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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第二幕 天使
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第八話 最強

 俺達が十年前の爆破事故で生き残れたのには理由があった。

 一つは俺達四人が巨大な結晶をそれぞれ取り込んだことにより結晶による爆破に耐性がついたこと。これと同時に俺達は特殊な能力を得たのだがそれはまた別の機会に話そう。

 もう一つは先生の存在が大きい。

 先生は、爆心地で生き残った俺達を見て自身の庇護下に置き世界中の追手から守ってくれた。理由はわからない。同情なのかもしれないし気まぐれかもしれない。


 ちょうど一年前、俺達四人が能力を最大限に使いこなせるようになったことにより先生は俺達を追い出した。独り立ちしてこいという意味なのだろう。俺達は9年間先生のところに匿われていたので顔が知られていると言うこともなく平和に暮らすことが出来るようになった。

 先生は俺達にとって師匠であり親でもある。そんな存在なのだ。


 先生の家は確か今はここだったはず。

 新日本関西都市群、今の日本の中心と呼べる場所だ。


 扉を開ける手が重い。先生と最後に別れた時は

「なんかやらかして戻ってきたら容赦しないからな!」

と言われた。今回のは俺達がやらかした訳ではないから怒られることはないと信じたい。

 ピンボーン

 先生の家の呼び鈴を鳴らす。少し経ってから身長の高い黒髪で長髪の女性が出てきた。


 この人こそが俺達四大罪人の先生であり、五つある神話種の中の一つ『運命』を使う。

 如月美蘭、通称「新日本最強の能力者」だ。


「久しぶりだな、明、私に会いにきたと言うことは殴られる準備はできたということなんだな?」

「いつ見ても恐ろしい人だ、全く」


 数分後、俺は先生の家のリビングにいた。

「久しぶりだな!最後に会ったのはいつだったか。元気にしてるか?お前達」

「ああ、皆元気だよ」

「一年経ったんだ、乃亜はそろそろお前と付き合ったか?」

「そんな訳ないだろ」

「全く、何年経っても鈍感なやつだ」

 そんな会話を繰り広げながら俺達はお茶を飲んでいた。

ちなみにこのお茶一杯で俺が一年間旧都荒らし狩りをしなくても良いレベルには高級品だ。


 俺は天華という『天使』の能力者と遭遇して、今の俺達の力だけじゃ完全には止められないことを説明した。

「ほう、『天使』か、少し前に前任の『天使』持ちが亡くなったことでどこかに『天使』が再出現するとは思っていたのだが」

「なんだと?『天使』持ちが亡くなった?曲がりなりにも神話種なんだぞ?それを殺せるやつなんているのか?」

「ここ最近正体不明の能力者狩り集団が勢力を伸ばしていてな、奴らの主なターゲットはおそらく神話種だ」

 神話種がターゲットだと?つまり天華にも危険が迫っていると言うことなのか?

「お前が想像してる通り天華とやらにも危機は迫っているだろう」

「そ、そうか」


 美蘭…先生は一拍置いてから話しかけてきた。

「その天華とやらにお前は命を賭ける価値があるのか?明」

「………」

 俺はすぐに言葉が出なかった。


 少し考えた上で俺は言った。

「俺たちが味方でいないとあいつの味方はこの世にいなくなる。理由はそれで十分だろ?美蘭」

「フン、生意気になったもんだ。確かにお前達のような境遇でもないと神話種に対してそんな発言はできないだろう」

「……テストは終わりか?」

「ああ、良いだろう。能力軽減の指輪を使わせてやる」


「ああ、そうだ明、一つ提案があるんだが…」

神話種の能力は世界に一つずつしか存在せず、前任者が何らかの理由で亡くなると亡くなってすぐに生まれた赤子にランダムで受け継がれる。

 四大罪人の能力は複数存在が可能だが、四大罪人と同レベルの多量の結晶を取り込まなければ発現しない。

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