26."黎明の双星"の一年間の活躍
みじーか
"黎明の双星"の一年間の活躍記録
◇
春の朝、王都近郊の街道は薄い靄に包まれていた。草原には露が光り、馬車の車輪が軋む音が遠くから響いてくる。しかしその美しい情景の裏で、商人たちは恐怖に怯えていた。近頃、この街道を荒らす盗賊団が頻繁に現れ、荷物を奪い、護衛を負傷させる事件が続いていたのだ。
ギルドは依頼を掲示し、若き冒険者コンビ《黎明の双星》に討伐を任せた。ユートとミナは夜明け前に街道へ潜み、商隊を装って罠を張った。馬車の荷台には空の木箱が積まれ、護衛の兵士は少数。まるで格好の獲物のように見せかけた。
やがて十数人の盗賊が現れた。彼らは剣や棍棒を構え、嘲笑しながら商隊を取り囲む。頭目は大声で叫んだ。
「荷物を置いていけ!命が惜しければ抵抗するな!」
その瞬間、ユートが飛び出した。暁光剣と黎明の剣を交差させ、敵の剣を受け流す。鋭い二刀の動きに盗賊たちは驚き、次々と武器を弾かれた。剣戟の音が響き渡り、火花が散る。ユートの剣筋は流れるようで、まるで舞うように敵を翻弄する。
ミナは後方で精霊を呼び出す。光の精霊が眩い閃光を放ち、盗賊たちの視界を焼くように奪う。混乱する敵の中でユートは冷静に斬撃を繰り出し、頭目を打ち倒した。残りの者たちは恐れをなして逃げ去る。
商人たちは涙ぐみながら二人に感謝を述べた。
「これで安心して街道を通れる……ありがとう!」
春風が吹き抜け、花びらが舞う中、《黎明の双星》の名は王都の商人たちの間で広まり始めた。
◇
夏の盛り、王都近郊の森に巨大な狼型の魔物が出現した。体長は人の二倍、牙は鋼のように硬く、村人を襲う危険があった。ギルドはEランク以上の冒険者に討伐を依頼し、ユートとミナが選ばれた。
森の奥で魔物と遭遇した瞬間、地面が揺れるほどの咆哮が響いた。木々が震え、鳥たちが一斉に飛び立つ。ユートは二刀を構え、正面から突進してくる魔物を受け止める。だが力は圧倒的で、押し返されそうになる。
「ユート、今!」
ミナが叫び、炎の精霊を呼び出す。炎が狼の足元を絡め取り、動きを鈍らせる。さらに光の精霊が狼の目を照らし、視界を奪った。
その一瞬の隙を突き、ユートは二刀を交差させて斬り込む。鋭い斬撃が狼の肩口を裂き、巨体が地面に崩れ落ちた。森に静寂が戻り、鳥の声が再び響く。
村人たちは二人を英雄のように迎え、王都でも「狼を討伐した若き冒険者コンビ」として噂が広まった。
◇
秋、王都の貴族から馬車の護衛依頼が舞い込んだ。地方の領地へ向かう途中、魔物の襲撃が予想されるという。ユートとミナは護衛兵と共に馬車を守ることになった。
街道を進む馬車の周囲は緊張感に包まれていた。紅葉が舞い落ち、風が冷たく頬を撫でる。やがて森の影から魔物が飛び出す。牙を剥いた獣が馬車に突進する瞬間、ユートが前に躍り出て二刀で受け止める。鋭い剣筋で敵の攻撃を弾き返し、反撃の斬撃を浴びせる。
ミナは後方から精霊を呼び出し、光の矢を放つ。矢は魔物の動きを封じ、ユートの斬撃と見事に連携した。護衛兵たちはその鮮やかな動きに目を見張り、口々に驚嘆の声を上げた。
「まるで長年の熟練者のようだ……」
馬車は無事に目的地へ到着し、貴族は深く礼を述べた。秋の澄んだ空気の中、《黎明の双星》の信頼はさらに高まった。
◇
冬、王都の学者から古代遺跡の調査依頼が届いた。遺跡には魔力の残滓が漂い、危険な罠も仕掛けられているという。ユートとミナは調査隊に加わり、奥へ進んだ。
遺跡の内部は冷たい石造りの回廊。壁には古代文字が刻まれ、床には罠が潜んでいた。ユートは二刀を構え、罠を見抜いて斬り払う。飛び出す矢を弾き、落とし穴を避けながら進む。
ミナは精霊の光で暗闇を照らし、魔力の流れを解析する。残滓を読み取り、学者たちに報告することで調査は大きく進展した。
奥に進むと、古代の魔力が凝縮した結晶が見つかった。二人は慎重に封印を施し、学者たちに引き渡した。王都に戻ると、学者たちは二人を「知識と力を兼ね備えた冒険者」と称えた
この一年間で"黎明の双星"はその名を広めた
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