13.初実戦の後
めっっっっちゃくちゃ短いです。
森を抜け、屋敷の門をくぐった頃には、夕日が木々の隙間から差し込み、ユートの影を長く伸ばしていた。
腕の傷は浅く、血もすぐに止まった。
けれど──家に帰れば、当然のように心配と叱責が待っている。
(……帰ったら、父さん、絶対怒るよな)
スモール・ウルフ三匹との戦闘。
初めてとは思えないほど冷静に動けた自信はある。
でも「危険だった」ことには違いない。
門をくぐると──
「あっ、ユート坊ちゃん! その腕……!」
最初に駆け寄ったのは侍女のリリアだった。
腕の血痕を見るなり、目を丸くして声を上げる。
「ちょ、ちょっと待って! 奥様と旦那様を呼びます!」
「う、うん……あんまり大げさにしなくても……」
深くため息をつく間もなく、庭に父・母、そして兄が現れた。
「ユート!! その腕、どうしたのっ!?」
母が駆け寄り、腕を確認する。
父も険しい表情で傷を見る。
「……噛まれた痕か。魔物か?」
「うん。スモール・ウルフ、三匹」
母が駆け寄り、ユートをぎゅっと抱き締める。
「痛くない……?」
「うん、大丈夫。ちょっと噛まれただけ」
「もう……危ないことをして……!」
ユートの胸がぎゅっと締め付けられる。
父は低い声で静かに言った。
「朝、なんと言った?」
ユートは喉がきゅっとなる。
「……浅いところまで……無茶はしないって……」
「その約束は守れたのか?」
父の目は厳しいが、怒鳴るような口調ではない。
ユートは頭を下げて答える。
「……最初の一匹は大丈夫だったけど、二匹目、三匹目に囲まれて……危なかった」
父の表情がわずかに曇る。
「そうか。大きな怪我をしなかったのは運が良かった。
だが、初めての戦闘で囲まれるのは……本当に危険だ」
ユートが頭を下げると──
「やるじゃん、ユート。
でも次はもうちょっと安全にやれよ?」
セラフィムが腕組みしながら、ゆるっと笑った。
軽い口調なのに、心配は隠せていない。
「……うん」
父はため息をつきつつ、腕を確認し、魔力を少し流す。
「この程度の浅い傷で済んだのは──お前が諦めず戦った証拠だ。
だが、慎重さを欠けば命に関わる」
ユートの胸が熱くなる。
母は涙をぬぐい、頭を撫でる。
「無事で、本当に良かった……」
セラフィムは肩をぽん、と叩いてから、ちょっとふざけて言った。
「よーし、次は俺が盾になってやるか……って言いたいけど、無理だな。
ユート、頼むぞ」
「……うん」
父はやはり真面目に、夕食後に少し話をすると告げる。
「危険回避と退避の判断についてだ」
「……わかった」
ユートは静かに決意を新たにした。
──今日の戦いで覚醒した“剣気操作”。
──家族の温もりとの安心感に包まれ、帰宅の安堵を噛み締めた。
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