第四十六話 Aクラス
「光君、ちょっと待ってよ」
俺が去ろうとしたらオリヴィアに引き留められた。その目にはどことなく不安の色が漂っている。
「今の、どういう意味?偽りのって、僕のことをバカにしてるの?」
「どうしてだ?その通りだろ?お前はただのなりすましだろ」
「光君、キミ、ちょっと度がすぎるんじゃないかな?ボクは自分の能力に誇りを持っているから今この地に立っているんだ。馬鹿にするのも大概にしろ」
「あーあ、そうすぐに怒るなよ、せっかくの整った顔が台無しだぞ?」
少し揺さぶりをかけてみるつもりだったが、とりあえず認めないスタンスか。時間はまだ沢山あるしな、今はまだ良いか。
「俺はさっきの奴追いかけないと行けなくてさ。お前も一緒に来るか?」
「うるさい、話しかけるな」
ちょっと怒らせすぎたな、これは。
「じゃあな、また会おうぜ」
そう言って俺は凛を追いかけに校舎に入って行った。
「お、いたいた。何してるんだ?凛」
「Aランクはここに集合って言われてるんだけどさ……本当にここで合ってるのかな」
「えっと……四人しかいないな」
お、あの二人は、
「よう、二人とも」
「あ、明……いや、今は違うんだっけ?紛らわしいね」
「やはり明さんもAクラスでしたね。これで無事に三人ともAクラスです」
アモンとバルバトスも無事にAクラスになった様だし一旦は安心だな。だがAクラスってことは二人も本当の能力が学校側に知られているんだよな。今後は考えて動かないといけなくなったってことか。先生め、面倒な状況にしやがって。
「光、誰それ、知り合い?」
「ああ、地元の知り合いなんだ。二人ともAクラスで強いぞ」
そう聞いて凛は少しオドオドしながら、
「そうだったんだ。よ、よろしくお願いします。月島凛と言います」
と言った。
「よろしく、凛。僕は晴人って呼んで」
「私は亜門と呼んでください。よろしくお願いします」
バルバトスで晴人はまだ分かるが……亜門はそのまますぎるだろ。もう少し捻ればいいのに。
後の二人はどんな奴だろうか。などと俺が考えていると部屋の扉が開いた。
そこには銀髪の女の姿があった。
「ま、そりゃあAだよな、お前は」
彼女は堂々と部屋の中心に歩いて来て無言で椅子に座った。
「ねえ明、あれ誰か分かるかい?」
「簡潔に言うぞ、オリヴィア、留学中のイギリス人、天使を名乗っている」
「つまりなりすましって事ですか?確かに見た目は神話種として祀りあげられるような神々しさがありますが」
「ねえ光、何の話してるの?」
「あっ、いや、有名人がいるなぁって話をだな」
「確かにね、光もオリヴィア様の魅力についに気づいちゃったかー、感慨深いね」
どの立場から話してるんだこいつ。
俺達がそんな会話をしていた時、
「ようやく全員か」
扉の方から気配もなくそんな声が聞こえた。
「アー、これだからAクラスの担任なんてやりたくなかったんだ。お前ら、あんま俺に迷惑かけるなよ」
そう言って男はあまりにも面倒そうに全員の前に立った。
「んー、まあ、そうだな。Aクラスは他のクラスとは違って入学に喜んでる場合じゃねーぞ。毎週試験があるからな。ちゃんと準備しとくように。んーと、あと何話せば良いんだったかな」
大丈夫かよこの担任。
「ああ、そうだ。Aクラスは七人しかいないからクラス決めなんてもんは無い。そんじゃ、二時間後に実践訓練があるから……それまで寝とけ」
そう言って男はパチンと手を叩いた。
その瞬間、全員に猛烈な眠気が襲って来た。
「そんじゃ、二時間後までうるさくすんじゃねーぞ?あ、やべ、俺名前言ってねーな。まあ良いか」
そう言い残して男は外へ出て行った。
どもども、親の顔よりみた小指です。土曜日に二話出すと思うのでよろしくお願いします。




