42.三回戦目
みじかーーめ
ちょっと最後を変えました
二回戦が終わり、控室には緊張が漂っていた。
ハルドが腕を組み、全員に告げる。
「三回戦からは“本物の強者”ばかりだ。ここを突破できるかどうかで、優勝候補が決まるぞ」
三回戦の組み合わせが発表される。
◆
『三回戦第一試合―― Sランククラス、ユート・アルティナール! 対するは、Aクラス代表、ジーク・バルハルト!』
観客席がざわつく。
「ジークって“鉄壁の盾”の異名のやつだろ?」
「ユートの二刀が通るのか……?」
ジークは巨大な盾と片手剣を構え、 重戦士のような威圧感を放っていた。
「ユート・アルティナール。 お前の速さは聞いている。 だが、俺の盾は誰にも破れん」
ユートは二刀を構え、静かに言う。
「なら……試してみろ」
『――試合開始!』
ユートが一気に距離を詰める。
「《瞬歩》!」
しかしジークは微動だにせず、 巨大な盾を前に構えた。
「《鉄壁》!」
ユートの斬撃が盾に当たるが―― 金属音が響くだけで傷一つつかない。
(硬い……!)
ジークが反撃に出る。
「《シールドバッシュ》!」
ユートは後方へ飛び退く。
(正面からは無理……なら)
ユートは昨日のガチャで得たスキルを発動する。
「《心眼》」
ジークの動きが“遅く見える”。
(……ここだ!)
ユートは地面を蹴り、盾の下の“わずかな隙間”へ滑り込む。
「なっ……!?」
二刀が交差し、 ジークの足元を切り払う。
「ぐっ……!」
体勢を崩したジークの喉元に、 ユートの刃が止まった。
「……勝負あり」
『勝者、ユート・アルティナール!』
観客席が爆発したように沸いた。
◆
ミナが駆け寄る。
「ユート……すごかったよ……!」
ユートは息を整えながら微笑む。
「ありがとう。でも、まだ終わりじゃない。ここからが本当の勝負だ」
◆
『次の試合―― Aクラス代表、アレン・グレイヴ! 対するは、Cクラス代表、ベルド・ランス!』
ベルドは雷魔法の使い手。
観客席がざわつく。
「アレンの三回戦だ……!」
「ベルドの雷魔法は強烈だぞ……!」
アレンは静かに剣を抜く。
『――試合開始!』
ベルドが雷撃を放つ。
「《ライトニングショット》!」
しかしアレンは微動だにせず、 剣を軽く振った。
「《斬空》」
空気が裂け、 雷撃が一瞬で消し飛ぶ。
「なっ……!?」
アレンはそのまま踏み込み、 ベルドの懐に入り込む。
「速い……!」
ベルドが防御する間もなく、 アレンの剣が喉元に止まった。
「……終わりだ」
『勝者、アレン・グレイヴ!』
観客席が震えるほどの歓声に包まれた。
ミナは不安そうにアレンの方を見る。
「アレンさん……本当に強いね……」
ユートは二刀の柄に触れ、 静かに目を閉じた。
「……ああ。あいつは本物だ。でも――逃げる気はない。俺は俺の全てをぶつけるだけだ」
ミナは小さく頷いた。
◆
『続いての試合―― Sランククラス、ミナ・リュミエール! 対するは、Bクラス代表、カレン・ミスト!』
カレンは水魔法の使い手。 ミナとは相性が悪い。
観客席がざわつく。
「水魔法って……炎精霊が不利じゃない?」
「ミナ、大丈夫か……?」
ミナは杖を握りしめ、深呼吸する。
(大丈夫……今まで通りの魔法で戦うだけ)
『――試合開始!』
カレンが水の鞭を放つ。
「《アクアウィップ》!」
ミナは光精霊を呼び出す。
「《光精霊・シルフィア》!」
光の壁が展開され、水の鞭を弾く。
「えっ……光で水を……?」
ミナは続けて炎精霊を呼ぶ。
「《炎精霊・イグニス》!」
炎の弾が放たれ、 カレンの足元を撃ち抜く。
「きゃっ……!」
カレンが転倒したところで、 審判が手を上げる。
『勝者、ミナ・リュミエール!』
「精霊魔法自体も強いけど、普通にミナもうまい!」
「精度すごすぎだろ.......!」
観客席が大歓声に包まれた。
◆
『次の試合―― Sランククラス、カイル・ドラン! 対するは、Sランククラス、リオ・フェルナン!』
観客席がざわつく。
「Sランク同士……!」
「どっちが勝ってもおかしくない……!」
カイルが苦笑する。
「うわぁ……マジかよ……リオか……」
リオは静かに頷いた。
「仕方ない。でも……手加減はしないよ」
「もちろん!」
『――試合開始!』
カイルが高速で動き回る。
「捕まえられるかよ!」
しかしリオは冷静だった。
「……読めてる」
古流剣術の“読み”が冴え渡り、 カイルの動きを完全に把握。
木刀が一閃。 カイルの足元を軽く払う。
「うわっ……!」
カイルが転倒した瞬間、 リオの木刀が喉元に止まった。
『勝者、リオ・フェルナン!』
カイルは悔しそうに笑った。
「くっそ……やっぱ強いな、リオ……!」
リオは手を差し伸べる。
「君のスピードは本当にすごいよ。 次は団体戦で一緒に勝とう」
カイルは笑顔でその手を掴んだ。
◆
ベスト8は以下の通り。
ユート(S)
ミナ(S)
リオ(S)
セリナ(S)
アレン・グレイヴ(A)
レナード・ヴァイス(A)
ミリア・クロフォード(A)
ダグラス・バーン(B)
観客席がざわつく。
「Sランク4人残ってる……!」
「アレンも順当に勝ち上がってる……!」
「ユート vs アレン、絶対見たい……!」
大会は、いよいよ準々決勝へ向かう。
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