52.初依頼
短めです。
朝の光が差し込むギルド管理局
ユートたちは掲示板の前に集まっていた
ミナが目を輝かせる
「わぁ……依頼がいっぱいある……!」
ジンが腕を組んで唸る
「どれも地味だな……魔物討伐とかないのか?」
セリナが冷静に言う
「Eランクよ。最初は地味で当然」
カイルが笑う
「でも、これが“仕事”ってやつだよな」
ユートは掲示板を見ながら呟く
「……納品依頼、探索依頼、護衛依頼……
この三つ、全部含んでる依頼があるな」
ノアが目を細める
「複合依頼か。Eランクにしては珍しい」
エリオットが不安そうに言う
「ぼ、僕たち……できるかな……?」
ルナが優しく微笑む
「できるよ。みんなでやれば」
ユートは依頼書を手に取った
「よし、これにしよう。
《薬草探索と納品、依頼人の護衛》」
◇
依頼人は、若い薬師の女性だった
名はリーネ。
小柄で、眼鏡をかけた穏やかな雰囲気の人物
リーネは少し緊張しながら言った
「えっと……薬草を採りに行きたいんですけど、魔物が出るかもしれなくて……」
ユートが頷く
「俺たちが護衛します。薬草の場所は?」
リーネ「森の外縁部です。そんなに奥じゃないです」
エマが目を輝かせる
「薬草! どんな種類ですか!?」
リーネ「えっと……《青葉草》《月影の苔》《微光の芽》です」
エマ「最高……!」
レオンがすぐに止める
「暴走するなよ」
リーネは笑いながら言った
「みなさん、仲が良いんですね」
ミナが嬉しそうに答える
「うん! ギルドだから!」
◇
ギルドハウスに戻り、全員が机を囲む
ユートが依頼書を広げる
「目的は三つ。薬草の探索、採取、そして依頼人の護衛。
場所は森の外縁部。魔物の出現率は低いが、油断は禁物だ」
ノアが地図を見ながら言う
「この辺りは《跳ね狐》が出る可能性がある。素早くて、毒を持ってる」
セリナ「毒……厄介ね」
エマ「解毒薬、作っておく!」
ルナ「幻術で気配を消すこともできる。奇襲は避けられるかも」
ジン「俺は前衛だな! 任せとけ!」
カイル「俺はサポートに回るよ。罠とか、見張りとか」
エリオット「ぼ、僕は……魔導感知で薬草を探す……!」
テオ「ピコも偵察できるよ!」
ピコ「ピィ!」
ユートは頷いた
「よし、じゃあ明日出発だ。準備は今日中に済ませよう」
◇
翌日、朝の光の中
ユートたちは森の外縁部に到着した
リーネが地図を見ながら言う
「この辺りに《青葉草》があるはずです」
ミナが周囲を見渡す
「静かだね……」
ノア「魔物の気配はない。今のところは」
ルナが幻術を展開する
「《気配遮断》……これで少しは安全」
エマが地面を見て叫ぶ
「見つけた! 《微光の芽》!」
リーネ「すごい……早いですね!」
ジン「任せとけって!」
◇
突然、ピコが警戒音を鳴らした
「ピィ!」
ノアがすぐに叫ぶ
「来る! 《跳ね狐》だ!」
茂みから、素早く跳ねる小型の魔物が飛び出す
鋭い爪と、毒を含んだ牙を持つ
ユート「前衛、構えろ!」
ジン「おう!」
ジンが前に出て、跳ね狐を受け止める
カイルが罠を展開し、動きを封じる
ルナが幻術で視界を遮り、エリオットが魔導感知で位置を把握する
ミナが魔法を構える
「《ライトショット》!」
跳ね狐が怯み、ジンが一撃を加える
魔物は倒れ、静寂が戻る
リーネが震えながら言う
「す、すごい……本当に、連携してるんですね……」
ユートは微笑む
「これが俺たちのやり方です」
◇
薬草はすべて採取完了
リーネは感謝の言葉を何度も繰り返す
「本当にありがとうございました……
これで薬が作れます……助かりました」
エマが嬉しそうに言う
「どんな薬になるんですか?」
リーネ「村の子供たちの熱を下げる薬です」
ミナ「……よかった」
ユート「また何かあれば、いつでも依頼してください」
リーネは深く頭を下げた
◇
夕方、ギルドハウスに戻った一同は机を囲む
ユートが言う
「初めての依頼、無事完了だ。みんな、よくやった」
ジン「楽勝だったな!」
セリナ「油断しないことね」
ノア「連携は悪くなかった。課題は……魔力の消費管理」
エリオット「ぼ、僕……もう少し感知精度上げたい……」
ルナ「幻術の持続時間も、調整するね」
ミナが笑顔で言う
「でも……楽しかった。
“仕事”って感じがした」
ユートは頷いた
「これが冒険者の仕事だ。
依頼人がいて、目的があって、責任がある。
でも――仲間がいれば、乗り越えられる」
――《黎明の翼》はたしかに一歩前に進んだのだった
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