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第1話:プロジェクト《ほしくず》

プロジェクト《ほしくず》と聞いて、君はどんな計画を想像するだろうか。

宇宙に関するもの? 宇宙旅行? あるいは月への移住計画?——そう考えるのも無理はない。

あながち間違ってはいないのだから。

だが、実際はそんなに胸躍るものではない。


プロジェクト《ほしくず》とは、自ら命を絶とうとする人に、最後に美しい体験を与えるために作られた計画なのである。


概要を説明しよう。

参加者はまず応募をし、自殺の日取りと向かう場所を告げられる。

その場所とは、ロケットの発射場だ。

当日、志願者は小型ロケットに乗り込み、宇宙へと打ち上げられる。

そして、広大な景色を眺め、満足したところでスイッチを押す。

すると機内はガスで満たされ、静かに死を迎える——。

それがこのプロジェクトの仕組みだ。


この計画が始まったのは、地球全体の人口増加が止まらず、人々の鬱屈と自殺が大きな問題となり始めた20xx年のこととされている。

そこから10年後、日本政府が正式にこの計画を発表した。

すると、たちまち報道、拡散され、世界中に衝撃が走った。

自殺を肯定していなかった国が、突如としてこんな計画を打ち出す——常識を覆す出来事だった。

しかし、あまりに生きづらくなった今の世界は、それを冷静に受け止め、ついに日本に計画を進めるよう促した。

やがてロケットが開発され、1人、2人、10人と打ち上げられる人々が現れ、ついには世界中に普及していった。

いまでは《ほしくず》の公式サイトまで用意され、人々の間で自殺が肯定的に語られる時代になってしまったのだ。


もっとも、このプロジェクトには問題もある。

自殺へのハードルが下がり、実際に自殺率が上昇してしまったのである。

「自殺を肯定はするが、人間が減るのは困る」——というのも滑稽な話だが。

だが、メディアが批判的に取り上げることはあっても、中断の気配はない。

そして今もなお、日々ロケットが発射されているのだ。


……さて。


ここまで語ってきた《ほしくず》だが、私は近く参加するつもりだ。

言い換えれば——私は、自殺志願者なのだ。



第1話:プロジェクト《ほしくず》 終



読んでいただきありがとうございました!


連載のペースは決めてませんが、元々短編で出すつもりだったので、ある程度の形はできてます!


完結まで書けたら短編としても出そうと思います!


どうぞこれから[期待の大型新人]をよろしくお願いします!!(後書きも読んでいただきありがとうございます!)

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