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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第六幕 邂逅・永逝につき
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第七十九話 能力の京華

「そうか………ブチ殺す! 遺書は書かせねェからよ」

 学生は地面から枝を拾い、とてつもない速度で天城に向け放つ。

「おー、速いじゃねーか。お前みたいな強いガキは嫌いじゃねーな」

 天城はさらりと枝を避けながら話を続ける。


「おいガキ、名前は?」

「如月……美蘭」

「そうか美蘭か。テメー、強いな。老体をこき使いやがってよ」

「……ジジイ扱いされたく無いんじゃ無かったの?見た目からして、変な爺さん」


 美蘭は何度も天城に攻撃をするも、全てを避けられて逆に距離を詰められていた。

「お前の武器、そんだけか?飛び道具ばかりでどんな能力なのか分かりもしねェ」

「……じゃあ見せてあげるよ。別の武器も」


 美蘭は天城に向け腕を上げる。

 次の瞬間、天城の身体は公園の端まで吹き飛ばされており、木にめり込んでいた。



「はぁ、はぁ、危なかった」

 あのまま戦っていたら確実に私が負けていた。よく分からないけどあの人には言葉に言い表せない不気味さがあった。

「はぁ、やっぱり人を操ると体力の消費が……激しい」

 奏、奏は無事だろうか。

「……何処だっけ」

「誰が何処か……だって?」

 


「……嘘、今のを受けてもまだ立てるなんて」

「ああ、さっきのは凄かった。今でも背中がすげー痛いからな。んでもって美蘭、お前さんの能力を教えろ」

「はぁ?」

 自分が制圧出来たと思っていた。思っていたのに、何故か目の前の老人はピンピンしていて、突拍子も無い事を言ってくる。


「だから、お前の能力だよ、能力。分かんねーの?」

「………分からない。私は感覚で能力を使ってるから」

 美蘭は何故か言われた通りに話していた。その理由は本人にもよく分かっていなかったが、後に美蘭は「自分よりも強い天城にどこか惹きつけられたのだろう」と考えたのだという。

 

「感覚であれだけ戦えるとは……美蘭よ、天賦の才ってやつか?」

「……天賦の才?何それ。私が出来る事は物を操る……それくらいで、他は身体能力で補ってるし」

「良いんだよ、それが正解だ。能力には限界があるんだから、無理な事は結局フィジカルで補うしかない」

 美蘭の言葉を聞いてから天城は笑みを抑えられていなかった。

 

「………随分と若者みたいな言葉を使うんだ。爺さんの癖して」

「うるせェな」

 天城は美蘭の頭を軽く叩く。

 

「……なぁ美蘭よ。お前、今より強くなる気は無いか?」

「は?何急に。私は強さなんて興味ないし。奏さえ守ることができれば……」

「お前の能力ってのは恐らく『運命』だ。世界に五種しかない最強の能力って奴だよ」

「はぁ?」

 美蘭は天城の話を聞いてから、困惑気味に天城の顔を眺めていた。



 美蘭と天城。神話種同士のこの二人の出会いは後に美蘭の人生を大きく変えるのだった。

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