」
ミナが不安そうに俺の袖をつまんだ。
「ユート……今日、調べに行くんだよね?」
「ああ。みんなで行く」
十二人は準備を整え、
風の強い方向――丘の奥へ向かった。
◆
丘を進むにつれ、風はさらに強くなった。
草が渦のように揺れ、
地面が少しずつ下り坂になっていく。
「ここ……なんか、へこんでる?」
セリナが周囲を見回す。
「凹地だな。風が集まりやすい地形だ」
カイルが言う。
「足跡……ここで一度、散ってる」
レオンが地面を指差した。
確かに、昨日まで続いていた巨大な足跡が、
風に削られたように薄くなっていた。
「……でも、完全には消えてない」
リオがしゃがみ込み、草をかき分ける。
そこには――
昨日よりも“深い”足跡があった。
「これ……昨日のより大きい……」
ミナが息を呑む。
「昨日のホーンバイソンとは違うな」
俺は剣の柄に手をかけた。
「ユート……なんか、嫌な感じがする」
ミナが小さく言う。
「俺もだ。風の流れが……乱れてる」
風の凹地は、
まるで何かが通った後のように空気がざわついていた。
「ピコ、気をつけてね」
「ピィ!」
テオがピコを肩に乗せた瞬間――
草むらがガサッと揺れた。
「来る!」
リオが木刀を構える。
飛び出してきたのは――
小型の風ウサギ《ウィンドラビット》数体。
「なんだ、こいつら……風に流されてきた?」
ジンが拳を構える。
「いや……逃げてる」
カイルが低く言った。
ウサギたちは俺たちを無視して、
凹地の奥へ逃げていく。
「……奥に、何かいる」
ミナが震える声で言った。
俺も感じていた。
風の流れが、何か巨大なものに押されている。
◆
凹地の奥へ進むと、
草が倒れ、地面がえぐれたような跡が続いていた。
「これ……歩いた跡じゃない」
エマが言う。
「踏みしめた跡だ。重い……相当重い」
カイルが剣を握りしめる。
「ユート……これ、Bランクの……」
ミナが言いかけた瞬間――
風が、止まった。
いや、正確には、
“風が押し返された” ように感じた。
「……来る」
リオが木刀を構える。
草が揺れ、
地面が低く震えた。
ドン……
ドン……
ドン……
足音が、近づいてくる。
草が大きく割れた。
そして――
“それ”は姿を現した。
身長三メートル半。
灰色の硬い皮膚。
全身に風をまとい、
拳を握るたびに空気が歪む。
◆【名前】ウィンドオーガ・ロード
◆【危険度】Bランク
◆【特徴】風耐性/怪力/硬皮膚/衝撃波の拳/短距離加速
◆【スキル】ウィンドブロー/ゲイルステップ/風纏い/乱風咆哮
◆【弱点】急旋回不可/氷・雷が有効
「……っ」
ミナが息を呑む。
ジンが拳を握りしめる。
「なんだよ……あれ……でけぇ……!」
カイルが剣を構え、
リオが木刀を下段に構える。
俺は一歩前に出て、
全員に声を張った。
「全員――構えろ! あれは……Bランクだ!!」
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誤字報告や文法がおかしいなども是非!!!
Cランク以上のモンスターはスキルを持ってます。
あと、本当に最初のころの設定とか忘れすぎてて、つじつまが合わないととことか結構あると思うので、ほんとうに教えていただきたいです。
小説書いてる方はどうやって忘れないようにしてるのか教えていただきたいです。




