41.二回戦目
ちょい短めです。
あと、幻惑魔法と幻術はちがいます。幻惑魔法の上位互換が幻術っていう感じです。幻術は光くらいじゃ消えません。
初戦が終わり、控室には緊張と興奮が入り混じった空気が漂っていた。
ハルドが腕を組み、全員に声をかける。
「よし、ここからが本番だ。二回戦は相手のレベルが一気に上がるぞ。気を抜くなよ」
ユート、ミナ、リオ、カイル、セリナ―― Sランククラスの五人は全員初戦を突破している。
◆
『次の試合―― Sランククラス、ユート・アルティナール! 対するは、Aクラス代表、レイ・ハウンド!』
観客席がざわつく。
「Aクラスのレイって、剣術特化のやつだろ?」
「ユートと同じタイプじゃん……!」
「これは激戦になるぞ!」
レイは細身の剣士で、鋭い目をしていた。
「ユート・アルティナール……お前と戦えるのを楽しみにしていた」
ユートは二刀を構え、静かに頷く。
「俺もだ。全力で来い」
『――試合開始!』
レイが一瞬で距離を詰める。
「《剣速強化》!」
その速度は初戦の相手とは比べ物にならない。
ユートは二刀で受け止めるが―― 火花が散る。
(速い……!でも――)
ユートは昨日のガチャで得たスキルを発動する。
「《剣心》」
集中力が研ぎ澄まされ、 レイの動きが“見える”。
「なっ……!?」
ユートは一気に踏み込み、 二刀を交差させてレイの剣を弾き飛ばす。
「これで――終わりだ!」
二刀の切っ先がレイの喉元に止まる。
レイは悔しそうに笑った。
「……参った。やっぱり、お前は強いな」
『勝者、ユート・アルティナール!』
観客席が爆発したように沸く。
◆
『続いての試合―― Sランククラス、ミナ・リュミエール! 対するは、Cクラス代表、マリナ・スレイド!』
マリナは幻惑魔法を得意とする少女。 観客席がざわつく。
「ミナは精霊使いだけど……幻惑相手は相性悪いんじゃ?」
「どう戦うんだろ……」
ミナは杖を握りしめ、深呼吸する。
(大丈夫……今まで通りの魔法で戦うだけ)
『――試合開始!』
マリナが幻影を展開する。
「《ミラージュ・フィールド》!」
ミナの周囲に複数のマリナが現れる。
「「「「「どれが本物でしょう~?」」」」」
ミナは焦らず、 光精霊を呼び出す。
「《光精霊・シルフィア》……照らして!」
光精霊が輝きを放つと、 幻影が一瞬で消えた。
「えっ!? うそっ!?」
ミナは続けて炎精霊を呼ぶ。
「《炎精霊・イグニス》!」
炎の弾が放たれ、 マリナの足元を撃ち抜く。
「きゃっ……!」
マリナが尻もちをついたところで、 審判が手を上げる。
『勝者、ミナ・リュミエール!』
観客席が大歓声に包まれた。
「精霊魔法、強すぎる……!」
「幻惑を一瞬で破ったぞ!」
「Sランクの実力だ!」
ミナは胸を押さえながら、 ほっと息を吐いた。
◆
『次の試合―― Aクラス代表、アレン・グレイヴ! 対するは、Bクラス代表、ダリオ・クレスト!』
観客席がざわつく。
「アレンの二回戦だ……!」
「相手のダリオも強いはずなんだけど……」
アレンは静かに剣を抜く。
ダリオは土魔法の使い手で、 防御力が高い。
『――試合開始!』
ダリオが土壁を展開する。
「《アースウォール》!」
しかしアレンは一歩も止まらない。
「《斬空》」
空気が裂け、 土壁が一瞬で粉砕される。
「なっ……!?」
アレンはそのまま踏み込み、 剣をダリオの胸元に止めた。
「……終わりだ」
『勝者、アレン・グレイヴ!』
観客席が震えるほどの歓声に包まれた。
「強すぎる……!」
「ユートと同じレベルじゃないか!?」
「決勝で当たるかもしれない……!」
ユートは控室でその試合を見ていた。
(……やっぱり、あいつは強い)
ミナが不安そうに呟く。
「ユート……アレンさん、すごいね……」
「わかってる。でも――」
ユートは二刀を握りしめた。
「勝つよ。絶対に」
◆
『続いての試合、Sランククラス、リオ・フェルナン!』
相手はAクラスの体術使い。 素早い拳が何度もリオに迫る。
しかしリオは一歩も動じない。
「……見える」
古流剣術の“読み”が冴え渡り、 相手の癖を完全に把握。
木刀が一閃。 相手の体勢を崩し、喉元にピタリと止めた。
『勝者、リオ・フェルナン!』
観客席からは 「無駄がなさすぎる……!」 と驚きの声が上がった。
◆
『次の試合、Sランククラス、カイル・ドラン!』
開始の合図と同時に―― カイルの姿が消えた。
「えっ!? どこ!?」
相手が周囲を見回す間に、 背後から軽く肩を叩く。
「ここだよ!」
そのまま一瞬で懐に入り、 木剣を相手の胸元に当てる。
『勝者、カイル・ドラン!』
観客席は大爆笑と歓声。
「速すぎて見えないんだけど!?」
「カイルくん楽しそうだな……!」
◆
『続いて、Sランククラス、セリナ・クロード!』
相手は炎魔法の使い手。 炎の弾が次々と飛ぶ。
セリナは静かに杖を構えた。
「《氷結陣》」
足元から広がる冷気が、 相手の動きを一瞬で凍りつかせる。
「う、動け……ない……!」
セリナは氷の槍を軽く放ち、 相手の足元に突き刺す。
『勝者、セリナ・クロード!』
観客席は 「氷の制御が完璧すぎる……!」 とざわついた。
アナウンスが響く。
『これにて二回戦終了! 』
観客席がどよめく。
「Sランク全員勝ち上がった……!」
「今年のSランク、強すぎる!」
「ユートとアレンの対決が見たい……!」
ユートたちは控室で軽く拳を合わせた。
「よし……次も勝とう」
「うん……!」
大会は、いよいよ三回戦へ突入する。
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