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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第二幕 天使
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第九話 終幕

 先生に挨拶をして俺は帰った。

 関西都市群から旧都の入り口までを3時間で移動した俺は拠点に帰ってきた。

「兄さん、やっと帰ってきたね。兄さんが帰ってくるまでに天華とずっと戦ってたんだよ?」

「あいつ、体力あるな。覚醒したての神話種でそこまで戦えるなんて」

「どうする?まずは私たちの誤解から解く?」

「そうだな、じゃないと天華を止めることは出来ないだろうしな」


「うっひぐっ、まさか、四大罪人の方々にそんな過去があったなんて。本当に申し訳ございません。皆さんのことも考えずに襲ってしまって」

「まあお前の反応が普通の反応だ。薄々戦いになるのは覚悟してたさ」

「明さん、申し訳ないです。一度は皆さんに救われた命なんです。殺すなり好きにしてください」


 なんかこいつ、最初に戻ったな。

「殺したりなんかしないよ。ただ、お前には俺達の今後の活動に協力してもらう」

「今後の活動ってなに?」

 乃亜も聞いてきたのでここでまとめて発表することにする。

「俺達は拠点を先生の家に移してとあることを行う」

「神話種『悪魔』の発見と守護だ」


「先生いわく、ここ最近、神話種を狙った能力者狩り集団が規模を拡大しているらしい」

「「それって天華も狙われるってことか?」」

龍と暗がほぼ同時に同じことを聞いてきた。

「ああ、おそらくな。天華には騒動が解決するまではこれを付けてもらう」

 俺は先生にもらった指輪を見せる。

「えっこんな、貰えないです!こんな高価なもの」

「良いんだ、これはお前の能力を抑制する指輪だ。お前が『天使』だと一般人の前で見せるわけにはいかないんでな」

度重なる説得の末、

「わ、分かりました!明さん、指にはめてください!」

「んなっ(こいつ、大胆な!)」

何故か乃亜から鋭い視線を感じるが無視して続けようと思う。

「分かった。どの指がいい?」

「ここでお願いします!」

 俺は特に深く考えずに左手の薬指に指輪をはめた。

「あっそ、そんな」

 乃亜が何故か気の抜けた声でボソボソ喋っている。

天華は乃亜の方を見て憎たらしいほどの笑顔を向けていた。仲良さげで良かったと思う。

「話は戻るが俺達の目的は『悪魔』の発見をして先生の庇護下に置くこと。以上だ」

「それって先生の家に住む必要あるの?」

「拠点と充実な生活を提供してやるから協力しろってことらしい。俺は天華の身の安全のこともあるし乗るべき話だと思った。今の数ヶ月に一回旧都荒らしを狩って生活を繋ぐ生活よりは全然良いだろ」

「それはそうだけど、兄さん、先生の家で暮らすって新日本の中心地で暮らすってことだよ?僕達は追われてるんだし危ないんじゃない?」

「先生曰く、世間が知ってるのは6〜7歳前後の俺達の顔だけで、今の俺達は人前に出ても何ら問題は無いらしい」

「僕は兄さんが良いなら」

「私も明が行くなら」

「明が大丈夫ってんなら俺も良いぞ」


 全員の賛同は得た。今後俺達は志を新たにして活動していくことにしようと思う。

 如月美蘭の能力『運命』

 五つある神話種の中の一つ。『運命』の名の通り対象者と定めた相手に起きる因果を弄ることができる。本来起きるはずだったことを無かったことに出来る。如月美蘭は能力を鍛えることにより対象者の上限を十五人までに増やし新日本最強の能力者と呼ばれるまでに至った。

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