14.危機回避特訓
前話の短さを取り戻すかのような長さ。
正直飛ばしても影響はないです。
昨日の話し合いの結果、これから一週間危険回避を中心に特訓することになった。
●第1日目:基礎の反応と位置取り
朝の光が庭に差し込む。ユートはまだ眠気の残る目を擦りながら、父と向かい合う。
父は腕を組み、厳しい視線でユートを見つめた。
「今日は基礎だ。回避と位置取りを完璧に体に覚え込ませる。
剣術と魔力感知の連動も確認する。焦るな」
ユートは剣を握りしめ、深く頷く。
父は魔力を流し、小さな光の粒を庭中に浮かべる。
「これがお前の障害物だ」と父。
小石、倒木、枝が魔力で浮き上がり、光の流れが微かに揺れる。
ユートは目を閉じ、魔力感知を働かせて光の動きや障害物の位置を把握する。
最初は小石を避けるだけでもぎこちない。
踏み込みが浅く、体のバランスが崩れる。
父は優しくも厳しく声をかける。
「もっと意識しろ。体の重心と魔力の流れを一体にするんだ」
午前中いっぱい、ユートは庭を縦横無尽に動き回る。
小石を避け、倒木を飛び越え、枝の間をすり抜ける。
一度転倒すると父は静かに指摘。
「踏み込みが浅い。回避は数字やタイミングで覚えるものではない。
体と魔力で感じろ」
昼休憩の時間も、父は簡単に座りながらユートに話しかける。
「回避は生きる技術だ。焦るな。失敗しても体に刻め」
昼食後、庭に父が魔道具を使って小型魔物を一体召喚。
ユートは剣を構え、魔力感知で魔物の動きを感じる。
初めは攻撃をよけ切れずに数回ダメージを受けるが、体と魔力が同期する瞬間が増えていく。
「ほら、その調子だ。体が勝手に反応し始めている」
午後は障害物と魔物を組み合わせた応用練習。
木の枝を飛び越え、倒木を盾にしながら斬撃と回避を行う。
汗が滴り、足が重くなる。
しかし魔力感知で微細な動きを察知できる喜びが、疲労を少し忘れさせる。
夕方には父が一歩引き、ユートに試練を課す。
「小石と倒木、枝の三種類の障害物を組み合わせて動け。
魔物も同時に攻撃してくるぞ」
ユートは何度も転び、剣先がぶつかる感触、足の踏み込みの甘さを体で覚える。
それでも数回成功する度に、体と魔力が繋がる感覚が鮮明になる。
日没前、ユートは木陰に座り、胸の奥で思う。
(昨日よりも動きが滑らかになった……体と魔力が、少しだけ一体になった……)
父は微笑むように言った。
「初日はここまでだ。疲れただろうが、これが基礎だ。
明日からは複数の敵と複雑な障害物だ。準備しておけ」
夜、寝る前にユートは体中の痛みと疲労を感じながらも、心の奥では希望と期待が膨らむ。
一日の終わりに、初めて「危機回避の感覚」が自分の体に根付いたことを確信する。
●第2日目:複数敵の囲みと脱出法
朝の光は昨日よりも柔らかく、庭の木々を金色に染めていた。
ユートは深呼吸し、昨日の訓練で覚えた基礎を思い出しながら父の前に立つ。
「今日は囲まれた場合の脱出を学ぶ。敵を一体ずつ倒すことにこだわるな。
生き残ることが最優先だ」
父は魔力を使い、庭に複数の障害物をランダムに配置する。
倒木、石、枝、低木――複雑な地形が生まれ、光の粒が敵の位置を示す。
ユートは魔力感知でその流れを読み取り、体の動きと連動させる。
午前中、まず二体の小型魔物を出す。
一体目の動きを予測して踏み込み、斬撃。
しかし二体目が背後から接近し、ユートは一瞬バランスを崩す。
「そうだ、その感覚を覚えろ。だが背後も意識するんだ」
父は声を落ち着け、指示を出す。
ユートは体勢を整え、魔力感知で次の動きを即座に判断。
回避と斬撃が滑らかに一体化していく。
昼食後、三体に増やす。
複雑な障害物の間を縫うようにして、踏み込みと回避を連続させる。
一度転倒すると父は近づき、背中を叩きながら静かに言う。
「焦るな。判断を急ぐと体が硬くなる。魔力と呼吸を意識しろ」
午後は、障害物と魔物の動きがよりランダムになる。
魔力感知をフル活用し、攻撃と回避を繰り返すユート。
回避の精度が上がり、失敗しても即座に立て直せるようになる。
疲労で体は重いが、精神は研ぎ澄まされ、判断力も向上していた。
夕方、父は一歩引き、最終課題を告げる。
「三体同時に接近してくる状況で、障害物を使いながら全て回避しろ」
ユートは魔力感知を最大限に働かせ、足の踏み込み角度、腰の回転、剣の軌道を瞬時に調整する。
何度も転倒するが、回数を重ねるごとに体と魔力の連動が滑らかになっていく。
夜、寝床でユートは思う。
(昨日より、今日のほうがずっと体が自由に動く……魔力の流れも、昨日より確かに分かる)
父も静かに言った。
「二日目はここまでだ。焦るな。明日はさらに複雑になる」
●第3日目:速攻への対応と障害物利用
三日目は、速攻を意識した訓練。
父は魔力で障害物を複雑に配置し、魔物も動きを速める。
「回避と斬撃を同時に行え。速度と正確さを同時に磨くのだ」
ユートは踏み込み、斬撃、回避、障害物利用を連続で行う。
一度転倒しても、すぐに反応し体勢を立て直す。
父は厳しい目で観察し、時折微笑む。
午前中は二体の魔物で速攻練習。
ユートは昨日の経験を思い出し、体と魔力を意識して動く。
少しずつ、攻撃と回避が滑らかに一体化していく。
昼食後、三体、障害物を追加。
ユートは汗を流しながらも、魔力感知で敵の動きと障害物の位置を瞬時に把握し、斬撃と回避を続ける。
足が重くなり、息も荒いが、精神は研ぎ澄まされ、体が勝手に反応する感覚が芽生える。
夕方、父はさらにランダムな攻撃パターンを魔物に与える。
ユートは瞬間的な判断力を鍛えられ、魔力感知の精度が格段に上がる。
夜、ぐったりしながらも、ユートは初めて「体と魔力が完全にリンクしている」と実感する。
●第4日目:夜間想定と魔力感知の極限
四日目は暗闇での訓練。
庭の光を消し、魔力で敵と障害物を浮かび上がらせる。
「目を閉じて動け。魔力の揺らぎだけで敵と障害物を感じろ」
ユートは魔力感知を集中させ、暗闇の中で攻撃と回避を繰り返す。
障害物も魔力で認識し、足元の安全を確保。
失敗してもすぐに立て直し、昨日までとは別次元の動きを体に覚えさせる。
父は冷静に観察し、微調整の指示を出す。
「踏み込みの角度が浅い。リズムを崩すな。感覚を信じろ」
ユートは体と魔力の連動を意識し、攻撃と回避が完全に一体化。
暗闇の中でも魔力感知が正確に働く自信が芽生える。
●第5日目:総合戦闘・動きの応用(詳細長編)
朝、庭に降り注ぐ光は柔らかく、ユートの体に昨日までの疲労が微かに残っていた。
父は微笑みながらも、視線は鋭い。
「今日は総合戦闘だ。障害物、複数の敵、速攻、暗闇……全てを組み合わせる。
生き残り、戦える力を全て使え」
午前中、まずは二体の魔物と簡単な障害物からスタート。
ユートは呼吸を整え、魔力感知で敵の動きを読み、踏み込みと斬撃を滑らかに繰り返す。
昨日までの経験で体と魔力はほぼ連動し、失敗しても瞬時に立て直せる。
昼前、障害物を複雑に増やし、三体の魔物をランダムに配置。
ユートは斬撃の軌道、回避の角度、障害物利用のタイミングを意識して動く。
魔力感知の精度も上がり、暗闇や背後の敵も瞬時に察知できる。
昼食後、父はさらに複雑なパターンを指示。
「次は四体の魔物と複雑な障害物。目で見なくても魔力で判断しろ」
ユートは魔力感知をフル稼働させ、体と魔力を完全に一体化。
一度の転倒も許されない緊張感の中、回避と斬撃が連動する。
父は静かに観察し、細かく指示する。
「踏み込みが浅い。腰の回転と斬撃のリズムを一体にするんだ」
夕方、ユートは汗で服が張り付き、足も腕も疲労で重い。
しかし精神は研ぎ澄まされ、体は魔力感知と一体化して自然に反応する。
夜、寝床でユートは胸の奥で思う。
(昨日よりも確実に動ける……魔力と体がつながっている……)
●第6日目:戦闘中の判断と瞬間移動意識
六日目、父はさらに難易度を上げる。
複数魔物、複雑な障害物、暗闇に加え、魔物の攻撃パターンをランダムに変化させる。
「瞬間的な判断ができなければ生き残れない。体と魔力を信じろ」
午前中、二体の速攻魔物からスタート。
ユートは踏み込み、斬撃、回避を瞬時に判断して行う。
攻撃をかわすたびに、体と魔力がより一層連動していることを実感する。
昼過ぎ、三体、四体と増える魔物。
障害物の位置は変化し、暗闇も加わる。
ユートは一度転倒するが、体は自然に反応してすぐに立て直す。
魔力感知で微細な敵の動きまで察知でき、回避と攻撃の精度が格段に上がる。
夕方、父は試練として、さらに複雑な配置を提示。
ユートは瞬間的な判断力、攻撃と回避の連動、障害物の利用、魔力感知――すべてを同時に使いこなす。
長時間の戦闘で体は限界寸前だが、精神と感覚は研ぎ澄まされ、昨日までの自分とはまるで違う動きを体が覚えていた。
夜、ユートは寝床で静かに呟く。
(俺は……もう昨日の俺じゃない……体も魔力も、呼吸も……全部が一体になった……)
●第7日目:最終総合試験・覚醒の瞬間
最終日。庭には全ての障害物が配置され、暗闇の中、複数魔物が待ち構える。
父は静かに言った。
「これまで学んだ全てを出せ。生き残り、戦える力を完全に使え」
ユートは深呼吸し、魔力感知を最大限に働かせる。
攻撃、回避、障害物利用、瞬間判断――すべてが自然に連動し、滑らかに動く。
父の魔力でランダムに変化する攻撃も、体は瞬時に対応。
午前中、三体、四体の魔物をかわしつつ斬撃を決める。
昼過ぎ、五体の魔物が同時に襲いかかる。
体は限界に近いが、魔力感知と体の動きが完全に一体化しており、瞬時に判断し回避と反撃を行う。
夕方、ついにすべての魔物を撃退。
体は疲労困憊だが、心は達成感で満たされていた。
父は静かに微笑む。
「よくやった。危機回避の感覚を完全に体に染み込ませたな。
攻撃、回避、判断力――全てを使えるようになった」
ユートは胸に熱いものを感じる。
(俺は……昨日より、もっと、もっと強くなった……!)
夜、ベッドでユートは体を横たえながら、胸の奥で思う。
一週間、父と過ごした訓練の成果
――体と魔力の完全な連動、瞬間的な判断力、危機回避の感覚――
すべてが、自分の中にしっかり刻まれていることを確信した。
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