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大英雄の大罪人  作者: 親の顔よりみた小指
第四幕 神話種狩り
30/95

第三十話 新宿戦 其の四

 21時30分

『どう言うこと?繋がらない。いや、それどころか能力範囲内の分析が中断された』

「どうしたの?ノイマン」

『累との交戦中だった第一部隊からの通信が途切れました。いや……と言うよりも遮断された様な感覚です』

「多分あれだね。ついさっきできた外の炎の壁。おそらくあれが電波や能力の効果を遮断してるんだと思うよ」

『となるとまずいですね。状況の共有ができないままここまで累が攻めてくる可能性があります』


 そこで、無言で話を聞いていた天華が口を開いた。

「あ、あの、明さんは?明さん達は無事なんですか?生きてますよね?」

『今の所はおそらく負けたとしか。生死は分かりませんが危険でしょうね』

「そ、んな」

 その言葉を聞いて天華が崩れ落ちる。

「天華ちゃん、明は無事さ。彼はそう簡単にやられるようなタマじゃないさ」

「そ、そうですね。すみません、早とちりでした」


「今僕らがやらなきゃいけないことは目の前の敵を倒すことだ。君が悩む必要は無い。それだけ考えるんだ。分かったかい?」

「は、はい」

 そう言ったバルバトスは外の方を向いて、

「早く戻ってくるんだ、明」

と、小声で呟いた。



「さて、ノイマン?さっきの矢は当たった?」

『分かりません。ですが今までより戦闘機の軌道が直線的になっています。損傷を受けていることは間違い無いでしょうね』

 ノイマンがそう言った瞬間、雲を切って黒い影が落下していく姿が全員の目に入った。

「あれだね。どうやら重要部位は避けた様だ。かなりの操縦技術だよ」

「ど、どうするんですか?本体が出てきたら私達に勝ち目はないですよ?肉弾戦なんて出来ないですし……」


『推定十秒後に戦闘機を放棄、本体が来ます。準備を』


「頑張ろうか天華ちゃん。今は僕達二人が戦闘員なんだ」

「バルバトスさん、私、まだ飛行が限界で」

「大丈夫だよ。僕が何とかしてみせる」

 バルバトスはロビンを持って外に駆け出して行った。


『バルバトスも冷静そうに見えて明さん達が心配なんでしょうね。すみません天華さん、彼を任せます。私は動けませんが代わりにこれを付けていてください』

 そう言ってノイマンは片耳分のイヤホンを手渡した。

『それじゃあ、頼みましたよ』

「は、はい」



「やあ、君が雷を使ってたのかな?」

「フンっ、雷…か。俺の能力は『紫電』だよ。これでもβの中では結構強い方でね。そういえば、お前の弓は能力由来ではないのだろう?本当にそれで勝つ気か?能力者の相手ができるのは能力者だけだぞ?」


 すると、バルバトスが殺気を醸しながら、

「ペラペラとうるさいんだよ。いつまで調子に乗ってんだ?能力者だ?お前は所詮機械に頼る三流だろ?」

と言った。

「……言うじゃんかよ。覚悟は出来てるんだよな、クソガキ」



「アハっ、勿論」

 バルバトスはそう言い、無意識に腕に力をこめていた。

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