37.新入生闘技大会一週間前
最近、訂正などが多くて申し訳ございません。
新入生闘技大会まで残り七日。学園全体がそわつき始める中、Sランククラスの教室には、いつも以上の緊張感が漂っていた。
担任のハルドが教壇に立ち、手を叩く。
「よーし、お前ら。今日は“大会の重要な説明”から始めるぞ」
生徒たちが静まり返る。
「まず前提として―― 新入生闘技大会は、各クラスから5人だけ出場できる。Sランククラスも例外じゃない」
教室がざわつく。
「5人……?」
「少なすぎる……」
「全員強いのに……」
ハルドは続ける。
「個人戦も団体戦も、出られるのは5人だけだ。だから今日は“模擬戦”で相性や実力を見て、誰を選抜するか決める」
ユートは剣の柄に手を添え、ミナは白銀杖を握りしめた。
「……絶対出たい」
「うん……頑張ろう」
◇
◆ 第一試合:ユート vs カイル
「よっしゃあ! ユート、来い!」
カイルが元気よく前に出る。
ユートは二刀を構えた。
「手加減はしないぞ、カイル」
「望むところだ!」
試合開始。
カイルは高速で踏み込み、 ユートの死角を狙う。
「速い……!」
ユートは二刀で受け止め、 逆に踏み込んで反撃。
カイルはギリギリで避ける。
「くっそ、やっぱ強ぇな!」
最後はユートが軽く剣を当てて勝利。
カイルは悔しそうに笑った。
「でも次は勝つからなー!」
「楽しみにしてるよ」
◆ 第二試合:ミナ vs セリナ
「ミナさん、お願いします」
セリナが丁寧に頭を下げる。
「うん、よろしくね!」
試合開始。
ミナは炎と光の精霊を呼び出し、 セリナは氷の魔力を纏う。
炎と氷がぶつかり、 訓練場に蒸気が立ち込める。
「《氷槍連陣》!」
「《炎光壁》!」
魔法がぶつかり合い、光と氷片が散る。
最後はミナの光魔法がセリナの氷を押し切り、ミナの勝利。
セリナは微笑んだ。
「ミナさん、強いね」
「セリナさんもすごかったよ!」
◆ 第三試合:リオ vs ジン
静かな剣士リオと、体術の天才ジン。
「行くぞ、リオ!」
「……お願いします」
試合開始。
ジンは地面を蹴り、 拳を振り下ろす。
「速い……!」
リオは木刀で受け止め、 古流剣術の型で反撃。
「《古流剣術・三ノ型》」
ジンの腕を軽く弾き、 体勢を崩したところに木刀を当てる。
「うおっ……負けた!」
リオは静かに頭を下げた。
「あなたの力はすごい。でも、型は“崩し”に強いんだ」
ジンは悔しそうに笑った。
◆ 第四試合:エリオット vs ノア
魔導書の天才エリオットと、 無色の刃を操るノア。
「……よろしく」
「……うん」
試合開始。
エリオットは魔導書を開く。
「《古代魔導・雷撃式》!」
雷がノアに向かう。
ノアは静かに手をかざす。
「《無色の刃》」
透明な刃が雷を切り裂き、 空気が震える。
「……すごい」
エリオットが呟く。
ノアも小さく頷く。
「君の魔導書……強いね」
互いに攻撃を打ち消し合い、 試合は引き分けとなった。
◆ 第五試合:テオ vs エマ
召喚獣ピコを連れたテオと、 錬金術師エマ。
「ピコ、行くよ!」
「負けないからね!」
試合開始。
エマは薬瓶を投げる。
「《フラッシュボム》!」
白い光が広がる。
しかしピコは光をものともせず突撃。
「ピィッ!!」
エマの足元に軽くタッチし、 勝敗が決まった。
「うぅ……また負けた……」
「エマちゃんの爆弾、すごかったよ!」
テオが励ます。
◆ 第六試合:レオン vs ルナ
必中の弓を持つレオンと、 幻術使いのルナ。
「……お願いします」
「……うん」
試合開始。
ルナが静かに呟く。
「《幻月の囁き》」
レオンの視界が揺れ、 月光の幻が広がる。
「くっ……!」
しかしレオンは目を閉じ、 気配だけで矢を放つ。
「《必中の矢》!」
矢は幻を貫き、 ルナの足元に突き刺さった。
「……すごい」
ルナが呟く。
レオンは照れながら頭を下げた。
◆
ハルドが全員を見渡す。
「よし、全員いい動きだ。これで相性も見えたな」
ハルドは名簿を見ながら言った。
「まずは 個人戦の出場者 を発表する。個人戦は“1対1のトーナメント”だ。選ばれた5人が出場する」
教室が静まり返る。
「個人戦に出るのは――」
ハルドは一人ずつ名前を読み上げた。
「ユート・アルティナール」
「ミナ・リュミエール」
「リオ・フェルナン」
「カイル・ドラン」
「セリナ・クロード」
ミナが息を呑む。
「この五人は、模擬戦での安定性・対応力・相性 、すべてが高かった」
ユートは仲間たちと目を合わせ、静かに頷いた。
ハルドは続ける。
「そして団体戦も、この五人で行く。攻撃・支援・速度・技術・魔法。最もバランスが良い組み合わせだ」
カイルが拳を握る。
「よっしゃあああ!!」
リオは静かに剣を構える。
「……やるよ」
セリナは深呼吸。
「緊張するけど……頑張る」
ミナは杖を握りしめる。
「みんなで勝とう……!」
ジンは拳を握りしめる。
「くそっ……!次は絶対出る……!」
エリオットは眼鏡を押し上げる。
「もっと研究しないと……」
ノアは静かに呟く。
「……強くならないと」
ルナは淡々としながらも、その瞳には悔しさが宿っていた。
テオはピコを抱きしめる。
「ピコと戦いたかったな……」
エマは肩を落とす。
「うぅ……もっと練習しなきゃ……」
レオンは弓を握りしめた。
「……悔しい。でも、応援するよ」
ハルドは全員を見渡し、 わざと厳しい声で言った。
「いいか、Sランククラスだからって油断するな。AクラスもBクラスも、Sランクに上がるために必死だ。お前らがのんびりしてたら、すぐに追い抜かれるぞ」
ジンが顔を上げる。
「……先生、Aクラスもそんなに強いのか?」
「ああ。Aクラスは“次のSランク候補”の集まりだ。実力はお前たちと紙一重だ。むしろ悔しさをバネにして伸びる分、勢いはAクラスの方が上かもしれん」
教室がざわつく。
「Sランクだからって安心するな。Sランクは“守るもの”じゃない。常に勝ち取り続けるものだ。」
その言葉に、 選ばれた5人も、選ばれなかったメンバーも、 自然と背筋が伸びた。
◆
夕日が差し込む訓練場で、 ユートたちは汗を流しながら剣を振り、魔法を放ち、 それぞれの力を磨いていく。
「絶対勝とう」
「うん、みんなで」
こうして―― 新入生闘技大会へ向けた一週間が本格的に始まった。
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