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第3話:怒りは3秒足らずで

なんというか、意外とあっさりお金が貯まってしまった。

500万。大金。

……やった。

遂に、遂に宇宙に行ける。

でもまずは応募の前に、地球を去る準備をしないといけない。

が、今日の私は、久々の休日と500万円に届いた嬉しさですっかり舞い上がっていた。

今日の私なら、本当になんでもできそうだと、本気で思った。


さて、せっかくの休日なんだから、少し時間がかかる準備をしよう。

何から手をつけよう、そう思った時、ふと、両親の存在を思い出した。


私の両親は、私が小さい頃から仲が悪く、喧嘩の絶えない家庭で私は育った。

両親は二人とも気が強く、毎日毎日、罵詈雑言の流れ弾を浴び続ける日々。

結局、私が小学生になる前2人はに離婚してしまった。

それからは母と二人暮らしだったが、状況は幼い頃よりも悪化した。

母はだんだん家事をやらなくなり、外に出会いを求めてフラフラするようになった。

けれどバツイチに良縁はそうそうなく、うまくいかないたびに母は不機嫌になっていた。

私はというと、友達と遊ぶこともなく、母が放り出した家事を片付け続ける毎日。

合間になんとか勉強をしていても、同級生との差がどんどん開いていくのを感じていた。

それでも、母は学費だけはしっかり支払ってくれた。

そのおかげで私は、公立高校を出て、国立大学を卒業し、今の会社に就職することができた。

……お金の面だけは、今でも感謝している。

だがそれ以外は、あいつは私の青春を奪った悪魔だ。


そんな両親だが、さすがに娘が死ぬことは伝えておくべきだろう。

今日、久しぶりに電話をかけることにした。

離婚した父は電話番号も、居場所も、もうとっくにわからない。

なので、かろうじて繋がる母の携帯に発信した。

果たして、出るだろうか。

胸がソワソワして、変な汗まで出てくる。

……プツ、と通話が繋がった。


「ああもううるさい! 二度とここにかけるな!!」


——プツン。

通話は、3秒足らずで終了した。


わかった。

こいつには、もう二度と電話をしない。

私が馬鹿だった。

あいつが娘を大切にするはずなんてない。

あの金だって、本気で支援していたわけじゃなく、ただ投げ捨てただけだったのかもしれない。

そんなこと、今考えたくはなかった。


(あくま)のせいで休日が台無しだ。

しかも、明日からまた会社だ。

ますます憂鬱になる。

…いや。

もういいじゃないか。

私の周りの人間は、きっとみんなこうなんだ。

私をこき使う上司も、クソみたいな同僚も、みんな同じだ。

だったら同じことをしてやろう。

会社も、人間関係も、地球も。


みんなみんな、捨ててしまおう。



第3話:怒りは3秒足らずで 終

お読みいただきありがとうございました!


深夜に書き上げました!いいペースです!


第2話から半分くらいになりましたね!まとまっている…のか?


下書きも進んでいるので第4話もお楽しみに!!


以上、[期待の大型新人]でした!

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