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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第四幕 神話種狩り
33/95

第三十三話 新宿戦 其の七

 22時

「お疲れ様でした、お二人とも。見事な戦闘でした。特に天華さん、能力の覚醒おめでとうございます」


 天華達が戦いを終えてしばらく休んでいるところでノイマンが話しかけた。

「いえ、そんな、今回のはほとんどバルバトスさんのおかげですし……まあ、能力を使う感覚が覚えられたので今後は自由に使えるはずです」

「それは良かったよ。僕も人相手に能力を使うのは思いつきだったしね。反動は特に無かったかい?」

「そ、そうですね……特に今は、うーん、強いて言えば少し頭がクラクラするくらいですかね」

「まあ、そのくらいなら大丈夫かな」


 三人で少し雑談をしてからノイマンが、

「ただ、まだ今回のボスを倒していません。明さん方に打ち勝っていると言うことは敵は神話種に匹敵すると言うことです。ですが、私達はそれぞれの対処で精一杯。既にかなり消耗しています」

と言った。

「第二の彼等を拠点に呼び戻すってのはどうだい?とりあえず連絡してみたら?」

「いえ、それも考えましたが外の炎の壁、アレがまだ機能しているようで味方間での通信が遮断されています。その考えは現実的じゃないでしょう」

「うーん」


 バルバトスは悩んだ末に、

「じゃあ、僕らの行動方針は天華ちゃんに決めてもらおうか」

と言った。

「え?な、何でですか?皆さんの方が戦闘経験があるじゃないですか」

「だって、そりゃあね、天華ちゃんがこの中で一番強いしね」

「そ、そんなはずないですよ!私なんて戦い慣れてないですし、バルバトスさんとかの方が」

「僕達が覚醒した神話種相手に勝負になると思う?明くんやベルゼブブならまだ勝負になるだろうけどね」

「そ、そうですか」



「それでは、天華さん、どういたしますか?」

 ノイマンがそう聞いた後、

「今回のメンバーの中で一番一撃が強い人は誰ですか?」

と、悩みながら質問した。


「アスタロトちゃんだね、間違いなく」

バルバトスが即答した。

「そうですね、彼女の能力は一撃の強さで言えば悪魔組内でもトップクラスですから。ボスを除くのなら、ですが。なぜその様なことを?」


 天華は少し間を置いてから、

「炎の壁を破壊しましょう」

と言った。


「確かにさっきの奴も能力者の相手は能力者しかできないとか言ってたしね。ありなんじゃない?」

「そうですね。現状私達に残された出来ることといえばそのくらいでしょうから。とはいえ、どうやって行くかですね。戦場は炎の壁で分断されています」

「僕が風穴を空ける。そこに天華ちゃんが滑り込むんだ」

「で、でも、それだとノイマンさんとバルバトスさんが取り残されてしまいますよ?」


 それを聞いたバルバトスは笑いながら、

「ハハっ、僕達がこれ以上戦える様に見える?ノイマンは能力の使いすぎでしばらく体力切れ。僕もボロボロにされたからねー」

と返した。


________________________


 数時間前

「え、今から新宿ですか?私の能力戦闘向きじゃないの分かってます?美蘭さん、私のことなんだと思ってるんですか?はぁ」

「仕方ないだろ?私だって行きたかったさ。ノイマンとやらに言われてからこれでも全力で予定を減らしたんだぞ?自力で行く暇があったら行ってたよ」

「そこで何で私に頼むんですか?」

「一番近くにいるのがお前だったし……それに能力便利だし……な?」


「はぁ、いつもいつも私の能力に頼ってて、神話種として恥ずかしくないんですか。仕方ないですね、新宿ですよね?はぁ、せっかく北海道から戻って来たばかりなのに……」

親の顔よりみた小指です。本日あと一話出す予定です。

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