第三十八話 新宿戦 其の十二
「先生、遅くなった。皆無事か?」
「ああ、今ちょうど行方不明だった奴が見つかったからな」
そうは言われても仕方ないだろう。俺達は撤退してからノイマンに連絡を入れようと思っていたが、急に通信が遮断されてしまったのだ。それにアモンが回復するまで想像以上に時間がかかってしまった。
「まあ、こっちにだって色々あったんだよ。それで、あの二人は敵か?」
「そうだ。βの三位と四位らしい」
「は?三位?四位?それって一体どんな強さしてるんだ……あ、そうだ。六位の累って奴は?」
「ほれ、あそこで捕まってるのがそうだ」
あ、もう倒してたのか。そりゃ先生がいたらあのレベルなら圧勝だろうしな。
「ねえねえ、レーザーを打ち返すなんて君一体何者?」
「お前こそどこの誰だ?」
「私はβ四位の持国だよ〜。君さ、私と戦ってみる?」
「はっ、できればご遠慮したいね」
何だこの女、不気味な雰囲気が凄いな。できればこいつよりもさっきのレーザー野郎と当たりたい。多分、あいつ相手なら俺の能力で優位に立てるはず。
「そいつは私が相手をする」
「へ?先生、あんた今自由に動けてないだろ」
「動きが鈍いのはその血のせいだ。私はそいつにダメージの借りがあるからな」
「分かった。じゃあ先生が持国の相手をしろ」
「ああ、任せろ」
俺達がそんな会話をしていると、
「作戦会議は終わりか?」
ともう一人の男が声を掛けて来た。
クソッ、あれを受けて無傷だと?それって俺が挑んで相手になるのか?アモンが戦えるかは分からないし、天華を前で戦わせるのは得策じゃない。
はあ、戦力不足だな。
「よぉ、お前ら俺様がいない間に随分とボコボコにされちまってよ」
周囲に声が響いた。聞き覚えのある声が。
「遅かったじゃないか。私の方が先に着いてしまったぞ?ルシファー」
「ルシファー、ギリギリ間に合ったな」
「明か。ウチの者は随分とやられちまったみたいだな」
「ここからは結構お前が頼りになるんだ。頼んだぞ?」
「気に食わねえな。あの二人、俺よりも強そうだ。本気で戦わないとなあ」
ルシファーが前線に立った途端に持国達が面倒そうに言ってきた。
「ごめーん。流石に敵が多すぎるから撤退するね〜累くんも持ったし、行こ、広目」
なっ、あいついつの間に累を抱えていたんだ。
「ああ、持国、一旦退くぞ」
「それじゃあね〜。また会おうね、四大罪人の一人、稲光明くん」
そう言い残して二人はあっという間に姿を消した。
「チッ、俺のことバレてたのかよ」
「先生、ルシファー、俺達はとんでもない組織を敵にしてるんじゃないのか?」
「ああ、そうかもな」
「今回は撃退できたが次の襲撃にも私やルシファーが対応出来るとは限らないからな。全員の強化を目指さなければな」
「はぁ、しばらくは修行かなぁ。また先生に鍛えてもらうとするか」




